和食の基本は「一汁三菜」。まずは献立をどのように配膳するのか、お皿の正しい並べ方をご紹介します。
ちなみに焼き魚は、頭を左側に向けて置くのが正解。箸は食事をする人の利き手に合わせて左右の向きを変えましょう。
江口さんによると、「和食の見た目センスを上げるには、盛り付け方と食器のチョイスが鍵」とのこと。まずは見栄えをよくするための盛り付けテクニックから教えてもらいました。
器に対して8割を目安に
「一番のポイントは、器いっぱいに盛らないこと。たくさん入れてしまうと野暮ったく見えてしまうので、器に対して8割程度に留めておくことで上品に見えます。量をたくさん食べたい場合は、器のほうを大きくしましょう」
料理は高く積み上げるイメージで
「和食は上に高く盛り付けるときれいに見えるので、山をつくるイメージで立体的に盛るのも見栄えをよくするコツです。崩れやすい煮物などは、土台となる下部分に大きな具材を置くなどして、しっかり安定させると山をつくりやすくなります」
食材は断面見せ&ズラし置きで一工夫
「野菜は半分に切って断面を見せてあげると色鮮やかさがアップします。また、揃えて並べず、あえてズラして置くのもポイント。ズラして置くことでかぼちゃの煮物は皮の緑色と実の黄色が見えて彩りが豊かになり、卵焼きはお皿に対して斜めにズラすことで立体感が生まれますよ」
葉物で彩りを添える
「主菜の魚やお肉は薄い色味のことが多いので、葉物を添えて緑色をプラスしてあげると彩りがきれいです。大葉やサラダ菜、ほうれん草のおひたしなどを一緒に盛り付けても良いですね」
スパイスになるアイテムをプラス
「家庭料理は地味になりがちなので、見た目のスパイスになる名脇役たちをストックしておくと便利です。例えばプチトマトや葉物、ハーブ、白ごま、黒胡椒といったものがあると、料理の見栄えがグレードアップします」
見た目も美味しそうに見せる秘訣は、食器。はじめに揃えたいお皿から、持っていると料理の見栄えがグンとよくなるお皿までご紹介します。
主菜用のお皿は、長方形で平たいものを選ぼう!
「長方形のお皿は、横に長い焼き魚などを乗せるのに便利です。また、四角いほうが料理の収まりが良く、バランス良く見えるんです。平たいものを選ぶことでお刺身やお肉、揚げ物などメインディシュを並べやすくなります」
副菜用の小鉢は、丸くて鉢型のものが使いやすい!
「煮物やおひたしを入れる小鉢は、鉢型のものが盛りやすく失敗しにくいです。主菜のお皿が四角の場合、小鉢を丸型にすると全体の収まりもいいですよ」
白と黒のメリハリカラーで和食がさらに美味しそうに見える!
そして江口さんが、「これを持っていたらセンスが良く見える!」というのが白と、意外にも黒色のお皿です。
「シンプルで使い勝手の良い白いお皿は、どんな料理とも相性抜群ですね。そして意外に思うかもしれませんが、黒いお皿もおすすめ。実は和食は黒と相性が良く、料理が締まってきれいに見える色なんです」
他にも、「赤や藍色の染め付けのお皿も和食と相性が良いのでおすすめ」と、江口さん。使いやすい無地のお皿を揃えたら、ぜひレパートリーに加えたいですね!
番外編:和食&洋食を自由に並べてカフェ飯っぽく♪
さらに江口さんが持っておくと、おしゃれで便利!」と言うのが、大きめの変形プレート。「ひとつの食卓に洋食も和食も乗ることの多い日本の家庭では、和洋どちらの料理を並べてもおかしくない皿をもっておくと重宝します」とのこと。
大きめの変形プレートは盛り付ける料理で雰囲気が変わるから、夜の残りものを朝ごはんとしてちょこちょこ置きたいときにも大活躍。前述した「盛り付けをキレイに見せる方法」のなかでもご紹介したように、欲張らずに上品に盛って、空間を楽しみましょう!
最後に、「忙しいときや気持ちに余裕がないときほど、食事の見た目にこだわってほしい」と江口さんは言います。
「疲れているからといって、買って帰った惣菜をパックのまま食べると疲れが取れにくいと感じたことはありませんか?お皿に盛りかえるだけで見た目がきれいになり、気持ちが満たされます。さらに盛り付けのようなクリエイティブな作業は右脳が活性化し、リラックスに繋がるんです。食事は毎日のことなので、ぜひ見た目にもこだわって楽しんでみてくださいね」
見た目も食事の一部。和食を見た目にも美味しくいただくコツを使えば、いつもの料理がさらに美味しくなりそうですね!
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