「双子を授かっちゃいましたヨ」というブログで、まんがエッセイを描いています。妊娠中から描き始めて、ついこの前生まれたばかりだと思っていた娘たちも3年生になりました。
そのブログ内でもたびたび話題にしてるんですが、双子って常に書類を2セット書かないといけないんです。入園入学の節目に書く児童生活調査票に予防接種の書類、学童の入園申込書、そして入学後には名札や教材の名前書き……これがつらい!
いろいろある書き物の中でも、一番気をつかうのが「連絡帳」です。1年生の最初の頃、新しいことだらけの毎日の中で少しでも心配なことは連絡帳に書いて、先生と常にやりとりをしていました。大人になってからはパソコンを使うことが多く、文字を書く機会が減っていたので久しぶりの手書き。冷静に眺めると、連絡帳に並ぶ自分の文字のなんと読みづらいこと!
しかも見せる相手は先生。娘が国語の授業で文字に赤ペンを入れられてくるたびに、「いつか私も赤を入れられるんじゃないか」と、ヒヤヒヤもんでした。
文字をきれいに書きたい……。
娘たちのお手本になるくらいの美文字になれたら……!
というわけで書家・美文字トレーナーの杉本健爾さんの美文字トレーニングを体験!美文字になれるコツやアドバイスを聞いてきました。
「書家」っていうと物々しい雰囲気の方かと思いきや、正反対で物腰柔らか!優しそうなオーラ全開の杉本先生から出された課題は2つ。
「季節の変わり目、くれぐれもご自愛下さい。」
「お気遣いに心から感謝申し上げます。」
以前、職場で後輩に「ぐっちぃさんの字って四角いですよね」といわれたことがあり、そのときはとくに気にしてなかったけど、いざ丁寧に書こうとすると気になる気になる!
自分では丁寧に書いているつもりでも、なんだかバランスがおかしいかも……と、悩みながらもなんとか書き上げて杉本先生にいざ提出!
先生がすごくほめてくれたおかげか、花丸にテンションが上がっていたのか、真っ赤な添削を見てもさほどショックを受けない、単純なこの私の性格(自分をほめてる)。
文字の悩みに対して、杉本先生が教えてくれた美文字になるコツは以下の3つ。
美文字になるコツ1:文字の幅を2パターンに統一する
漢字の幅と平仮名の幅なんて今まで気にしたことがなかったけど、このコツを意識するだけでもかなりきれいに見える!文字の幅の統一感って大事なんですね。
ちなみに上の文字幅を意識しながら下の文字幅を合わせて書くと、文字の中心ラインが整うので、文字列が左に曲がっていくことはないんだそうです(高度な技術!)。あとは、斜めになりがちな縦線は、「手首だけで書こうとせずに体全体で書くつもりで!」ともアドバイスをいただきました。
美文字になるコツ2:一画一画を焦らず、ゆっくり書く
「丸文字や四角い文字は、その人の個性。無理に直さなくてもいいですよ」といわれて少しホッ。それよりもきれいな文字にするには、「丁寧に書く」ことが大事なんだそうです。ついパパっと走り書きをしてしまいますが、急いで書くのは字の乱れの原因。「一画一画を丁寧に、とめ・はね・はらいを意識しながらゆっくり書けば、誰でも美文字になれますよ」と杉本先生。それなら私でも、今すぐ取り組めます!!
美文字になるコツ3:文字の中にある、「主役」と「脇役」を考えて書く
文字の中にある「主役になる部分」と「脇役になる部分」を考えて書くとバランスがとれるんだそうです!どこを主役にして、どこを脇役にするのかは、書く人のくせや好みで決めてOK。「ここを主役にするぞ」と決めたパーツの存在感や、脇役とのバランスを意識すると、ぐんっと大人っぽい印象の文字に……なってる!パーツのすべてが主役を張り合うといい感じにまとまらないなんて、まるで演劇のようですわ(小学校以来やったことないけども)。
杉本先生から教えてもらったコツを思い出しながら、もう一度書いてみることに!
しかし気持ちはやる気満々なんだけど、家事に仕事に育児に……なかなか集中して書く時間がない……(涙)。集中できないながらも、子どもたちがテレビを見ている間に、宿題をしている間になどの「合間合間トレーニング」を実践!加えてブログネタを考えながら、夕飯の献立を考えながらの「ながらトレーニング」!この2大トレーニング(自慢するものでもないけど)を使い分けながら練習しました。
この話を先生にも伝えたところ
杉本先生もテレビを見ながら書くこともあるんだなって思ってホッとしました。
そしてね、この自信をもとに、ちょうど親戚のおばさんに出そうと思っていた手紙を、もう一度書き直してみました!
文字幅の統一、ゆっくり丁寧に書く。美文字のコツを意識して書いただけでこんなにも違う!目に見えて違いが分かると俄然やる気がアップします!
惚れ惚れするほどの美文字で添削をしてくださる杉本先生を見ていて、ふとした疑問が……。
やっぱり字がきれいだと、いいことも多かったりするんですか?
「文字で好印象を与えることができると、人生のいろんな場面で役に立つと思いますよ。たとえば手紙を書いたとき、字がきれいだと気持ちが伝わりやすい。丁寧な字は、心がこもって見えます。
逆に字が汚いと、どんなにいい文章を書いても伝わり方が半減してしまう気がします。仕事でも、パンフレットと一緒にきれいな文字の手紙を添えて営業をされたら、『ちょっと読んでみようか』と興味を持ちませんか?私は書家になる前は営業職に就いていたのですが、よく手紙を添えて営業活動をしていました。そのおかげだと思っているのですが、営業成績良かったんですよ(笑)。
あと、人生の節目に直筆文字に助けられるというのか……。私の書道の師匠はあまり生徒をとる人ではないのですが、私が出した手紙を見てお教室入りを認めてもらったおかげで、今があります。
人生の転機に役立つという意味では、たとえば履歴書は渾身の美文字で書けるといいですね。最近はパソコンで作る人も多いので、きれいな手書き文字の履歴書は目を惹くと思いますよ」(杉本先生)
たしかに杉本先生の話を聞いていると、「字がきれい」なことはいいことがたくさん!これは私も練習しなきゃ!と、ますます思いました。
漢字と平仮名のバランスに、文字の中の主役と脇役のバランス……バランスを制することが美文字への近道だと学んだ今回の美文字トレーニング。トレーニングを経て、これまで億劫に感じていた子ども関連の書き物も、最近では気負わず気楽に書けるようになりました。
そして杉本先生の影響か人の文字を見たり、文字からそれを書いた人の人となりを想像したりするのも楽しくなりました。「上手い」「下手」の尺度だけではなく、「おもしろい」という感覚を持って文字と向き合えるようになったのも、美文字トレーニングを始めて良かったところです。
自分の名前はもちろん家族の名前も美しく書けるようになってくると、ペンを持って何かを書きたくてしょうがない(笑)。まだまだ練習は必要だけど、「合間合間トレーニング」と「ながらトレーニング」を生活に取り入れて、1日20分でも30分でも練習を積み重ねていけたらいいなと思います。
美文字が書けるって、なんだかウキウキしますよ!ぜひみなさんも、美文字トレーニングを始めましょう!
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