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2018.11.27

カビの予防法からカビ取りのコツまで、お掃除のプロが解説します

カビの予防法からカビ取りのコツまで、お掃除のプロが解説します

「カビの心配は梅雨の時期だけ」と思っていませんか?昔よりも家の気密性が高くなり、冬でも暖かく湿度の高い環境になっています。その結果、季節を問わずカビが発生......という事態に。そこで今回は、お掃除のスペシャリスト・藤原千秋さんに、すぐに始めたいカビの予防法やカビ取りのコツをお聞きしました。

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効果的なカビの予防法は、カビが好む3つの条件を知ることから!

効果的なカビの予防法は、カビが好む3つの条件を知ることから!

「カビがまったくない、という家はまずありません」と言うのは、お掃除のプロである藤原千秋さん。カビには何万という種類がありますが、普通の家庭では黒カビをはじめ30種類程度のカビが見られるそうです。室内にはたくさんのカビの胞子がただよっていて、それを吸い込みアレルギーなどを発症することもあるのだとか。

「まずは、カビをできるだけ発生させないための予防法が大事です。カビが好む3つの条件を知ることから始めましょう」(藤原さん)

カビが好む3つの条件は「エサ」「温度」「水分」

「カビは、小さなホコリでも、有機物ならすべて『エサ』にしてしまいます。カビの『エサ』は、掃除を小まめにしても完全にはなくせません。また、人が暮らす室内の『温度』を、カビが死滅するほどの高温や低温にするのも無理。残る対策は、カビが好む『水分』をできるだけ減らすことです。それにより、カビの発生をグンと抑えられますよ」(藤原さん)

最大のカビ予防法は換気!ポイントは、換気扇の電気代をケチらないこと

最大のカビ予防法は換気!ポイントは、換気扇の電気代をケチらないこと

カビが好む「水分」を減らすために、藤原さんおすすめのアイテムが「湿度計」です。浴室やリビング、寝室など、自分が生活している場所の湿度を測ってみましょう。

「特に冬は、インフルエンザ対策などで加湿器を使うお宅も多いですよね。湿度が高いとカビが一気に増えるので、50~60%を目安にしてください」(藤原さん)

湿度が高過ぎる場合は、「換気」でコントロールしましょう。室内のカビの胞子を外に出して、空気をキレイにするという効果もあります。

窓を開けて自然換気

「家中の窓を開けて、空気を入れ換えましょう。屋外の空気が澄んでいる早朝が理想的ですが、花粉の時期などは、人や車の動きが少なくなる夜でも大丈夫です」(藤原さん)

換気扇や24時間換気システム

カビの予防法からカビ取りのコツまで、お掃除のプロが解説します

「窓が開けられなければ、浴室やキッチンなど全ての換気扇を同時に回すのも手。24時間換気システムが付いていれば、常にONにしておきます。電気代がもったいないからと消してしまう方も多いのですが、健康で快適な暮らしを重視するなら『電気代をケチらず換気扇を使うこと』を意識しましょう」(藤原さん)

水回り以外にも!カビの生えやすい場所を徹底チェック

水回り以外にも!カビの生えやすい場所を徹底チェック

カビが生えやすいのは浴室などの水回りですが、藤原さんいわく、その他にもカビが生えやすい要注意スポットがあるとのこと。

日頃閉じている場所

「扉のある下駄箱やクローゼット、押し入れ、フタのある容器などは、湿気がこもってカビの温床になりやすくなっています」(藤原さん)

対策:換気しているときは、扉やフタを開け放しておきます。空気が通りにくい場所には、扇風機などで風をあてましょう。

敷きっ放し、置きっ放しのもの

「万年床の布団は、寝ている間にかいた汗が染み込んで、人型にカビが生えていることも。また、動かしにくいソファやベッドなどの家具、ラグやマットなどの敷物の下も要チェックです」(藤原さん)

対策:布団や敷物は小まめに干して乾燥させ、家具はたまに移動させて、空気を通しましょう。

意外な場所にもカビを発見!

「傘立てや歯ブラシ立てなども、水分が多くカビが生えやすいです。また、カーテンの裏は結露でカビが生えることがあるので、黒い点々が見えたらカビを疑って」(藤原さん)

対策:傘立てなど水が溜まる場所は、濡れたままにせずしっかり乾燥させましょう。また、冬は窓の結露を拭き取って、カーテンのカビを予防しましょう。

間違ったカビ取りをしていない?カビを広げて逆効果にも

間違ったカビ取りをしていない?カビを広げて逆効果にも

カビ取りの際には、「単にスポンジでこする、水拭きをするなどのお掃除は逆効果です」と言う藤原さん。他の場所にもカビの胞子を飛ばしてしまったり、カビに水分を与えることになってしまったりするのだとか。

それでは、正しくカビ取りをするには、どうすればいいのでしょうか?

浴室など水回りの場合

「水が使える場所なら、『次亜塩素酸ナトリウム』配合のカビ取り剤を使うのが一番簡単です。容器のラベルの注意書きに従って使用し、短時間で洗剤を洗い流してください」(藤原さん)

収納や壁・窓など水が使えない場所の場合

「カビの細胞に入り込んで壊す『消毒用エタノール』がおすすめです。ボロ布にスプレーしてカビを拭き取り、拭き取った場所にもう一度スプレーして再発を予防しましょう。カビを拭き取った後のボロ布は、他にカビを広げないよう、使い回さずビニール袋などで密閉して捨てましょう」(藤原さん)

帰宅後すぐ、ニオイでカビの発生源を確認しよう

帰宅後すぐ、ニオイでカビの発生源を確認しよう

閉めきった家の場合、帰宅後20~30分の間はニオイが分かりやすく、カビの発生源を突き止めるチャンスなのだそう。

「浴室の場合は、半日だけ換気扇を切って確認します。目には見えないけれどカビ臭いときは、浴槽の側面についているカバー(エプロン)の中が原因のこともあるので、その場合はお掃除サービスや専門業者に依頼しましょう」(藤原さん)

一度カビを発生させてしまうと、お掃除は本当に面倒です。壁の貼り替えやリフォームなど、大掛かりな対処が必要になるケースもあります。

「まずは、窓を開ける、換気扇を回すなど、すぐにできるカビの予防を習慣にしましょう。そして、カビが生えてしまったら、正しいカビ取りの方法を実践してください。カビのお悩みを解消して、すっきり爽やかな空気の中で暮らしてほしいですね」(藤原さん)

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取材協力
藤原千秋(ふじわらちあき)さん
大手住宅メーカー営業職を経て主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆し18年目。現在はライティングの傍ら関連の企画広告商品開発アドバイザリー等多様な業務に携わっている。プライベートでは三児の母。『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書、マスコミ出演多数。
 

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