「あなたの悪いところはどこですか?」と聞かれたら、おそらくはほとんどの人が自分の悪いところを列挙できるでしょう。
しかし「あなたの良いところはどこですか?」と聞かれると、ほとんどの人が言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。
自分の悪いところは分かっているのに、自分の良いところは分からない。
「自信を持て」と言われても、果たして自分のどこに自信を持っていいのか頭を悩ませてしまい、多くの人が、「自分に自信がない」「私ってダメな女」という考えに行きついてしまうのです。
しかし、誰にでも良いところもあれば悪いところもあるのが人というもので、決して自分に良いところがないわけではないんです。
ではなぜ自分の良いところだけを見失ってしまうのでしょうか。それは、自分の良いところというのは自分にとって「当たり前」と感じているからなんです。
優しいのが長所である人は、自分のことを優しいとは思っていないもの。それが当たり前だと思っているから当たり前のように人に優しくできるのです。
コミュニケーション能力に秀でているのが長所である人は、自分がコミュニケーション能力に秀でているとは思っておらず、それが当たり前だと思っているから当たり前のように人とコミュニケーションがとれるのです。
他人から見れば人より秀でていることを、自分は当たり前のようにしている。それこそがその人の長所であり、自分では当たり前だと思っているからこそ、他人にはそれが特別な長所に見えてくるものです。
つまり、自信があるからしているわけではなく、当たり前だと思ってしているから、よりその長所が輝くということ。
自信はなくとも、人は自然と自分の魅力を発揮しているわけですね。
自分の悪いところは他人と比較して相対的に欠けているものですが、自分の良いところは「当たり前」という、比較対象のいない絶対的なもの。自分の良いところというのは「当たり前」と感じることができて初めて自分の長所になるものと思いましょう。
そういう意味で言うと、実は自信なんていらないんですよ。自信がないからといって困ることは何ひとつないんです。
「自分に自信がない」という人のほとんどは、行動しない(できない)理由を自信がない自分のせいにしているケースが多いのです。
何か目標をもって行動しよう思ったときに、頭の中で「自分に自信を持とう」と苦悩しても、結局頭の中だけでは自信なんか得られません。行動は1ミリもしないまま「自信が持てない」という理由だけで自分の目標を諦めてしまうというパターンが多いのです。
そもそも行動の原動力なんて、自信という不安定なものにすべきではないのです。
自信なんてものはその日の機嫌によって激しく増減するもの。そんな不安定なものを原動力にしてしまったら、行動力にもバラつきが生じてしまいます。
行動の原動力に適しているものは、自信ではなく好奇心や知的欲求。自分の行動によってどんな結果が出るのか、その結果によって自分はどう変化するのか、そこに興味を持って行動の原動力にすればいいだけなんです。
「行動、結果、改善」というトライアングルを繰り返していき、自分を変化させていけばいいだけで、自信なんてものは最初から入る隙間もないものなんですよ。
そういった行動の経験によって自分が少しずつ変化していくのが楽しいのであって、自信があるから楽しいわけではないということです。
「自信を持て!」と無責任な人ほど吠えるものですが、実際自信なんてなくてもそれほど困るものではありません。
大事なのは自信を持つことではなく、自信なんかなくても行動できる原動力を手に入れること。
自信がないから「ダメな女」ではないのです。自信を拠り所にしようとしているからダメな女になってしまうんです。
自信なんて足かせになるだけの呪い。その呪縛から解き放たれたとき、あなたはやっと自由になれるかもしれません。
人生なんて自分を使って身軽に楽しめばいいってこと。
自信なんてないから夢中になれるのです。
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