ここで言う「おじさん」とは、女性が思わず眉をひそめる存在。「大人の男」や「ナイスミドル」というスマートな部類には属さず、女性から敬遠される存在です。おじさん本人に悪気があるわけではありません。日々会社のため、家族のため、顧客のために、我を忘れて仕事に没頭し、やるせないことがあったときに愚痴をこぼしたり、不覚にもお酒に飲まれて自制心を失ってしまったり……。
多くのおじさんは、女性に迷惑をかけるつもりなどさらさらなく、日々を真摯に生きています。しかし、荒波を乗り越えた人生経験などからか、周囲に対する配慮が足りなくなったり、あるいは雑で傲慢になったり、いろいろなことから心が不安定になって「迷惑なおじさん化」してしまうケースがあります。理由はどうであれ、関わるだけで実害を伴えば、女性から「避けたい」「話したくない」と思われてしまうのも無理はありません。
それでは、女性が敬遠するおじさんとはどのような人なのでしょうか。おじさんの定義はいろいろですが、おおむね以下のような特徴があると私は考えています。
総じて、女性が敬遠するおじさんは、小市民的、つまり器が小さくなってしまっていると言えるでしょう。
突然ですが、昨今のビジネススタイルには、「エイジレス」という言葉もなじみが深くなりました。エイジレスとは「年功序列ではない」という考え方で、「年齢ではなく実力」で判断され、報酬、役職、権限、序列が決まるということです。
おじさん認定に関しても、エイジレスの波が押し寄せてきています。つまり、年齢に関係なくおじさん認定されてしまうということです。これは、私が毎週20代から50代が集まる交流会を開催し、延べ6000人もの人々を観察して感じていることでもあります。
30代でおじさん認定されてしまう男性もいれば、50代でも女性から親しまれ「清潔感あふれる大人の男性」としてリスペクトされる、あるいは恋愛対象として見られる男性もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
以下は最近の女性が、まだ一般的におじさんとは言えない年齢の人に対しておじさん認定してしまう行動、つまり「ネオ・おじさん認定行動」のリストです。以下に当てはまれば、年齢に関係なくおじさん認定されてしまう可能性があります。もちろん30代でも油断はゆるされません。
謝れずに逆ギレしてしまう「子どもおじさん」
怒られたことや謝ったことがあまりない環境で育ち、頑固になることでプライドを守っているつもりが守れていない。そうしているうちに、実は周囲から敬遠される頑固なおじさんになってしまっているかもしれません。あなたは大丈夫でしょうか?謝るときはちゃんと潔く、男らしく謝れているでしょうか?
仕事バリバリ!勢いありすぎが裏目なパターン
「おーい、ここはプライベートですよ」と、女性から突っ込まれる、ビジネスモードギラギラの存在感。仕事オーラを身にまといすぎていて、ナチュラルさがない「ザ・トゥーマッチ・ビジネスパーソン」。バブル時代と違い、より控えめでナチュラルで体温の低いこの時代では、浮いた存在になってしまいがちです。
サイズ大き目のブカブカスーツを着る人
コスパをよくするために、「太っても痩せても着られる服」を着る、30代、40代の男性。これは、ボディラインが完全に消失した男性が陥りやすい、普遍的な「おじさんスタイル」です。不況かつエコの時代が生んだファッション価値観で、90年代HIPHOPカルチャーのダボダボパンツを思わせますが、そこまでエッジも効いていないのが実情です。
若いのに無気力・無好奇心!若年性老年期
覇気がなく落ち着き過ぎている、いわゆる「若年寄り」。表情がない、声に張りがない、おじさんをとおりこしていて、まるでお爺さんのような無気力「昼行燈(ひるあんどん)おじさん」です。
バカになれない「プライドおじさん」
ときには「あえてバカになれる」というのもスマートな大人だと言えます。40代、50代の上司や先輩のほうがバカになれるという逆転現象もしばしば見られ、あえてバカになる、あえてはみ出すことを徹底して避けている人は要注意です。
初対面で仕事の話しかできない
仕事をとったら何も残らない「羽根をもがれた系おじさん」。饒舌だと思ったら、まるで会社の営業マニュアルを暗記して読んでいるように、一方的な仕事の話。よく知らない業界の、誰にもわからない話を延々としていては、一緒にいる女性にも気を遣わせる一方です。これでは「貴重なプライベートタイムを返してほしい!」と女性に思わせてしまいます。
仕事で追い詰められてアフター5でも「ナーバスおじさん」
仕事中の切迫した、キリキリした精神状態をそのままに、プライベートの会話をしたりメールをしてしまったりという人も、注意が必要です。緊張した空気をプライベートに持ち込むと、周囲から「この人とは楽しい話ができない」と敬遠されてしまうこともあります。また、そういった人は緊張感が高まりすぎて、ヒステリックになってしまうこともあります。
現代の「ネオ・おじさん認定行動」は、自制心が弱く、仕事をしている自分をプライベートに持ち込んでしまう人に多いのがその特徴。そんな「ネオ・おじさん」にならないためのコツは、ズバリ、会社を切り離した、健康的で明るい自分になれる「アナザーパラダイス」を持つということです。
会社でのわだかまりややるせない感情など、仕事での自分をすっぱり切り離す時間や空間を持ち、心を健康にしてください。あなたは会社の一部ではありません。会社があなたの人生の一部なのです。仕事に心を支配されるあまり、周囲に気を遣わせ、不快な思いをさせる人生は良くありません。
「魅力的な大人の男性」とは、ガス抜きができる場所と、完全に自分らしくなれる時間があるからこそなれるもの。また、たとえ「仕事はそこそこ充実、あるいは一流」だとしても、それに加えて「仕事を切り離した自分の魅力」を、会社から離れた完全な別ステージで育むことが大事なのです。
今、女性に「おじさん」と呼ばれて敬遠される人とは「仕事に心が支配されてしまっている人」ではないでしょうか。仕事の安定あっての人生かもしれませんが、仕事に没頭し過ぎてはいけません。もっと言えば会社に没頭し過ぎないでください。会社はあなたがいなくても回りますが、自分の人生を愉しむことはあなたにしかできません。
これからの時代は、仕事とは別のステージで新しい自分をビルドアップできた人が、「人生100年時代」や「ライフワークを愉しむ時代」を謳歌できるのだと思います。それができれば、100歳まで「おじさん」にはならずに、人生を全うすることができると思いますよ。
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