共働きの夫婦と小学生の子どもの3人家族の献立を想定したとき、目標としたいのが一週間で食費7,000円という金額です(※)。つまり、一日1,000円。家族3人分の食費と考えると、かなり厳しそうに思えるかもしれませんが、食材の選び方や買い物のコツなどを押さえておくと、決して不可能な金額ではありません。
※共働き家庭を想定し、昼食は土日のみで計算しています。平日の昼食は外食や給食として、今回の7,000円の金額には含めていません。また、お米と調味料を除いた食費で計算しています。
まずは食材選びです。献立の主菜となる肉や魚などは比較的値段が高く、食費全体の中で大きな割合を占めます。節約を考えると、その量を減らしたくなりますが、たんぱく質を多く含む食材は、育ち盛りの子どもがいる家庭ではしっかりと摂りたいもの。
そこで、たんぱく質が豊富な鶏胸肉や豚細切れ肉、豆腐、卵など、値段が手頃で手に入りやすく、栄養価の高い食材を使った料理を、おうちの定番にしましょう。それによって、食費はぐんと抑えやすくなります。また、日持ちせず、調理に手間がかかる魚は、缶詰を使うのがおすすめ。サバ缶やツナ缶などを常備しておくと、食卓に手軽に魚をとり入れられます。
食材の買い出しは、まとめ買いがおすすめです。スーパーに行くと、特売品など必要なもの以外も買ってしまいがちなので、買い物に行く回数は減らした方が節約につながります。また、家族の人数や冷蔵庫の大きさなどにより難しいご家庭もあるかもしれませんが、一週間分の食材をまとめ買いすると、一度に買う量が増える分、余計な物を買う余裕がなくなるので、その点でも節約になります。さらに、週の途中で足りない食材があっても、冷蔵庫に残っているもので何とかやりくりできるようになれば、食費はぐんと節約できます。
ただ、まとめ買いをするときに頭を悩ませるのが献立です。献立を全部決めてから買い物に行くと、余計な買い物が減るため節約には理想的ですが、一週間分の献立をまとめて考えるのは難易度が高いといえます。そこで、まずは7日分の夕食の主菜だけを決めて、買い物をしてみましょう。最もお金のかかる主菜がすでに決まっていて、その分の買い物が済んでいれば、その後に買い足すときに無駄買いしにくく、主菜に合わせて副菜も決まりやすいので、買い物がラクになります。食材の値段は、スーパーの特売情報が見られるアプリなどを利用してチェックしてみましょう。
では、実際の3人家族の一週間の献立をどのように組み立ててればいいのか、献立と買い物リストの実例を見てみましょう。
1日目(土曜日)
一週間分の食材をまとめて買います。新鮮なうちに食べたい魚は、買ってきたその日のうちに調理しましょう。また、肉類は冷凍保存し、ブロッコリーなどの野菜は茹でて、すぐに使えるようにしておきましょう。
2日目(日曜日)
夕食の主菜となる鶏の唐揚げは、多めに作って冷凍しておきます。また土日などの余裕のあるときに、副菜となる煮物やサラダなども作って冷蔵庫に入れておくと、平日の料理がラクになりますよ。
3日目(月曜日)
忙しい日や帰りが遅くなる日は、一皿でお腹が満たされるカレーや丼物が便利。洗い物も少なくなります。丼物や麺類など炭水化物中心になりそうなときは、サラダなどの副菜や汁物をつけて野菜不足を補いましょう。
4日目(火曜日)
加熱調理済みのサバ缶は、栄養豊富で時短調理に便利。野菜と一緒に調理すると、さらに栄養バランスがよくなります。副菜は作り置きを活用すると、一汁三菜が揃えやすいですよ。
5日目(水曜日)
2日前に食べたカレーも、ドリアやグラタン、うどんなどにリメイクすると、飽きずに食べられます。ドリアを焼いている間にサラダを作れば、野菜もきちんと食べられます。
6日目(木曜日)
疲れてくる週の後半は、日曜日に作って冷凍しておいた鶏の唐揚げをリメイクして、あんかけに。主菜を一から作るのは大変なので、作り置きを活用するとラクになります。
7日目(金曜日)
一週間頑張った金曜日は、火を使わずに作れる丼物に。副菜は作り置きを活用し、さっと作れるスープを添えれば完成です。
栄養バランスの整った献立の理想は、一汁三菜です。ご飯に主菜一品と副菜二品、それに汁物をつけることで品数が増え、見た目も栄養バランスもよい食卓になります。
とはいえ、それだけの品数を毎日作り続けるのは大変です。そこで活用したいのが「作り置き」。今回の献立の中でもご紹介しましたが、鶏の唐揚げやカレーなどは多めに作っておき、鶏の唐揚げは甘酢あんかけに、カレーはカレードリアにと、ひと手間加えて味や食感を変えれば飽きずに食べられます。
さらに、主菜が毎日違うのであれば、副菜や汁物は同じものが続いてもOKにしましょう。全部新しいものを作ろうとして品数が減ってしまうよりも、煮物やサラダ、味噌汁やスープなどは前日と同じでもいいと決めて、品数を減らさないようにした方が栄養バランスは整います。
最後になりますが、節約も栄養バランスも味も、すべてが整った食事を毎日作ろうとするのは、大変な努力が必要になります。頑張りすぎて、毎日の食事を作るだけで疲れ切ってしまっていては、元も子もありません。忙しかったり、疲れていたり、どうしても料理をしたくないときは、外食や中食を取り入れて、息抜きをしてもOK。一番大事なのは、家族みんなで美味しく楽しく食卓を囲むこと。その上で、自分でも無理なくできる料理の節約術を実践してみてくださいね。
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