子どもに限らず、大人になっても野菜が嫌いという方はたくさんいますよね。家族やパートナーの健康を想って野菜をたくさん使ったお料理を作っても、まったく食べてもらえなかったり、外食や出来合いの料理が多い一人暮らしだと、食べるのはお肉や炭水化物ばかりになってしまったり。もっと手軽に、おいしく野菜をとることができたら……今回は、そんな悩みを解決してくれる、野菜を使った「無限レシピ」を、フードコーディネーターの資格を持つ大友育美さんにご紹介いただきます。
「今回ご紹介する、『無限レシピ』の調理法で作った野菜のおかずは、野菜のクセをカバーする味つけがされているので、野菜が苦手な方でもおいしく食べられると思います。さらに、手軽に調理できるので、普段の食事に野菜を取り入れやすいですよ。 体のことを思って、バランスの良い食事をしたいと思う方は多いはず。しかし、特に野菜嫌いというわけではなくても、意識して食べなければ、野菜は不足しがちになってしまいます」(大友育美さん)
さらに、国際中医薬膳師の資格も持つ大友さんが、薬膳師の目線から、野菜を食べることの大切さを教えてくれました。
「薬膳では、人も自然の一部と考えます。季節の野菜など旬の食材を食べることは、薬膳における大切なポイント。自然の恵みである野菜には、体の調子を整えてくれる効果があると言われています」(大友育美さん)
大友さんのお話を聞くと、野菜嫌いな方も「ちょっと食べてみようかな」という気持ちになりませんか?そこで役立つのが、野菜の「無限レシピ」なんです。
ネーミングも気になる「無限レシピ」は、その名の通り、一度食べ始めると「無限」に食べ進めてしまう魔法のような料理。もともと、ツイッターに投稿された「無限ピーマン」が話題となり、その後も他の野菜を使ったレシピが次々と誕生しました。
ピーマンといえば、その苦みから、子どもが嫌いな野菜の代表格。そのピーマンの苦みを、ツナ缶のうま味のあるオイルでカバーしたことで、ピーマンが嫌いな人でも、いくらでも食べられるように工夫したのが「無限ピーマン」です。
「この『無限ピーマン』の考え方に、野菜嫌いを克服するヒントがあるんですよね」(大友育美さん)
大友さんによれば、野菜嫌いな方でも食べやすくなる調理のポイントが3つあるそうです。それらを押さえることで、どんな野菜もより食べやすくなると言います。
その1:うま味の素と野菜を組み合わせる
「ツナ缶やベーコン、塩こんぶなどは、野菜のクセをカバーし、野菜のいいところを引き出してくれます」
その2:味つけをしっかりめに仕上げる
「味つけをしっかりすることで、野菜独特のクセをカバーできます。野菜の余分な水気をしっかりと切り、味が水っぽくならないように調理することが大切です」
その3:食感や風味をバラエティ豊かに
「焼き目をこんがりつけて香ばしくしたり、普段は生で食べる野菜を電子レンジで軽く加熱して食感にアクセントをつけたりと、食べ方を工夫して、自分に合う食感や風味を見つけましょう」
数ある大友さんの「無限レシピ」の中から、野菜嫌いの方にこそ試してほしいレシピを4つご紹介します。おいしさはもちろんのこと、調理時間が3~10分と、短い時間で簡単にできるのもうれしいポイント。使う食材や調味料もシンプルで、冷蔵庫にある余りものでさっと作れます。えりすぐりの4つの「無限レシピ」を、早速実践してみましょう。
もやしと塩こんぶのレンジ蒸し
野菜嫌いの方でも食べやすいポイント
塩こんぶのうま味とごま油の香りが野菜の風味を和らげ、食欲を増進させます。レンジで加熱後、4~5分そのまま置いて、出てきた水分をしっかり切って捨てることで、もやし特有の臭みが和らぎ、食べやすくなります。
きゃべつのベトナムステーキ
野菜嫌いの方でも食べやすいポイント
生のキャベツは食べにくいと感じる方でも、火を通すことで甘みが出て食べやすくなります。さらに、甘じょっぱいエスニック風味が、野菜の存在感をほどよく打ち消してくれます。
千切り人参の明太バター
野菜嫌いの方でも食べやすいポイント
大人気の「明太子&バター」の最強コンビが、ニンジン特有のクセをしっかりカバーして調和します。最近では、クセが少なく甘みの強いニンジンなどもあるので、そういったニンジンを選ぶと、より食べやすくなります。
じゃこポンなす
野菜嫌いの方でも食べやすいポイント
ナスは、切らずに丸ごと加熱することで、空気に触れて嫌なアクが出るのを防ぎます。作った料理を冷やしてマリネにすれば、味が染みてさらに食べやすくなります。
大友さんいわく、薬膳の視点から見ると、ご紹介した4つのレシピに使われている野菜には、それぞれ以下のような効果があると言われているそうです。
気になる症状がある時には、「無限レシピ」を試してみてもいいかもしれません。食べやすく、ごはんやお酒のお供としてもぴったりの味付けなので、きっと野菜嫌いの克服や野菜不足の解消に役立つでしょう。
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