小学生双子の子育てブログを書いている、ぐっちぃと申します。自分のくせ字がどうにも気になっていた私は、前回、書家で美文字トレーナーの杉本健爾先生に、キレイな文字を書く基本的なコツを教えてもらいました。
そのとき杉本先生に教えてもらったことは、漢字とひらがなの文字幅のバランスの取り方や、漢字の中に主役と脇役を決めると整った美しい文字が書きやすいということなどなど……。そんな美文字のコツを、文字を書くときにはいつでも呪文のように心の中で唱えています。
仕事で関わる人から「文字がキレイ」といわれることも!「前よりは美文字になったかも♪」と思っていたのですが、何気なく自分が書いた文字を見ていると、気になるところが……。
「もっと美しい、スッとしたひらがなを書きたい!」「大人っぽいひらがなを書きたい!」ということで、再び杉本先生の元へ突撃しちゃいました!「先生、美しいひらがなを書くコツ、教えてください!」
いつも思っていた素朴な疑問なんですが、ひらがなが上手な人は、なぜ全体的に文字がキレイな印象になるんでしょう……?
杉本先生曰く、なんと日本人が普段書く文字の約7割を、ひらがなが占めているんだって!これには驚きです。
というわけで、美しいひらがなをマスターすれば「美文字ランク」がアップするんじゃないかと、早速、「美文字トレーニング~ひらがな編~」を杉本先生に志願しました!
「ありがとうございます」
「よろしくおねがいします」
この2文を課題にして、レッツトライ!前回のときとは違い、ある程度美文字を書くコツは知っているので、正直楽勝だと思っていました。
杉本先生の赤字には、数々の指摘が……。決して楽勝などでは、なかった……。漢字が混じっていた前回の課題は、上の文字に合わせて書いていけばまっすぐ書けていたのに、ひらがなだけになるとどんどん曲がっていく~。しかも、「おねがいします」の「お」「ね」「が」が、他の文字に比べてとてつもなく大きくなってしまうのも、どう書けばいいか分からず……。書く前に完全にナメていた自分を殴りたいっ!
ひ……ひらがなってどうやったらバランスよく書けるの……?
美しく見えるようになるには、何をどう表現すればいいの……?
気持ちを切り替えて、ひらがなを美文字にするコツを、杉本先生に詳しく聞くことにしました。
まず教えてもらったのは、ひらがなをまっすぐ書きにくい理由と、その解決策について。漢字はほぼタテ線とヨコ線の組み合わせなのに対して、ひらがなはほぼ曲線でできているから、まっすぐ書くのが難しいんだって。
元の漢字からひらがなの成り立ちを意識すると、「なぜこの部分が丸くなっているのか」など、苦手だったひらがなの曲線部分や形の作り方が分かって、バランスよく書ける気がする!
みなさんは、ひらがなは元々漢字だったって知っていましたか!?はるか遠い昔に習ったような気がするけど、私は全く覚えていなかった……。でも、杉本先生にもらった「漢字→ひらがな変遷一覧」を見ていると、ひらがなの曲線や丸い部分の成り立ちが、実は元の漢字の「はね」や「はらい」が次の字画につながった筆跡だということも理解できました(これが分かれば、元の漢字の書き順も間違えなさそう!)。
漢字からひらがなへの移り変わりを知ると、長く伸ばすべきところやそうでないところも迷わず判断できます。たとえば「ゆ」。元の漢字は「由」なので、縦の画を下に伸ばす必要はないのです!「縦の画を下に伸ばし過ぎてしまうと、元の漢字が『由』から『申』なってしまって、別物に……。元の漢字を知っているって、だから大事なんですよ」と、杉本先生。なるほどです~。
ひらがなだけで文章を書くときは、「よろしく」「おねがいします」というふうに、単語ごとに「かたまり」として捉えます。その中で見つけた主役の文字は大きく伸ばしてみたり、脇役に回った文字たちは小さくしてみたり細くしてみたり、かたまり内でメリハリをつけると美文字感がグッとアップする!
ぶっちゃけると、「ありがとう」「ございます」などよく使う言葉は、メリハリのつけ方を1つのルールとして覚えちゃうのも手なんだそうです。すでに主役が決まっているあたり、実際のオーディションだったら炎上案件ですけども(笑)。
「丸をつぶす」「ひとつのかたまりの中で主役を決める」を実践するだけで、こんなに変わるなんて……。ただ、「元の漢字」を意識せず書いてしまっているときもあったので、「苦手だな」と思ったら、すぐ元の漢字を思い出すくせをつけたいなと思いました。
前回は「漢字とひらがなのバランス」を、今回はさらに「ひらがなの大切さ」を教えていただき、私の美文字レベルが格段にアップしました。
他にも、ひらがなを書く上で目からウロコだったことを、いくつかご紹介しますね。
「あ」や「め」は、難しいひらがなの代表格。私もがっつり添削されてしまいましたし、まずは「女」という漢字を、うまく書けるようにならなければ……です!ひらがなの起源は、そもそも女性が使う文字として発展・進化したらしいので、どこか男性的な漢字と違い、曲線で構成されていておしとやかな佇まいをしているのかな……?と思ってみたり。
ひらがなの書き方ひとつで性格が分かってしまいそう、気をつけねば。
あと、杉本先生は「メリハリをつけるために、主役になりそうな文字を決める」と言っていたんだけど、実は46文字あるひらがなの中には、主役にはなれない文字もあるんだって!
「と」「て」「ま」など天性の「脇役ひらがな」には悪いですが、絶対に「主役になれない文字」も覚えておくと、ひらがなも書きやすくなりそうです。
もうひとつ苦労したのが、「まっすぐに書けない」こと。漢字を含んだ文章では、上の文字を見ながら書いていけば自然とまっすぐになったのに、ひらがなだけの文章の場合は、上の文字をちゃんと見ていても曲がっていくんです。
「ひらがなの中心って、どこだよ?」って思うような文字もたくさんあるんですが、きっと、やじろべえにしたら均衡を保ちそうな文字の支点があるに違いない!先生のお手本を見ながら、ひらがなの中心を意識して練習しようと思いました。
美文字トレーニング第2弾を通じて実感したのは、ひらがなって、思った以上に奥が深いということ!ひらがなの美学は「でしゃばらない」ことで、「おしとやか」で「上品な」佇まいを心がけて書いていくと、美しいバランスが取りやすいです!杉本先生から教えてもらった、ひらがなを美しく書くコツを心の中でつぶやきながら、これからもさらなる美文字への道をつき進みたいと思います!
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