Q:夫婦で好みが違うから、インテリアのまとめかたが分からない。どうしたらいい?
A:ふたりの好みを反映した「お手本」を探しましょう
服を買うときファッション雑誌のコーデを参考にするように、インテリアにもお手本や参考情報は必要です。まずは雑誌や写真集でお互いの好みを把握しましょう。雑誌なら、カフェ特集や、ホテルの写真が多い旅行特集がオススメ。もちろん、インテリアショップのカタログも役に立ちます。ふたりともが「いいね!」と思える写真をお手本にしましょう。SNSで好きなインテリアをシェアし合うのも良いでしょう。好みの理由を簡単にメモしておくと、後から見返すときに便利です。
お手本選びで注意すべきは、「床の色」。自宅と似たような床の色を選び、そこに何色の家具を置いているのかをチェック。今後購入する家具は、お手本インテリアの家具の色に近づけます。こうすることで全体的な雰囲気が似てくるはずです。また、部屋に占める面積が大きいカーテンやソファの色も、お手本と似たものを選ぶとますますイイ感じに! 全体的な方向性はお手本に従ったとしても、小物のテイストで個性は出せるのでご安心を。
Q:イチから揃えるのは大変。少しのアイテムでオシャレな部屋に見せる方法が知りたい
A:基本を押さえたうえで、インテリアグリーンやアートを投入!
まとまりがない部屋というのは、家具の色がバラバラだったり、ツルツルの家具の横にナチュラルな質感の家具を置いていたりして、いかにも「行き当たりばったりで何も考えずに家具を増やしました」という計画のなさが透けて見えるもの。インテリアのベースになる色をいくつか決め、家具はベースに合うカラー選び、さらに質感を統一すると整って見えます。
さらにオシャレさを加えたいなら、インテリアグリーンを。高さ180センチ以上のインテリアグリーンがあると、人目を引くので効果的です。大きな観葉植物なんて無理、という場合は、ハンギングポットなど空中に吊るすタイプの鉢を使ったり、棚の上に飾ったりします。一方で、小さなグリーンを床置きすると家具に紛れて見えにくくなるので、立って部屋を見回すときの目線あたりにポイントを作りましょう。目線の高さにポイントを置くためのアイテムとして、アートを壁に飾るのも良いですね。
Q:ふたりで作るインテリアもいいけど、自分好みのテイストを諦めるのも嫌…
A:自分の世界を楽しめるコーナーを作りましょう
お互いに好みがあるのならば、ふたりで暮らす家の全体的な方向性は、不公平感が出ないよう、ふたりで決めたほうがよいでしょう。どちらかが大幅に我慢するのは、これから何十年も一緒に暮らすことを考えると、よくありません。でも、小さなスペースであっても、自分の世界を楽しむ方法は意外にたくさんあるんです。
まず、チェストの上や棚の一段など、限られたスペースを自分好みに飾る方法。インテリア全体への影響はそんなに大きくはないのですが、ぎゅっと濃縮した空間にお気に入りが並ぶので満足感は高いです。ショップのディスプレイのように飾れるので、雑貨が好きな方にオススメです。
壁面収納の扉の奥を、好みのアイテムで埋め尽くす方法もあります。扉を閉めればすっきりと隠してしまえるし、扉を開け放し、お気に入りの椅子を持ってくれば自分の世界に没頭できます。これは、本やフィギュアなど、収集癖がある方に特にお勧め。扉を閉めることで直射日光などが当たらず、よいコンディションを保てるのもいいですね。
トランクの中にお気に入りを収納するのも素敵です。トランクは見た目がかわいいノスタルジックな形のものを選び、雰囲気を出しましょう。複数個重ねて、リビングに置いておき、ときどきフタを開けておくと可愛いです。丁寧に保管したいものが多い人にオススメします。
Q:散らからないお部屋作りのコツが知りたい!
A:新生活のタイミングでいちばん重要なのは、置き場を決めること
片付けやすい部屋=収納が多い部屋、ではないんです。収納がたくさんあっても、戻す場所が分からなければ、部屋は際限なく散らかっていきます。「片付けて」と言われても、どこに収納すればいいのか分からなければ、手のつけようがありませんよね。一方で収納場所が分かっていれば、即行動に移せます。だから、最初のルールづくりが大切なんです。
一緒に暮らし始める時は、お互いが過去の経緯から『常識だと信じていること』のぶつかり合い。鍵はどこに置くのか、食器はどこにどう収納するのか、まだ洗わない服はどこに置けばいいのか。引越しの片付けをしながら「これはここに収納しよう」と確認していくのがベストですが、最初から何もかも覚えられないので、しばらくは注意が必要です。ふたりの家なので、ふたりが分かっているようにしておきましょう。
置き場所は決まっているし、ちゃんと戻せてもいるけど見た目がイマイチ、という場合は、あまり使わないものを中身が見えにくいカゴの中に入れて統一感を出し、ゴチャつき感を解消するとよいでしょう。
以上、夫婦のインテリアを考える際に注意すべきポイントを、Q&A形式で4点ご紹介しました。お互いの好みをミックスした「ふたりのインテリア」がつくれたら、家で過ごす時間が楽しくなります。リラックスして過ごす理想の部屋づくり、ぜひ挑戦してみてください。
【執筆者プロフィール】
くろだあきこ:
All About「インテリアショップ」ガイド。実家にあった「暮しの手帖」のバックナンバーを眺めて育ち、「住まい」や「暮らし」のことを考えるのが大好きだった子供時代。国立高専から大学院まで、ずっと建築を専攻。インテリアコーディネーターの資格を持ち、インテリアショップめぐりが趣味のひとつ。現在は会社勤めをしながら、フリーのライターとして雑誌づくりなどに携わる。
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