「部屋を見ると住んでいる人の将来がわかる」といわれるほど、生活のベースである部屋は自分自身を写す鏡のような存在です。きれいに片付いた部屋はパワーを充電し前向きな気持ちにしてくれますが、ゴチャゴチャに散らかった部屋は、早く帰ろうという気持ちになれないだけでなく、家に帰っても気力が湧かない……といったことは皆さんも経験があるのではないでしょうか?
ではどうして、お金が貯まる人の部屋はキレイなのでしょう。なぜ、部屋がキレイだとお金が貯まる人になれるのでしょう。実はお金と部屋の間には、深い関係があるのです。
部屋がキレイに片付いているということは、モノが納まるべきところに収まっているということ。これは、整った部屋をキープする上で大きなポイントです。お金が貯まる人の部屋が片付いているのは、すべてのモノに置く場所=住所が決まっていて、使ったら元に戻すという仕組み作りができているから。
これを、お金に置き換えて考えてみましょう。お金を確実に貯める仕組みといえば、毎月の給料から先取りする積立貯蓄。天引きや自動引き落としで、毎月自動的にお金を積み立てていく方法です。これは1度手続きさえすれば、自動的にお金が貯まりますから最も確実な方法といえます。
ところが、積立貯蓄をしているのにお金が貯まらないという人がいます。これは、仕組みの作り方が甘いから。貯めるお金は、1年以内の臨時支出(冠婚葬祭や家電の買い替えなど)に備える「予備費」と、結婚や住宅購入など人生のイベント以外では使わない「貯蓄」に分けて貯めます。これをきちんと分けておかないと、貯めた気持ちになっているのに残高が増えず、貯めるモチベーションが上がりません。
さらに貯まる人は、「社内預金や財形貯蓄など、引き出すのに手間がかかるものに預ける」、「積立定期預金は普通預金との総合口座にしないな」ど、簡単に引き出せない仕組みも併せて作っているため、確実に貯めることができるのです。
モノの住所が決まって片付ける場所が明確になっていると、出したままにしたり、置きっぱなしにすることがなくなり、毎日部屋を整えることがあたりまえの行動になります。片付けられない人から見ると面倒なことのように思いますが、仕組みがきちんとできていれば日常的に部屋を整えることは、歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じで少しも負担に感じなくなります。
お金も同じです。貯められない人がお金を貯めようと考えると、慣れない節約術を実行しようとしたり、細かく家計簿をつけ始めるなど頑張りがち。でも、これでは長続きしません。貯まる人のお金の管理方法は、予算を決めてその範囲でやりくりができればOKといった意外にザックリした方法。ただしこれも、「1週間の予算しかお財布に入れない」などといった仕組み作りが必要です。
ちなみに、貯まる人になるために、部屋と同じくらい重要と言われるのが財布。中がレシートやポイントカードでパンパンの、いわゆる「ブタ財布」になっていませんか。これでは、ひと目で中に入っているものがわかりません。ところが整理されたお財布なら残金がすぐにわかりますから、家計簿をつけなくても予算の残りがすぐにわかります。このように仕組みがしっかりできていれば、頑張らなくてもきちんと管理できるのです。
部屋が片付いているかどうかは、部屋の広さとモノの量のバランスで決まります。広い部屋でもモノが多ければ雑然となりますし、どんなに狭い部屋でもモノが少なければすっきりとした部屋になります。
お金が貯まる人は予算の管理が出来ていますから、ムダなものは買いません。それに買ったもの=新しく部屋にやってくるものには住所を決めなくてはいけませんから、場所がなければ何かを処分する必要があります。そうなると、何かを処分してまで必要なものなのか、欲しいのかを自問しますから、衝動買いをすることもありません。部屋の広さや収納量に対してモノの量が適正であれば、部屋は常にきれいに片付けておくことができるのです。
片付いた部屋の住人であることと、お金が貯まる人との間には、密接な関係があることがわかりましたか?お金が貯まらないと思っている人は、まずはお金のことだけでなく「部屋=暮らし方」を見直してみる必要がありそうです。思い立ったが吉日!すぐにできるお財布の整理から始めてみませんか。
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