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2017.06.29

正しく知って夏バテ知らず!おいしい夏野菜の選び方と健康効果

正しく知って夏バテ知らず!おいしい夏野菜の選び方と健康効果

夏に夏野菜を食べるメリットは何かご存じでしょうか? 最近は、いつでもどこでもどんな野菜でも手に入るようになっているので見落としがちではありますが、旬の野菜には季節に合った嬉しい健康効果が備わっているものなのです。今回は、代表的な夏野菜の選び方と食べ方を、野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんが解説します。

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夏野菜が夏においしく感じる理由とは?

夏野菜が夏においしく感じる理由とは?

夏にパキリとかじるキュウリが、妙においしく感じたことはありませんか? ムシムシと暑い日本の夏は、体内の巡りが滞りやすく、毒素や水分が溜まりやすいと言われています。キュウリはそんな状態を改善してくれる要素を持っているため、私たちは夏のキュウリをおいしく感じるわけなのです。キュウリだけでなく、ナスやトマトなどの夏野菜にはカリウムと水分が含まれており、代謝を促し、毒素を排出し、水分を補給してくれるので、暑さで調子を崩した身体を整えてくれます。よく「旬の野菜を食べよう」と言いますが、それは安さだけでなく、私たちの健康を支えてくれるからなのです。

ギラギラと照り付ける太陽に負けないようにたくましく育つ夏野菜は、枝やつるからぶらりと実を成らす『ぶらり型野菜(成り物)』が多いのが特徴です。トマト・ナス・キュウリ・ゴーヤー・トウモロコシ・冬瓜・ピーマン・オクラ・枝豆などは、代謝を促す効果以外にも、たっぷりの水分で身体を潤してくれたり、暑さで火照った身体を冷やしてくれたり、夏バテ防止や食欲増進効果なども期待できます。

せっかくだから正しく選びたい!GOODなお野菜、BADなお野菜

夏野菜の魅力は、なんと言ってもあふれんばかりの水分です。水分がしっかりと詰まった夏野菜は、切り口から水分が滴るほどみずみずしいですし、海外では水筒替わりにトマトやきゅうりをかじる文化もあるそうです。そんな夏野菜の恩恵をいただくには、鮮度のよいものを選び取ることが大事。ここでは覚えておくと便利な、新鮮な夏野菜の見分け方を解説します。

まず確認して欲しいことは、しなびていないこと! 葉先・ヘタの乾き・切り口などで確認できますので、要チェックです!

トマト:
色ツヤが良くハリのあるものを! 同じ大きさなら重いものを選ぶのが◎。

ナス:
ヘタがピンとしているものが新鮮です。傷やシワのあるものは避けましょう。

キュウリ:
色が濃く、イボが痛いくらい尖っているものが◎。

ゴーヤー:
イボにツヤがあり、ずっしりと重いものを選びましょう。

トウモロコシ:
ひげ根が多く、切り口がみずみずしいものが良品です。

ピーマン・パプリカ:
ツヤとハリがあり、ヘタが褐色に変わっていないものが◎。

オクラ:
ヘタに劣化や黒ずみがなく、うぶ毛がみっしりと密生しているものを選びましょう。

枝豆:
豆の大きさが均一で、さやがうぶ毛に覆われているものを選びましょう。さやの色が淡いものは古い可能性があるので避けましょう。

栄養を余すことなくきちんといただく調理法

状態の良い夏野菜を選んだら、あとはおいしくいただきましょう! さて、野菜を食べるときに調理法を意識していますか? 調理法によっては栄養素を壊してしまったり、流出させてしまったりすることも。旬の野菜は栄養素がピークに高まる時期でもあるので、できるだけ持っている栄養素を余すことなくいただきたいですね。ここでは、抑えておきたい夏野菜の食べ方を3つご紹介します。

その1. 手軽にビタミンを摂りたいときは生食で!

生食は洗うだけで良いので、一番手軽な食べ方です。野菜を生で食べるメリットは、加熱に弱いビタミンCやビタミンB群を効率よく摂取できること。ビタミンCはコラーゲン生成に欠かせず高い抗酸化作用があり、ビタミンB群は代謝や免疫を助ける働きがあります。夏野菜にはビタミンが多く含まれているので、ビタミンを摂りたい場合は生食がおすすめです。トマトやパプリカなどには特に、ビタミンCが多く含まれています。

その2. 脂溶性ビタミンAとDを摂りたいときは油調理

油を使う炒め物や揚げ物は、野菜の水分が抜けるので旨みがグッと増すメリットがあります。また油を使うことで、脂溶性ビタミンAとDの吸収率が上がります。ビタミンAは皮膚や粘膜を強くしてくれる働きがあり、肌の健康には欠かせないビタミン。紫外線のダメージが気になる夏には特に摂っておきたいものです。ビタミンDは免疫機能を強化してくれ、肌のバリア機能を高めてくれる効果などでも知られています。ゴーヤーやピーマンなど特に色の濃い野菜には、ビタミンAとDが多く含まれています。

その3. ファイトケミカルを摂りたいならスープ煮・ジュースで

野菜には栄養素とは別に、ファイトケミカルと呼ばれる健康成分が含まれていることはご存じでしょうか。よく知られているファイトケミカルにはポリフェノールやリコピンなどがありますが、高い抗酸化作用があり、それぞれに多様な健康効果があることが知られています。このファイトケミカルは野菜の皮付近に多く含まれており、固い細胞壁で守られているため、コトコトと柔らかく煮込んだりジューサーを使ったりして、細胞壁を壊すことで摂取しやすくなります。どの夏野菜にもファイトケミカルは含まれていますので、生で食べられるものならジュースに、加熱しないと食べられないものならスープにするのがおすすめです。

自分が必要な栄養素に合わせて、食べ方を調整してみてくださいね。

【執筆者プロフィール】

江戸野陽子(えどのようこ)さん
東京農工大学農学部卒業。学生時代に農業系サークルに入り、畑仕事をしたり、ファームステイをしたり、農業イベントに参加したりしているうちに、野菜とフルーツの魅力に取り付かれてしまい、野菜ソムリエプロを2006年に取得。東京、沖縄、岡山と住まいを移し、現在は岡山在住。2児の母。

  
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