専門学校や大学在学中に資格を取る人も多い中、「30歳過ぎてから資格を取っても就職には不利」「これから実務経験を積むのでは手遅れ」と考えている人も多いかもしれません。確かに、資格や職種分野によってはそう言えるかもしれませんが、すべての資格が「若いうちに取る方が有利」とは限りません。むしろ、ある程度年齢を重ねているほうが望ましい資格分野もあるのです。例えば、次のようなジャンルの仕事です。
上記のような性質を持つ商品・サービスを扱う仕事では、資格+これまでの社会経験を活かして仕事に就ける可能性があります。しかも、このところの求人環境は人材不足で売り手市場。若手をターゲットに募集を行っている企業であっても、なかなか人が集まらず、募集対象年齢を広げているケースも多く見られます。
今あるチャンスをしっかりモノにするためにも、資格を武器として身に付けてみてはいかがでしょうか。
30歳オーバーで取得しても活かせる資格、今後年齢を重ねていっても第一線で活かせる仕事をご紹介します。
宅地建物取引士(宅建士)
不動産の取引に必須の資格。不動産売買・賃貸の仲介営業の仕事で活かせます。未経験者を積極的に受け入れている業界であり、年齢が高い人が転職に成功しているケースも多数。
年齢が高い人であれば、生活経験が長い分、水回りの使い勝手や生活動線などの想像力を働かせながら住まいの案内ができるはず。売買であれば、顧客にとっては一生で一番大きな買い物になるため、年齢が高い人のほうが安心感を持たれるでしょう。増える「空き家」問題への対応など、今後もニーズが見込まれる分野です。
宅地建物取引士(宅建士)講座へのリンク
ファイナンシャルプランナー(FP)
個人を対象に、ライフプランに応じてマネープランの提案を行う資格。生命保険のアドバイザー職として活かす人が多いほか、フリーランスでコンサルティングやセミナー活動を行う人もいます。結婚や出産を機にマネープランや保険を見直す人も多いため、30歳オーバーの人は「同年代」という点でも話が合いやすく、安心感を持たれるでしょう。
また、業種問わず「富裕層」を相手にする仕事において、マネープランへのアドバイスをすることで信頼関係構築に役立てている人も見られます。不動産会社で、土地オーナーに対して土地活用提案をする営業職にも活かせる資格です。
ファイナンシャルプランナー(FP)講座へのリンク
終活アドバイザー
終活とは、「終」末期に向けた「活」動の略。つまり、人生の最期に向けた準備を指します。自身の人生の「棚卸し」を行い、今後の人生をより豊かに、自分らしく生きるための活動も含まれます。そうした終活設計の専門家の資格が「終活アドバイザー」。社会保険制度、財産の管理や相続対策、葬儀・供養・お墓など、人生の後半期に必要となるさまざまな知識を持ち、アドバイスを行います。
当然ながら対象者は高齢者。相手にとっては、若い人よりも年齢が高い人のほうが安心して心を開き、相談しやすいといえるでしょう。4人に1人が65歳以上という超高齢社会に向け、ニーズが高まっていくと見込まれます。
終活アドバイザー講座へのリンク
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定
どんな職場でも、30歳を過ぎればリーダーやマネジャーなどの役割を求められるケースが増えてきます。そこで持っておきたいのが、働く人のメンタルヘルスケアの知識。メンタルヘルス・マネジメント(R)検定は、企業の人事担当者、管理監督者、一般社員などが、それぞれの役割・階層に応じて必要なメンタルヘルス対策の知識や正しい対処方法を学ぶもの。
部下や後輩の相談に乗り、適切なアドバイスを行うにあたり、ストレスやメンタルヘルスについての知識が活かせます。管理者としてのスキルアップ、評価アップにもつながることが期待できます。
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定講座へのリンク
介護福祉士
高齢者や身体の不自由な方の介護をする専門職の国家資格です。食事や入浴、車いすでの移動補助などの身体介護や、利用者への相談・助言を行います。高齢化に向けて、介護のプロのニーズは上昇。全国で求人が途絶えることはなく、30代以降から始めても、年齢に関わらず長く働ける仕事といえます。自身の親に近い年齢の人々を相手にするという点でも、若い人より話を合わせやすいのが強みとなります。実務者研修修了+実務経験3年以上で受験資格を得られますので、先々をみすえて計画を立ててみてはいかがでしょうか。
介護福祉士講座へのリンク
ここに挙げた資格に限らず、どんなジャンルにも年齢を重ねてこそ得た経験やスキルを活かすチャンスがあるはず。それを積極的に活かしていきましょう。