多くの家計を見てきて思うことは、貯蓄額は収入の多さに比例しないということです。つまり、収入が少ないからといって、貯蓄を諦める必要はありません。
お金が「貯まる人」は、お金はもちろん、時間や物も大切にしています。そのため、たいていの場合、心にゆとりがあり、お金を使わなくても楽しみや喜びを見いだせています。
また、お金が「貯まる人」は先のことを予測しながら動く傾向にもあるようです。たとえば、朝、早めに起きて、マイボトルにお茶を入れて持ち歩くのがお金が「貯まる人」です。外出する度、のどが渇くと自販機で飲み物を買うのが「貯まらない人」です。
お金が「貯まる人」は、毎日の生活習慣に特別なこだわりを持っていることが多いです。朝起きてから夜寝るまで、お金が「貯まる人」と「貯まらない人」の生活習慣を比較してみましょう。あなたはどちらに当てはまりますか?
お金が「貯まる人」は、朝型が多いです。早起きをして、しっかり朝日を浴びて、一日を気持ち良くスタートできるようにしています。太陽の光を浴びると、セロトニンが分泌され、心に安定をもたらし、気持ちが前向きに。また、筋トレをしたり本や新聞を読んだりと、朝の時間帯を有効に活用して、しっかりと目を覚ますことで、その日の仕事の良い結果にもつながっていくのです。
一方、お金が「貯まらない人」に多いのが夜型。たとえば、私がかつて話を聞いた人の中には、つい夜遅くまでダラダラと過ごしてしまい、夜中の通販番組を意味もなく見て商品が欲しくなり、予定外にお金を使ってしまうという人もいました。また、夜更かしをして朝早く起きられず、遅刻しそうになってタクシーを利用したり、忘れ物をして仕方なくコンビニで買ったりと、無駄な出費をしがちです。
早く寝ることで、夜中の電気代や夜食代、お風呂の追い炊きなども節約できるでしょう。お金が「貯まる人」になるために、ぜひ朝型の生活を心がけてください。
お金が「貯まる人」は、三度の食事をしっかりとっています。自分の体の健康にも気を配っているからです。昨夜の残り物や、おにぎり、フルーツなどをお弁当に持っていきます。毎日きちんと作らなくても、家にあるものをちょっと持っていくだけで、ランチに買うものが1品少なくなり、お財布にもやさしいことを知っているからです。お金が「貯まる人」は、ほんの少しの労力で、使うお金に数百円の違いが出ることを知っています。そのちょっとした工夫が、毎月数万円の貯金額の違いを生むのです。
一方、お金が「貯まらない人」は、時間に余裕がないため、家では食事をとらずに出かけてしまい、お腹が空いたときに備えて、コンビニで飲み物や軽食、おやつを買っていくことが習慣に。すると規則正しい食生活にならず、栄養バランスも崩れるため、体調も崩しやすくなってしまいます。体調を崩すと、薬代や病院の診察代もかさみ、いいことはありません。
仕事をするにも遊ぶにも体が資本。三度の食事はなるべく規則正しくとり、体が喜ぶような食生活を心がけましょう。
スーパーで買い物をする際、お金が「貯まる人」は、出かける前に冷蔵庫をチェックし、必要な分だけを買うようにしています。冷蔵庫の中はいつも整理整頓されているので、何が必要か一目で分かります。
一方、お金が「貯まらない人」は、家にある食材を確認しないまま買い物に出かけ、すでに冷蔵庫にあるものを買ってしまうことも多く、余分な食材を腐らせてしまうことも。
家にある食材は、こまめにメモをしなくても、冷蔵庫の写真を撮ることで把握できます。出かける前にスマホで写真を1枚撮るだけで、1回の買い物で数百円から数千円も節約できる場合もあるのです。
お金が「貯まる人」は、買い物の支払いはなるべく現金払いを心がけています。クレジットカードは財布に入れているものの、あまり使いません。財布には1週間で使えるお金を入れており、手持ちのお金を見ることで、今週どのくらい使い、あとどのくらい使えるのかが分かるようになっています。
一方、お金が「貯まらない人」の支払い方法は、クレジットカードか電子マネーです。日々の「ちょこちょこ買い」が積もり積もって、クレジットカードの引き落とし日にはまとまった額が引き落とされ驚くというのも、お金が「貯まらない人」の特徴です。
お金が「貯まる人」になりたければ、自分がいくら使ったのか、あといくら使えるのかを把握しやすくするために、現金払いを心がけると良いかもしれません。
お金が「貯まる人」は、気乗りしない飲み会の誘いを適度に断ります。お小遣いの予算を決め、その中でやりたいことや好きなことにお金を使うようにしているのです。その結果、満足度の高いお金の使い方ができます。
お金が「貯まらない人」は、誘われるがまま飲み会に行って、「時間もお金も無駄だったな……」と後悔することもしばしば。惰性で二次会や三次会に行ってしまい、終電を逃してタクシー代を払うなど、無計画な支出が貯金をできない体質をつくってしまいます。
誘われるままにずるずると飲み会に行くことが多い人は、一度、月にいくら飲み会代に使うかの予算を決めてみてください。それだけで、次回の飲み会をガマンしてまで、二次会三次会に行く価値があるか、終電を逃すまで飲む価値があるかと、節約する気持ちがはたらいてきます。
いかがでしたでしょうか。お金が「貯まる人」と「貯まらない人」との違いは、日頃のちょっとした意識の違いにあります。すべてをぎりぎりの予算でやっていくことはストレスになってしまいますが、中には、少しの不便さを受け入れることで、逆にゲームのような楽しさを見出してうまく節約する人もいます。
「不便を解消するためにお金を使うのが当たり前」になっていないか、自分の生活習慣を見直してみましょう。その場その場でしのいでいくのではなく、事前に準備をしたり、すでにある物で工夫したりすると、なるべくお金を使わずに済むようになります。そして、本当に欲しい物ややりたいことのために、貯まったお金を使えるようになりますよ。
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