ピラティスインストラクターとして、健康や美容に効果が期待できるさまざまなエクササイズを提案しているTOMOKOさん。そんなTOMOKOさんが、誰でも気軽に始められるエクササイズとしておすすめしているのが「ながらストレッチ」です。
「美容や健康のための運動というと、しっかり体を動かさなければいけないと思う方も多いのですが、運動が苦手だったり時間がとれなかったりして、なかなか始められないケースもありますよね。その点、私がおすすめしている『ながらストレッチ』なら、体力に自信がない方でも取り組みやすく、道具がなくてもすぐに始められます。
その手軽なイメージから、『ストレッチって運動なの?』と思われがちですが、体のいろいろな部位の筋肉を伸ばしたり縮めたりして動かし、柔らかくしていくストレッチは、体が美しく健やかに整う立派な運動の一つです。そして、特に『ながらストレッチ』は、続けやすいのでおすすめですよ」(TOMOKOさん)
運動の入り口として始めやすいという、TOMOKOさんおすすめの『ながらストレッチ』。一体どのようなものなのでしょうか?
「『ながらストレッチ』は、『歯を磨きながら』や『寝る前に横になりながら』など、日常のスキマ時間で行うストレッチです。同じストレッチをするにしても、『ながらストレッチ』の方が続けやすいんですよ。例えば、『毎日いつでもいいので10分間ストレッチをしてください』と言われても、まとまった時間がとれなかったり忘れてしまったりして、続かないことが多いですよね。でも、『歯を磨く時にストレッチをしましょう』ということなら、わざわざストレッチの時間をとる必要がないし、普段の生活動作と結びつけてできるので、ルーチンにしやすいんです」(TOMOKOさん)
「ストレッチで一番大切なのは『続けること』。ストレッチをやめてしまうと、そこからまた筋肉は硬くなって衰えていきます。まずは続けることを重視して、『ながらストレッチ』から始めてみてはいかがでしょう」(TOMOKOさん)
「スキマ時間でできる『ながらストレッチ』を続けていけば、筋肉が柔らかくなり、美しいカラダへと繋がっていきます」と言うTOMOKOさん。そこで、具体的にどのような効果が期待できるのかを教えてもらいました。
その1:代謝アップ効果
「普段の生活で使う筋肉はだいたい決まっていて、あまり使われない筋肉は硬くなって動きが鈍くなり、筋力も低下します。そんな、あまり使われない筋肉を動かすように意識して『ながらストレッチ』をすると、筋肉が柔らかくなって動きが良くなりますよ。さらに、ストレッチをすることで関節の可動域が広がり、より多くの筋肉を使うことができます。その結果、代謝アップに繋がり、脂肪が燃えやすくなります」(TOMOKOさん)
その2:ボディメイク効果
「『ながらストレッチ』は、気になる体の部位に合ったエクササイズをして美しいカラダを目指す、『ボディメイク』にも効果的です。気になる部位の筋肉をストレッチで継続的に動かしていくことで、弾力と適度な硬さが出てくるので、体が引き締まりハリも生まれます。私のピラティス教室の生徒さんたちの中でも、『ストレッチを続けたら太ももが痩せた!』『洋服を着る時に引っ掛からなくなった!』という声がよく上がっていますよ」(TOMOKOさん)
その3:マッサージ効果
「肩が凝った時や、足がむくんだ時にも、『ながらストレッチ』をしてみましょう。硬くなった筋肉をほぐすことで、血液を循環させる筋肉のポンプ作用が高まり、血流が良くなります。また、気分がすっきりしない、寝たいけど寝付けないという時にも、『ながらストレッチ』は効果的です。こまめに筋肉を動かすことで、疲れが取れ、血流が良くなり体が休まります」(TOMOKOさん)
代謝アップやボディメイク、さらにマッサージ効果も期待できるなど、いいことずくめの『ながらストレッチ』。そこで、ボディメイクしたい体の部位や、凝りやむくみが気になる部位も踏まえて、日常のスキマ時間でできるストレッチをさっそく実践してみましょう。
「今回は3つの『ながらストレッチ』をご紹介しますが、全部を毎日行ってもいいですし、自分がやりたいものから始めて、続けられたら2つ、3つと増やしていっても構いません。
ストレッチをする時のポイントは、息を止めないこと。息を止めると体が力んで筋肉が硬くなり、うまく伸ばせなくなるので気を付けましょう。また、痛みを感じた時はムリをしないことも大事です。
ご紹介する『ながらストレッチ』はどれも簡単にできますが、筋肉がしっかり動くので、続けていくと効果が実感できると思いますよ」(TOMOKOさん)
歯を磨きながら、ふくらはぎと足首のストレッチ
「足を揃えて、つま先全体に体重を乗せながら、両足のかかとをゆっくりと上げていき、できるだけ高い位置で止めます。次に、左足のかかとをゆっくり下ろし、床についたら元の高さまでゆっくり上げ、右足のかかとも同様に行います。これを10回繰り返します。
慣れてきたら両足を一緒に上げ下げすると、ふくらはぎと足首により負荷がかかって効果的です。両足でつま先立ちした時に体がぐらぐらする場合は、片手を洗面台においてバランスをとりましょう。ふくらはぎや足首がむくんでいる時にもおすすめのストレッチです」(TOMOKOさん)
仕事の合間にイスに座りながら、肩・首と肩甲骨のストレッチ
「手のひらを下にして、両腕を床と水平に真っ直ぐ前に伸ばします。左ひじをゆっくり真後ろに引きながら上半身をねじっていきます。この時、左ひじを見るようにして首もねじっていきます。ひじを後ろまで引いたら、ゆっくり前に戻し、右ひじも同様に行います。これを5回繰り返します。
ポイントは、ひじや腕が下がらないよう、床と水平に動かすこと。このストレッチを続けることで肩や肩甲骨の可動域が広がり、猫背の改善に繋がります。また、首や肩が凝っている時にもおすすめのストレッチです」(TOMOKOさん)
寝る前に横になりながら、ひざと太もものストレッチ
「あおむけになって両手を頭の下で組み、肩と胸を開きます。両足を上げて、ひざを90度に曲げます。右ひざを伸ばしながらゆっくり足を下ろしていき、真っ直ぐ伸びたら、布団から浮かせた状態で止めます。右ひざを上げてもとの位置に戻し、左足も同様に行います。これを10回繰り返します。
初めは10回1セット、慣れてきたら2、3セットやりましょう。両手を頭の後ろで組むのがきつい場合は、手は体側に置いて体を支えて行っても構いません。このストレッチを続けることで、おなかや太ももが引き締まります」(TOMOKOさん)
「今回ご紹介した『ふくらはぎと足首のストレッチ』は、歯を磨く時の他に、洗濯物を干している時やオフィスでコピーを取っている時にもできます。また、座った姿勢で行う『肩・首と肩甲骨のストレッチ』は、トイレでもできます。
そう考えると、日常生活の中には『ながらストレッチ』を取り入れられるシーンがたくさん!例えば、体が温まって筋肉が緩む入浴中は、絶好のストレッチタイムです。湯船につかりながら足を伸ばし、お湯の中でバタ足をするだけでも、水圧が太ももの筋肉にかかり、ボディメイクに繋がります。
体は正直なので、ストレッチをやればやっただけちゃんと変化していきます。日常生活のさまざまな動作の中に『ながらストレッチ』をうまく取り入れて、美しいカラダを目指しましょう」(TOMOKOさん)
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