こんにちは、収納スタイリストの吉川永里子です。
いまでこそ片付けについてお手伝いする仕事をしていますが、かつての私は片付けられない女でした。
当時一人暮らしをしていた家は、床にモノが散乱し、洗った服なのか脱いだ服なのか分からないほど服が散らばり、母親が訪れたときには「泥棒に入られた家みたいだよ!」と言われる荒れっぷり……。
当たり前のように探し物やなくし物をしょっちゅうしていて、振り返ってみるとかなりの時間とお金をムダにしていました。
さらに、生活全体に余裕がないのでいつもイライラしていて、人間関係も上手くいかないという、負のスパイラルに陥っていました。
そんな汚部屋出身者の私だからこそ、声を大にしてお伝えしたい片付けのコツがあります。
家が片付いていないと、さまざまなデメリットが芋づる式に生じます。中でも、探し物にまつわるデメリットは見逃せません。
探し物が日常茶飯事という人は、探し物をしていることがデメリットだということにすら気付いていないこともあります。
片付けられない人達にまず気付いてほしいことは、片付けにおいては、「モノを捨てる」ことより「探し物をしている時間をなくす」ことの方が重要!ということです。
探し物がなくなれば、単純に時間の浪費がなくなり、時間に余裕が生まれます。さらに、探し物が悪化してなくし物になっている場合は、探し物がなくなることで、時間の浪費だけでなく、同じモノを買うために使っていたお金の浪費もなくなります。
まずは探し物のない家にすることを目標に、次から説明する3つのコツに則り、片付けの作業を始めてみましょう!
片付けを始めよう!と思ったら、まずは1ヵ所をターゲットに決めて取り組むことが大事。探し物のない家を目指すためには、よく使っている場所や、よく使っているモノが入っている場所から取り組むのがベストです!
でも、整理収納が苦手な人は完璧主義な傾向の人も多く、片付け始めてもすぐに効果が感じられないと「やーめた」と匙を投げてしまいやすいです。そのため、クローゼットやキッチンなどの大きい収納場所からではなく、「お財布やメイクポーチ」「洗面台の収納」などの小さい場所から行い、家の中の片付いている範囲を少しずつ広げていくところから始めましょう。
片付けのコツは、①分ける、②収める、③循環させる。これを手順通りに行うことです。
① 分ける
決めた範囲のモノを全部出して、「いま使っている」「いま使っていないから処分」「使っていないけど処分に迷う」の3つに分けます。「使っていないけど処分に迷う」モノは、判断ができていないのではなく、「迷う」という判断ができていると考えて進めて行くとスムーズです。この分ける作業がもっとも重要で、この作業さえ上手くいけば、片付けは8割完了したと言ってもいいでしょう!
「使っていないけど処分に迷う」に分類したモノは、ビニール袋やダンボールにひとまとめに入れて、目につく場所に置いておきます。すぐには捨てられなくても、「本当に使っていない」「なくても生活に何の支障もない」と気付けると、処分しよう!と思えるタイミングがやってきます。
② 収める
分け終わったモノのうち、「いま使っている」と判断したモノだけを、もとの収納場所に収めていきます。このとき、特によく使っているモノを、一番手の届きやすい場所に収めましょう。使用頻度の低いモノは、棚の高い位置や収納スペースの奥の方でも問題ありません。
③ 循環させる
「いま使っている」モノが手の届きやすい場所に収納されたら、あとは日常生活で循環させるだけです。循環には「使ったら戻す」と「ひとつ買ったらひとつ減らす」という2つのやるべきことがあります。
「使ったら戻す」については、誰でも意識していると思いますが、モノを出して使い終わったら、元の場所に戻すという作業です。
「ひとつ買ったらひとつ減らす」は、モノを買うときに、買った分だけ家からモノを処分する作業です。買い物の前に先に処分するモノを決めておいて、新旧を交換して循環させるつもりで、家の中のモノの総量を増やさないようにする意識を持ってください。
家がすっきり片付いて、私が一番実感していることは、自分を認められるようになれたということです。片付けができなかった頃は、毎日の探し物やなくし物が多く、寝坊や仕事のミスをしてイライラしていた自分が嫌いでした。でも家が片付くと、時間やお金に余裕ができて、趣味や自分磨きに積極的になれました。気持ちも落ち着くので、人とのコミュニケーションも良好になり、プライベートでは結婚や出産も叶えました。
片付けで手に入れることができる幸せとは、キレイなお家ではなく、キレイなお家だからこそ叶えることができる「理想的な暮らし」です。
目先の見た目のキレイさにとらわれることなく、ちょっと先の自分のための先行投資だと思って、日々の片付けを行うようにすれば、あなたも間違いなく片付け上手に近づけます!
15年前の私は片付けられず、家も頭の中もぐちゃぐちゃでした。でも小さい場所から、モノを全部出して、ひとつひとつと向き合う……このモノを分ける作業をくり返すことで、確実に判断する力や選択する力がついて、家の中は本当に必要なモノだけになりました。
これまで引っ越しを6回してきましたが、その度に家はすっきり暮らしやすくなり、人生も幸せなものにレベルアップしています。いまは何か新しいモノを買うときも処分するときも、迷わないし探さないので、モノとの付き合いがとてもスムーズです。
片付けは決して難しい作業ではありません。くり返し行うことで、確実に片付けが上手くなり、いつしか「片付けよう!」なんて意識しなくても済む日がやってきます!
そして、片付けができるようになった人の共通点は、片付けの方法を知ってから「すぐに片付け始めたどうか」なんです。
思い立ったときが片付けのチャンスです。いますぐ小さい場所から片付け始めましょう!
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