「恋愛や結婚生活における、パートナーとの関係の築き方って難しいですよね。たくさんの幸せをつかむためには、一生懸命相手に尽くさないといけない……と思っている方も多いのでは?でも実はそれ、間違いなんです!」と指摘するのは、恋愛や結婚生活に悩む数多くの女性に、幸せになるためのアドバイスをしてきた萩中ユウさん。萩中さんは愛妻コンサルタントとして、セミナーやワークショップを開催。男性と女性との間にある、コミュニケーションの溝を埋め、女性がストレスなく相手と意思疎通ができるようになるトレーニングを行っています。コミュニケーションに対する考え方が異なる男女が生活を共にするのが結婚。どのようにしたら、幸せに過ごせるのでしょうか?
「幸せな結婚生活の秘訣は、なんでも言い合える、親友のような感覚を大切にしていくことだと思います。親にも言えないようなことも旦那さんになら言える、そんな関係を築くことが夫婦になるということではないでしょうか。
一般的によく言われることですが、男性は喜怒哀楽を表現するのが苦手です。でも、よく観察すると、旦那さんなりに喜怒哀楽を表現しているときが多々あるんですよね。感情の表現の仕方や考え方には、男女差があるもの。その差を埋めるために必要なのが、適切なコミュニケーションなんです。
私が推奨するのは、1日1時間、テレビを消して、スマートフォンなども触らずに、お互いの目を見て話す時間を持つことです。相手が何を考えて、何を一番大切にしているのか、今の夢は何なのかを、いつもお互いに認識し合うことが、とっても大事だと考えています。ドライな考え方かもしれませんが、相手はあくまでも他人であるという自覚を持って、その上でしつこく相手を知ろうと思わないと、心がつながった夫婦にはなれないのではないでしょうか」(萩中ユウさん)
言いたいことを言い合っているうちに喧嘩になってしまっても、お互いが信頼し合っているなら何の問題もないと言う萩中さん。「明日も夫婦でいることを選びたいから、意思疎通をちゃんとしておく」という認識を、お互いが常に持っていることが、幸せな結婚生活につながるようですね。
萩中さんが開催するセミナーで、最初に受講生に伝えるのは、「頑張って尽くさないで!」というアドバイスだそうです。尽くす女性こそ幸せをつかめると思っている方は驚いてしまうかもしれませんが、受講生の多くがその後、萩中さんのアドバイス通りに「尽くさず、わがままを言う」ことで、幸せをつかんでいると言います。ここからは、萩中ユウさん流・幸せな結婚生活の3つの秘訣を、具体的にご紹介します。
幸せな結婚生活の秘訣1:イヤイヤ尽くさない
萩中さんの言う「イヤイヤ尽くす」行為というのは、相手に嫌われないため、または愛されるために、我慢や無理をしてやる行為を指すそうです。
「旦那さんのために何もしないでください、と言っているわけではないんですよ。純粋に旦那さんの喜ぶ顔が見たくて、『旦那さんのお世話をするのが苦じゃない』という人は、どんどんしてください。
ただし、苦手なことまで我慢してする必要はないと思います。ものすごく頑張って苦手なことをしていても、その頑張りは相手に伝わってないかもしれませんし、そればかりか『世話が好きな子なんだな』と認識され、感謝すらされないことも……。
感謝されたら頑張れるものですが、見返りがもらえないと、奥さんもだんだん『なんで私だけが頑張ってるんだろう』と不満が募ります。勝手に尽くして、勝手に疲れて、勝手に愛想を尽かす……これこそイヤイヤ尽くす行為の結末です。そうなるくらいだったら、無理してやらないほうがいいですよね。
それでも苦手なことで旦那さんを喜ばせたいなら、最初から『すっごい苦手だけど頑張ってやっている』ことを伝えるようにしましょう。『苦手なのに、自分のために頑張ってくれているんだ』と伝われば、奥さんを大切にしようという旦那さんの気持ちも高まるはずです」(萩中ユウさん)
幸せな結婚生活の秘訣2:わがままを上手に伝える
夫婦円満のためには、笑顔でいることが一番だと言う萩中さん。常に笑顔を絶やさないためにも、「旦那さんにわがままを伝えることが必要」なのだとか。
「私が言う『わがまま』とは、素直な気持ちを伝えることです。『リクエスト』とも呼んでいますが、『今、私はこうしてほしい』とリクエストすると、奥さんの気持ちや考えていることが、旦那さんにはっきりと伝わります。
旦那さんとしても、奥さんの希望がはっきりと分かり、頑張りがいのある状況になるんです。旦那さんに『ちょっと手がかかるけど、すごく笑顔でいてくれて、すごく感謝してくれる奥さん』と思ってもらえたら成功です!わがままを伝えて、旦那さんがそれを叶えてくれたら、目一杯感謝することを忘れないでくださいね」(萩中ユウさん)
幸せな結婚生活の秘訣3:傷ついたときには10倍褒めてもらう
毎日生活を共にしていると、旦那さんのふとした一言で傷つくことも少なくありませんよね。そんなときはどうしたらいいのでしょうか?
「ふとした一言で傷ついてしまうということは、それだけ旦那さんがとても近い存在で、自分にとって大きな影響力のある人だということです。だから言われた言葉がズシンとくるんです。
反対に、それだけ影響力のある旦那さんであれば、褒められたときの影響力も大きいはず!だったらその影響力を最大限に活用して、傷ついた以上に褒めてもらって、ポジティブに転換していけばいいんです。
『こういうふうに言われて、すごく傷ついたから、今から私のことを10個褒めて』などと伝えてみましょう。嫌な気持ちは嬉しさで上書きをしてしまえば、後に引きずることもなくなります」(萩中ユウさん)
どんなにていねいに自分の気持ちを伝えているつもりでも、なぜだかすれ違ってしまう男女。それは、考え方やコミュニケーション方法の違いが原因です。良かれと思ってしたことが、かえって旦那さんを傷つけてしまった……なんてこともありますが、そんなときはどのように対応すればいいのでしょうか?
落ち込んでいる旦那さんを励ましたいとき
「あえて声をかけず、見守ることをおすすめします。何かつらいことがあった際には、『落ち込まないようにしよう』とか『反省しよう』とか、いくつか選択肢があるはずです。その中で、今は『落ち込む』という行為を、旦那さんが選んでいるのだなと考えて、そっとしておきましょう。旦那さんの選択を尊重するのも、大切なコミュニケーションの方法です。
人は自分が求めた言葉でないと、何を言われてもなかなか響かないものです。奥さんが気持ちを汲み取って励ましの言葉を投げかけたとしても、それが的外れだったら、旦那さんは喜ばないでしょう。すると、奥さんも『自分には励ます力がないんだ……』と、失わなくていい自信を失ってしまう可能性もあります。二人して落ち込んでしまったら、良いことなんてありません。基本的に見守って、もしも旦那さんから『こうしてほしい』というリクエストがあったら、そのリクエストに応える形で励ましてあげましょう」(萩中ユウさん)
喧嘩をしてしまったとき
「冷静に話をすれば解決できるはずなのに、自分が傷つかないように自己防衛をしてしまい、代わりに相手を攻撃して傷つけてしまう……それが喧嘩だと思います。お互いを傷つけ合って、喧嘩になっているなと感じたら、『ちょっと待って、私たちは敵じゃないよね?』と言って、一度会話をストップさせましょう。
『お互いを理解し合うために話をしていたのに、今の会話はそうじゃないよね』と言えば、相手も冷静になってくれるはずです。伝え方は夫婦によって様々だと思いますが、二人が笑顔で過ごすための話し合いだということを、お互いに再認識することが大切だと思います」(萩中ユウさん)
「女性は、自分の気持ちや望みを相手に伝えることが苦手な生き物だと思って!」と言う萩中さん。そして、目に見えない自分の気持ちや望みを、目に見えるようにする第一歩が「わがままを伝える」ことなのだそう。
「わがままを言うのに抵抗があって、『今の自分の性格を変えないといけないのかな……』と思う方もいるかもしれません。でも、そんなことは一切なくて、ただ自分に素直になればいいだけ。本気でやってほしいことがあれば、それを言うことを許し合える関係が夫婦なのです。
私は、やってほしいことがいっぱいあるので、旦那さんへのリクエストの量も多いです。一般的には、わがままで大変で、場合によっては鬼嫁のように見えるかもしれませんが、旦那さんは『ただの鬼嫁じゃないよ。いつも感謝してくれて、笑顔を振りまいてくれる、かわいい鬼嫁だよ』と言ってくれています。
わがままを伝えて、いつも笑顔でいられる女性こそが、男性が『一緒にいて楽だな』『愛し続けたいな』と思える妻像なんだと思います」(萩中ユウさん)
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