家賃、食費、光熱費……。生きていくにはとにかくお金がかかる。
今はまだそんなに困っていないとしても、この先自分が働けなくなったら?子どもができたら?親の介護が必要になったら?
お金の心配は数え出したらキリがない。
そこで、いま巷で人気のカリスマファイナンシャルプランナー(FP)、横山光昭氏にお金の相談をしに行った。
横山さんは今まで1万人以上もの「破たんした」家計を再生してきた凄腕ファイナンシャルプランナー(FP)で、「家計再生コンサルタント」とも呼ばれている。
何歳までにいくら貯めればいいのか?というかどうやったらお金は貯まるのか?
お金の知識ゼロのわたしに横山さんは、まず『何』に『どれくらい』お金を使っているか把握することが重要だと言う。
そこで、クレジットカードの明細から自分がどんなことにお金をかけているのかを調べてみた。
(以下、佐田清澄「佐」、横山さん「横」)
佐「支出の内訳を紙に書き出してみました」
まずアドバイスされたのが、書き出した支出を、「浪費・消費・投資」に分けるということだ。
佐「『浪費』なんて、そんな贅沢はしていないと思うけど……」
横「隠れ浪費として見落とされがちなのが、固定費として月々引き落とされているお金たちです。代表的なもので、通信費、ケータイ代ですね。最近は格安SIMなども出てきています。削れるところから削っていきましょう」
隠れ浪費の例
・プランを見直したことがないケータイ代
・本当に必要かどうか見直されていない保険、教育費
・ブランドなどにこだわると際限なく膨れ上がる食費、日用品
・月会費だけズルズル払い続けているスポーツジム、習い事
佐「あ、そういえば最近ジムに全然行けてない。月に1万円も取られているのに、たま~にお風呂に入りに行くくらいで……」
横「それはもうめちゃくちゃ勿体ないですよね。1万円払ってジムのお風呂に入るくらいなら、銭湯に通うほうがマシです」
他にも、全然使ってないほうのクレジットカードの年会費や、契約したはいいものの全く利用していなかった動画見放題サービス、電子書籍読み放題のサービスもあったので全て解約することにした。
横「浪費を削れば『投資』に回すお金の余裕が出てきます。ためになる本を買って読んだり、語学を勉強したりするのも投資です。あとは『投資信託』もおススメですよ」
佐「『投資信託』……?」
横「投資信託とは、運用のプロにお金を託して株などの商品を運用してもらい、その成果が投資額に応じて分配されるという金融商品です」
佐「ちょっと難しそうだし、株とか怖いんですけど……」
横「プロがやってくれるので、株を自分で選んで買うよりリスクは低いです。でも見返りも低くて、ローリスクローリターンな金融商品ですね。将来への資産作りができますし、年金だけでは不安という人にはおススメではあります」
佐「年金だけでは不安ですね。フリーランスなので保障も何も無いし、今後どれくらいお金が必要になるのか考え始めたらもう不安で不安で……」
横「老後に必要になるのは3000万円とか言われていますが、あれは一般論なので、自分の場合どれだけ必要になるのかちゃんと考えておいたほうがいいです。
フリーランスの方の場合、国民年金になるので、それ以外の保障が無い分、結構きついですよね。個人型の確定拠出年金や、投資信託など色々な方法で将来のお金を作っていくのがいいと思います。
でも、一番確実なのは働けている今のうちから少しずつでも貯金して将来にお金を送ること。貯金はできていますか?」
佐「いや、あんまり……。いつも『え、こんなになってたの?!』って言うくらいクレジットの引き落とし額が多くて……コンビニの少額会計も全部クレジットを使うんですけど……」
横「使った日と引き落とされる日とでタイムラグがあったり、お金を使うことの現実味が薄れて、つい浪費が増える原因になったりするから、わたしはクレジットカードを持っていません」
佐「え!クレジットカード持ってないんですか?でもわたし、支出のほとんどをクレジットカードで管理しているので、現金支払いに変えたら管理が大変になりそう……」
横「そういう場合は『VISAやJCBが付いたデビットカード』がいいですよ。記録も残るし、即時決済なので今口座にあるお金が瞬時に引き落とされるんです。口座にお金が無ければ使うこともできないので、クレジットカードのように使った分が借金になる心配もありません」
佐「デビットカード、知らなかったな……」
横「『今なら〇〇ポイント貯まります』などのうたい文句につられて、何かを買ったことはないですか?カード会社というのは、そういう風に消費を加速させるという側面もあるのです」
佐「あ、そういえばカードを使って某社のピザを買うとポイントが5倍になるって書いてあったから一時期しょっちゅう頼んでいたなあ……あれは浪費以外の何物でもなかった……。太るし」
横「クレジットカードから離れたり、浪費を見直したりして支出を抑えられるようになったら、いよいよ貯金です」
横「月収の6分の1がおススメの貯金の割合ですね」
佐「6分の1……結構きつくないですか!?」
横「佐田さんは貯金の『目的』ってありますか?何を買いたいとか、どんな暮らしをしたいとか」
佐「えー、分からない。とりあえず将来お金がたくさん要るんだろうなというぼんやりとした不安しかなくて……。何のためと言われると、野垂れ死なないとか、生活保護を受けなくて済むように、かな……」
横「だいぶ先のことまで心配するのも大事なのですが、目先の目標を決めると現実味が増してもっと貯めやすくなりますよ。例えばお金を貯めてあのお店の服を買う、とか」
佐「うーん、強いて言うなら既に4年くらい使っている財布がボロボロになってきたので新調したい。あとはオシャレなリュックが欲しい。それにヘリコプターに乗ってみたい!考えてみたら色々欲しいものもやりたいこともあるなあ」
横「ヘリコプター!?いいですね。お金を貯めて夢を叶えられている自分の姿を強く思い描くことが貯蓄への近道です」
月収の6分の1の貯蓄が手取り月収の7.5ヵ月分貯まったら、投資信託などでお金を増やして更なる余裕を生み出す段階に進むのもいいでしょう。
7.5ヵ月分貯まるまで待てない人も、月3000円からでも投資は始められますよ。
佐「月3000円からでも投資できるのか……それくらいのハードルなら自分にもできるかも。通ってないジムを解約して月会費分を投資に回してもお釣りが来ますね」
横「余裕が出てきたら、金額を増やしてもいいですしね」
佐「ちなみになんですけど、独身でいるより結婚したほうが家計ってラクになるんですか?そういうのもよく分からなくて……」
横「結婚は損得で考えないほうがいいですよ。例えば結婚して子どもを産んだとしても、その後別れてシングルマザーになる可能性もありますからね。本当に好きな人ができて『この人と結婚したい!』と思った時に結婚するのがいいと思います」
佐『確かに離婚後のことを考えてなかったな……。女性にも意見を聞いてみたい。お金のことや結婚のこと、将来のことをどう考えているんだろう……』
横「『女性からの意見も聞いてみたい』って顔ですね。そんな佐田さんにイイ話があります。『富女子会(ふじょしかい)』というものがあってですね……」
佐「腐女子会!わたし、ボーイズラブに関してはまだ基本的な知識しかなくて……」
横山さんからの勧めもあり、わたしは「富女子会」という呼ばれる謎の夜会に参加することとなった。そこでは一体どんな宴が繰り広げられているのであろうか……。「富女子会」については、機会があればまた……。
佐田さんとファイナンシャルプランナー横山さんのお話はいかがでしたか?お金を貯めて夢を叶えられている自分の姿を強く思い描くことは貯蓄への近道!そして貯金体質になるためには「自分を管理する能力」も大切ですね。1日3分の『お金ノート』で、自分をコントロールする術を身に付ける方法をご紹介します。
<プロフィール>
佐田清澄(暇女)
「暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ」「暇女のひとり相撲」などを書いている作家・文筆家。暇だから○○してみた、○○へ行ってみた、といったルポ風記事で人気を集める。2015年8月、自身初のブログ本を出版。