私は、世の人々は「料理は好きで苦にならないけど、掃除は苦手」というタイプと、「掃除は好きで苦にならないけど、料理は苦手」というタイプに、ざっくり分かれると考えています。あなたは、どちらのタイプに近いでしょうか?
もしもあなたが、前者の「掃除は苦手」なタイプだとしても、決して「部屋が汚いのが好き!」なわけではないですよね?今回は、そんな「キレイ好きなのに、掃除は苦手」なタイプの方にこそおすすめの、「手抜き」掃除術をご紹介します。
家の中では、「よく使う」場所が汚れるものですよね。あまり使わず、汚れてもいないところをせっせと掃除してもムダな「手間」が増えるばかり。また、「手数」が掛かる掃除は、たとえ掃除好きでも、なかなか進んでできるものではありません。
今回ご紹介する「手抜き」掃除術の「手抜き」とは、ムダな「手間抜き」「手数抜き」という意味。「手抜き」と言っても、あくまでもムダな部分を省くだけなので、ぜひ罪悪感など抱かず気楽に取り組んでいただければ幸いです。
家の汚れ方や付いた汚れの種類というのは、実は家によって千差万別。だから「絶対ここが汚い」と言い切るのは難しいのですが、それでも最大公約数的に考えて、多くの家で掃除すべき箇所はあります。そこを、まずはきっかり「1日5分」ずつ掃除するところから始めてみましょう。
タイマーをセットしてもいいですが、おすすめは好きな曲で5分くらいの演奏時間のものを流しながら掃除すること。スマホ動画の音声でも構いません。できればアップテンポの曲だとなおいいですね。
掃除すべき場所1:玄関(入り口)
どんな家にでもある玄関。出かければ必ず行き来する場所です。玄関では、土間である「三和土(たたき)」が一番汚れます。街中に暮らしていて、とりわけ泥砂を踏むわけではなくても、靴についた細かな砂ぼこりや部屋の中から逆流した綿ぼこり、髪の毛、紙くずなどが落ちていることが多いからです。
玄関の掃除では、まず靴を片付けるか端に寄せるかしましょう。そして、玄関の手っ取り早い掃除法は、掃除機をかけてしまうことです。山のような泥砂を吸い取るのでなければ、三和土を吸ったくらいで掃除機が壊れる心配は要りません。どうしても玄関に掃除機を使うことに抵抗感がある場合には、「ほうき」と「ちりとり」を使ってください。半畳〜1畳程度の三和土なら約5分で掃除できるはず。
掃除すべき場所2:寝室(寝具)
たとえ寝るだけのために家に帰るような慌ただしいライフスタイルでも、必ず使うのが布団などの寝具類。身体から発する汗や皮脂、部屋の空気中から降り注ぐほこりやカビ胞子などで、寝具は毎日、着々と湿り、汚れていきます。放っておくと、まず間違いなく異臭が漂いだし、ダニが内部で増えたり、カビが生えたりします。寝具についた「黒いツブツブ」は、汚れよりカビであることがほとんどです。
そこで、個々の寝具を「放っておかない」ことに5分を費やしましょう。具体的には、和布団であれば万年床にせず、とりあえず動かし、畳むこと。力がなければ、布団を半分に折るだけでもいいでしょう。そして毛布や掛け布団を、部屋の中の椅子などに引っ掛けて、空気にさらします。ベッドも同様で、直接身体に触れていた部分を隠さずに、はだけさせて湿気を飛ばすだけでも、ダニ・カビの発生リスクは下がります。
家族の人数が多い家では、「自分の寝具は自分でケアする」習慣をぜひつけましょう。寝具に関しては、一人(寝具ワンセット)あたり5分かけて掃除してください。
掃除すべき場所3:トイレ
その家に住む人数が多いほど、使用頻度が上がるトイレ。汚れの激しさも人数に比例します。一人暮らしなら1日5分きっかりでいいですが、家族の人数が多い場合には、10分、15分と、一人あたり5分単位で適宜掃除する時間を増やしてください。
この5分で優先して行って欲しいのは、便器内をこするよりも、「便座上を拭く」「便座下を拭く」「足元の床を拭く」掃除です。使う道具として、洗剤は市販の「トイレ用中性洗剤」もしくは「消毒用エタノール」、拭くのには手近なところでトイレットペーパーを使用します。ただし、掃除に使用したトイレットペーパーは、厄介なトイレの詰まりトラブルの原因にならないよう便器に流さず、ゴミとして捨てたほうが無難です。
ご紹介した1日5分の「手間抜き」「手数抜き」掃除術の一番のキモは、「完璧を目指さない」こと。「掃除しなかった状態よりも、掃除した今のほうが少しマシ」くらいの塩梅や気の持ちようで行いましょう。
ご紹介した玄関、寝室、トイレ以外にも、料理の頻度が高ければキッチンが、入浴頻度が高ければ浴室が、「よく使う」場所になり、汚れやすく、掃除をするべき場所になるでしょう。
掃除をする際には、見た目がどうこうよりも、「そこが汚れることで体の不調につながりそうな場所」を、優先して掃除するというのがセオリーです。そこだけは、ぜひ記憶にとどめておいて、まずは「1日5分」の掃除習慣から始めてみてくださいね。
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