「お金持ちの方って、とにかく家の中がすっきりしているんですよ」……そう話すのは、ファイナンシャル・プランナーの小澤美奈子さん。起業家への取材や同じファイナンシャル・プランナー仲間と接する機会を通して、貯金も家事も上手な人の考え方について、いくつかの共通点を発見したそうです。
「お金が貯まる人の思考を自分なりに分析してみたんです。すると、彼らは何をするにも効率性を求めていることに気づきました。お金のことだけでなく、ライフスタイルすべてにおいて効率性を重視しているんですね」(小澤さん)
お金が貯まる人は、具体的にはどのような工夫をされているのでしょうか。
「まず、あまりモノを持たずにシンプルな暮らしを求める方が多かったですね。家事に関して言えば、高性能な家電に頼ったり、大変な掃除は家事代行業者に依頼したりと、機械やプロの手にうまく頼っていました。お掃除ロボットもすんなり動けるくらい、家の中がすっきりしているのが印象的でしたね。つまり、根本的に家事がしやすい環境に整えられているんです。
またそういう方は仕事においても、マニュアルをきっちり整備することに時間をかけていました。たとえば、ネットで稼ぐための仕組みづくりに尽力する、不動産を管理するなど、お金が自動的に入ってくるように工夫しているんです。
それが、貯金の考え方にもつながっているのでしょう。ほとんどの方が、投資信託の積立や株の運用、不動産投資、先取り貯蓄をしています。また使うべきところには躊躇せずにお金を使うという、思い切りの良さも特徴ですね」(小澤さん)
貯金も家事も仕事も、マニュアルづくりに時間と労力をかけることで効率性がアップし、勝手に動いてくれるようになる。そして仕組みづくりのためにプロに頼り、きちんと投資するのが、成功者のお金の使い方だそうです。
「普通は、なかなか仕組みづくりにお金をかけることに発想が及びませんよね。でも、最初にケチってあとで損をすることは、お金の世界ではよくあることです。
ある成功者は、片付けやすい部屋にするために、プロの整理収納アドバイザーに見てもらったそうですよ。何をするにも最初に時間とお金をかけて仕組みづくりをする習慣がつくと、その後にすべきことが見えてくると思います」(小澤さん)
そうは言っても、仕組みづくり自体にハードルを感じてしまう人もいることでしょう。そこで、日常生活の改善からできることはないか、お聞きしました。
「まずは不要なモノを処分することです。そうすることで、本当に必要なモノが何か見えてきます。モノを捨てられないと悩む人も多いかもしれませんが、実はかつての私もそうでした。ですが、引っ越しの時にモノの多さを引っ越し業者さんに驚かれ、いかに不要なモノを溜め込んでいたかを身をもって感じることで、モノを捨てられるようになったんです。目先ではなく長いスパンで考えてみると、今家の中にあるモノがムダかどうか分かりますよ。
また、家事の仕組みづくりには、ぜひ家族にも協力してもらってください。家族全員で気持ちのよい空間をつくっていくことは、価値観を共有することでもあります。そしてみんなでお金の価値観も共有できれば、協力しながら節約や貯金に励むこともできるのです。
家事も貯金も、自分ひとりだけで頑張っていてもなかなか上手くいくものではありませんから、家族で共通認識を持つといいですね」(小澤さん)
また小澤さんいわく、特に料理が得意な人は、貯金も上手だそうです。
「効率化を一番実践しやすいのは、料理ではないでしょうか。たとえば、圧力鍋やフードプロセッサー、スライサーなどを使えば、面倒な作業も自動化できて時短になります。また、料理を一度にたくさん作って保存しておけば、毎日作る手間が省けます。料理の効率化を進めることで、ほかの大事なことに時間を使えるようになるかもしれません。
ここで1つ注意点ですが、いくら効率化や時短のためだからといって、市販のお惣菜などを多用すると、家計がひっ迫しますし健康にもあまり良くありません。健康を害してしまえば、その分医療費がかかることにもなります。身体を気遣うことも、長い目で見れば貯金につながるのです。目先の効率化ではなく、長期的な視点で見た効率化を意識しましょう」(小澤さん)
貯金も家事も上手な人に共通する特徴をまとめると、
という3つが主なポイントだそうです。これらを頭に入れておくことで、あなたの生活にも少しずつ変化が生まれてくるかもしれません。
「かつてズボラだった私自身が、いろんな方々を見た上で学び、実践していることです。むしろズボラな人の方が、複雑なことを面倒に思う分シンプルな考え方ができるので、意外とこういった効率的な貯金や家事が向いているような気がしています。
ぜひこれを機に自分自身の生活を見直していただき、貯金も家事も上手な人の特徴を1つでも取りいれていただけたらいいな、と思いますね」(小澤さん)
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