忙しくて帰宅が遅くなった日でも簡単に作れる料理を、ブログや料理教室で伝えている、OLごはん料理研究家のあゆさん。ブログでは、「21時から食べてもやせるを常識に!」を合言葉に、「はたらく女子のための夜遅ごはん10分レシピ」を公開。ヘルシーで低カロリーなメニューは、多くの女性に人気となっています。
あゆさんが提案しているレシピは、夜遅く帰宅してもパパッと作れることに加え、「野菜を積極的に取り入れている」ことが大きな特徴です。それには2つの理由があり、1つは、野菜は低カロリーなので夜遅く食べても太りにくいこと。もう1つは、あゆさん自身が、忙しかったOL時代に野菜をとることで心身の不調を改善できたからだそうです。
「OL時代は仕事がとても忙しくて、食事は、おにぎりやパン、総菜などを買ってきて食べるような生活が続いていました。また、夜遅く帰ってきた日は、食事を作るのは面倒だし、なにより太りそうという思いがあり、ごはんなどの炭水化物を抜き、フルーツやヨーグルトだけの食事で済ますこともありました。
そんな生活を続けているうちに、肌荒れ、冷え性、不眠、風邪を引きやすいなど、体にさまざまな不調が現れるようになり、気分が落ち込むことも多くなってしまったんです」(あゆさん)
これではいけないと考え、忙しくても食事を大切にしようと、あゆさんは自炊に切り替えたそうです。そして、野菜の栄養素やその効果について学んだことが、不調改善の大きなきっかけになったと言います。
「友人からマクロビオティックを紹介されたんです。『野菜や玄米の食事って健康そうだな』と思って、スクールに通ったり食の資格に挑戦したりして、知識を蓄えていきました。さまざまなことを学んでいく中で、腸の状態が体や心にさまざまな影響を及ぼしていることを知り、『私の体調不良の理由はこれかも!』と思い当たったんです。
野菜は栄養素が豊富なだけでなく、食物繊維を多く含み、腸をきれいにしてくれる食材です。正しい知識を得た上で、野菜中心の食生活に切り替えることで、徐々に体調が改善していくのを実感できました」(あゆさん)
野菜中心の食生活で心身の不調が改善したというあゆさん。具体的にどのような変化があったのかを伺ってみました。
肌がきれいになり、髪や爪にツヤが出た!?
「食物繊維を多く含んだ野菜をバランスよく食べることで、お通じが良くなり、それまでカサカサで吹き出物が多かった肌が、明るく潤うようになりました。髪や爪もツヤが出て丈夫になったと思います」(あゆさん)
冷え性が改善
「野菜を、スープやお味噌汁に入れたり、雑炊やリゾットにしたりと、温野菜にして食べることで冷え性が改善。代謝も良くなり、ダイエットにもつながりました」(あゆさん)
気持ちがポジティブになった
「体調が改善することで、心が明るくなって前向きな気持ちを持つことができるようになり、仕事の集中力もアップしました」(あゆさん)
他にも、風邪を引きにくくなったり、辛かった花粉症が改善したりと、さまざまな体調改善の効果を感じたそうです。野菜中心の食生活にはさまざまなメリットがありそうですが、野菜の他にはどんな食材をとればいいのかも気になるところ。あゆさんは、栄養バランスが良く、カロリーを抑えた食事作りの基本食材を、「まごわやさしいこ」と覚えるようにすすめています。
「豆はミックスビーンズの缶詰を使ってもいいですし、魚は焼くなんて面倒なことをしなくても、しらす干しや削り節でも十分です。忙しい生活の中で、これらの食材をまんべんなくとるわけですから、『生鮮食品を使ってゼロから調理をしなきゃ』と思わなくても良いんですよ。また、野菜はできるだけ多くの種類を食べた方がいいですが、一度には難しいので、1週間かけていろいろな野菜を食べるように心掛けましょう」(あゆさん)
野菜を中心に、「まごわやさしいこ」の食材を取り入れて、簡単に作れるメニューを提案しているあゆさん。その中から3品を教えてもらいました。
「遅く帰ってきて手の込んだ料理を作ろうと思っても、長続きはしません。まずは、1品でいいので、食事を手作りするところからスタートしましょう。初心者の方でも作りやすいように、私のレシピはできるだけ材料を少なくし、10分程度で作れるものがほとんど。その中から、まず試してほしい3品を紹介します」(あゆさん)
粒コーン豆乳ポタージュスープ
材料(2食分)
作り方(調理時間約10分)
ポイント
「コンビニ食材だけで作れて、包丁やまな板も使わずに完成。コーンの甘み豊かなお手軽スープです。豆乳は、骨の健康をサポートしてくれるイソフラボンや、腸内環境を整えるのに役立つオリゴ糖など、体にうれしい成分が豊富。ビタミンやミネラルを含むパセリや、疲労回復効果のある硫化アリルを含むねぎを散らして仕上げます」(あゆさん)
大根と厚揚げの和風ベジカレー
材料(2食分)
作り方(調理時間約15分)
ポイント
「大根は皮にビタミンCが豊富に含まれているので、皮ごと使います。肉の代わりに厚揚げを使い、カロリーを抑えつつ食べ応えを出しました。加熱すると甘みが出る大根おろしと、コクのある味噌で、味に深みを出しているのもポイントです」(あゆさん)
豆腐アボカド納豆の温玉のせ
材料(1食分)
作り方(調理時間約5分)
ポイント
「材料を器に盛り付けるだけなのでラクチン。アボカドは、抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンE、美肌効果のあるビタミンCなど、栄養素が豊富。豆腐と納豆で、良質なたんぱく質もしっかりとれます」(あゆさん)
あゆさんのレシピは、短時間で簡単に作れるものばかりなので、さっそく実践してみたくなりますね。
「今回ご紹介した『ベジカレー』では大根を皮付きのまま使っていますが、にんじんやごぼうなども皮に栄養素があるので、よく汚れを落として皮付きのまま使うのをおすすめします。調理の時短にもなりますしね。
また、たくさんの野菜を効率良くとりたい場合は、サラダよりもスープや煮物、炒め物がおすすめ。かさが減るので、たくさんとれます」(あゆさん)
あゆさんのレシピを実践したブログの読者や料理教室の生徒さんからは、「ぽっこりおなかがスッキリした」「楽しみながら自炊してごはんを食べることで心が軽くなった」など、効果を実感している声が寄せられているそうです。また「普段食べているものについて関心を持つようになった」などの声も。
「まずは、できる範囲で野菜を普段の食事に取り入れてみてください。そして、効果を感じてきたら、野菜の知識も増やしてほしいと思います。野菜は、一年中売っているものも多いですが、やはり旬の時期が一番おいしくて栄養素も豊富です。野菜についてよく知ることで、体も心もより健やかな毎日が送れると思います」(あゆさん)
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