厚生労働省が発表している転職入職者の状況(平成28年上半期)の結果、女性は20代後半をピークに減少傾向にあります。30代40代で転職活動をする場合は、仕事で求められる能力の基準が高くなることもあり、新しい仕事にチャレンジしたい場合は、仕事で有利になりうる資格を取得しておくなどの事前準備が必要です。
事前にしっかりと準備をしておくと、年齢に関係なく有利に働ける可能性が高くなります。ただ、30代・40代の方が「資格×転職」について考えるとき、次のような特有の悩みがあるようです。
これらの悩みの解決のため、まずは自分について知ることからスタートしましょう。
資格を取得して転職活動に活かすには、「自分の経歴と希望、スキル」を整理してみることがまず大切です。自己分析の結果を踏まえて、自分の希望する仕事とこれまで培ってきたスキルにマッチした資格の取得を進めることが、30代・40代からの転職を有利にするポイントになります。まずは下記の3つの項目を、紙に書きだしてみましょう。
その1:過去に経験した仕事の棚卸
例えば……
その2:棚卸した結果を元に、自分の強みと弱みの整理
例えば……
その3:強みを活かして、5年後10年後どうなっていたいか
例えば……
このように過去の経歴を元に、自分の強みと弱みを整理していくと、希望の将来像が見えてくるはずです。その上で、将来像に沿って必要な資格を取得しておくと、転職に有利に働くでしょう。では、どんな資格が適しているのでしょうか?
次からは、30代・40代からの転職に有利になる「不動産関係」「医療介護系」「経営関連」の資格をご紹介します。目指す資格を探す参考にしてみてください。
不動産系の資格には、「宅地建物取引士(宅建士)」「土地家屋調査士」「マンション管理士・管理業務主任者」などがあります。
この中でも、転職を考えている30代・40代の方には「宅地建物取引士」がおすすめです。なぜなら、不動産業を営む営業所では、従業員の5人に1人以上、宅地建物取引士の有資格者を置くことが法律で定められているからです。そのため、資格を持っている人は年齢にあまり関係なく、不動産業界では引く手あまたなのです。
また宅地建物取引士の資格は、不動産業界以外でも役に立ちます。例えば金融関係の会社で「不動産に関する資産設計」の説明ができることもあるでしょうし、建築関係などでも宅建の資格を武器に仕事を発展させることができるでしょう。
現に宅建士受験者の平均年齢は35.3歳、宅地建物取引士証交付者は40代が全体の約3割と多くなっています(平成28年度)。
向いている人:数字に強い、人との折衝が好き、論理的に考えることが得意
宅地建物取引士(宅建士)講座へのリンク
超高齢社会の今、介護や医療の現場は人手不足が深刻な問題となっています。そのため、介護や医療関連の資格取得希望者への支援も手厚くなってきており、人材育成にも力を入れられています。例えば介護や医療関連の資格としては、「医療事務」「介護福祉士」「ケアマネージャー」等があります。
この中で、未経験でも挑戦しやすいのが「医療事務」「調剤薬局事務」「介護事務」などの仕事です。30代・40代になると、ライフスタイルの変化により、生活環境が変わることもしばしばあります。ただ、働く場となる医療施設や薬局、介護施設は全国にありますので、場所にとらわれずに働くことができます。また座り仕事が多いため、体力に自信がない方も続けやすいでしょう。
向いている人:細かい作業が得意、コミュニケーション能力が高い、人と接することが好き
医療事務講座へのリンク
調剤薬局事務講座へのリンク
介護事務講座へのリンク
経営関連の資格は、保持しておくと転職に有利になるのはもちろん、研修講師や経営コンサルタントといった専門職も視野に入れることができます。例えば、「中小企業診断士」「簿記検定」「社会保険労務士(社労士)」等があります。
この中でも、「中小企業診断士」は、働き盛りの30代40代の受験者が多くなっています。難易度の高い資格にはなりますが、企業経営や財務・会計、経営法務など経営関連の7カテゴリーのビジネスで役立つ幅広い知識が習得できます。そのため、仕事も知識の幅も広がってキャリアアップに繋がりますし、経営に関する知識を持っているとみなされて経営者に近いポジションで仕事ができる可能性もあります。
向いている人:論理的に考えることが得意、チームワークが得意、細かいことに気が付く
中小企業診断士講座へのリンク
いかがでしたか?30代・40代からの転職に役立つ資格はこのようにたくさんあります。ただやみくもに資格を取得するということではなく、まずはしっかりと自己分析をしましょう。その後、自分に必要な資格を取得にチャレンジしていくことが満足度の高い働き方にも繋がりますし、転職という面でも有利に働きます。ぜひ参考にしてみてください。