仕事を頑張ってきた女性にとって、育休・産休期間は自分と向き合える貴重な時間。この期間を利用して、習い事や資格取得に励む女性も多いようですが、おすすめなのが家庭円満にも結びつくファイナンシャルプランナー(FP)の資格です。
「私自身、妊娠7ヵ月から子どもが11ヵ月になるまでの間に資格を取得しました。乳児期は比較的寝ている時間が長いので、『この時間が勝負だ』と集中できましたね」と話すのは、All Aboutガイドとしても活躍しているファイナンシャルプランナーの吹田朝子さん。はじめての育児で視野が狭くなりがちな時でも、資格取得に向けて勉強することで、自分らしさを取り戻せたと言います。スキマ時間を上手に活用してテキストを読み込み、まずは民間資格のAFP、続いてCFPの資格試験に見事合格を果たしました。
FPのおもな仕事は、顧客から人生の目標を聞きながら、提出された収入や支出、年収・資産などのデータをもとにライフプランを立て、それに即した資金計画を提案すること。住宅ローンの返済や保険商品、教育費、老後資金までを視野に入れた長期的な視点を身につけることは、家族の将来にとって大きなプラスになるでしょう。
「FPの資格取得に向けて勉強を進めていくうちに、人生のお金のピークや配分がわかり、長い目で捉えられるようになります。例えば子どもが大きくなったとき、受験前に教育費がかさんで赤字になってしまっても、『教育費が増えるのは今だけ。このピークを超えたら大丈夫』と冷静に考えて、的確な行動を取れるようになるんです」と吹田さん。
子どもの教育のことで夫婦ゲンカをする、という話はよく聞きますが、夫婦のどちらかが専門知識を持つことで、トラブルを回避できる可能性が高まります。また、住宅ローンや保険商品の選び方、積立の方法などもメディアに振り回されずに自己判断でき、効率良くお金を動かせるようになるそうです。
もちろん、FPの資格は仕事にも活用できます。社内でのキャリアップに役立てたり、転職や独立につながったりと、仕事復帰後の人生設計に新たな選択肢をもたらしてくれるでしょう。「子供の小さいうちは家にいながら仕事をしたい!」という思いで独立し、家庭と仕事を上手に両立している人も多くいますし、働き方の選択肢が広いのはFPのメリットと言えますね。
FPの資格は「専門知識がない人には難しそう…」というイメージがありますが、「基本的には足し算、引き算、掛け算、割り算ができれば大丈夫。中学校の算数レベルの知識があれば問題ないですよ(吹田さん)」。スーパーで買い物をしたり、テレビの情報番組を見たりと、ふだんの生活が学習につながっていきます。
お金は誰にとっても身近なテーマですが、とくに、ライフステージが大きく変わる妊娠・出産時は勉強の「はじめどき」。自分と家族の人生にすぐに役立つ実用的な内容だから、好きな本を読む感覚で勉強に身が入ります。
FP資格取得のために学ぶ内容は、資産運用、不動産、保険、年金、など日常生活に密着したもの。将来、子どもが社会の仕組みに興味を持ったときにもきちんと答えることができ、親子のコミュニケーションが広がる、という利点もあるのだとか。
また、「家計のことは妻に任せても大丈夫」と夫が安心するため、夫婦円満にも役立つそうです。「一般的に、女性は目の前のことにとらわれがちで、ママ友などまわりの意見に左右される傾向があります。でも、FPの勉強は長い目でみたライフプランを考える機会を与えてくれるので、住宅購入や子どもの教育などさまざまな場面で冷静な見方ができるようになるんです。また、我が家の場合、夫の親が贈与のことなどを普段から相談してきてくれるので、円満な嫁姑関係にも役立っていますね(笑)」と吹田さん。
一石が二鳥にも三鳥にもなるFP資格。産休・育休期間を利用して、勉強をはじめてみませんか?
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