試験本番を控えて緊張が高まるのは、受験生本人だけではありません。もしかすると見守るママのほうがハラハラしているかも?「家族にできることは少ない」と思っている方も多いかもしれませんが、栄養バランスのとれた食事を作ってあげることで、受験生の健康面を支えることはできます。
では具体的にどんな食材や料理なら、受験勉強をがんばる子どものサポートになるのでしょうか?調理師、フードコーディネーター、食生活アドバイザー®2級、食育アドバイザーの資格を持ち、一男一女の母でもある人気料理家の「ちょりママ」こと西山京子さんに、受験生におすすめのレシピをお聞きしました。
受験生にとって何よりも大切なのは、万全の体調で本番に臨むこと。試験直前や当日に風邪などでダウンしてしまっては、十分な実力を発揮できません。良いコンディションで試験に臨むためには、普段の食事で免疫力を強化して、風邪やインフルエンザに負けない丈夫な体を作ることが大切です。さらに、頭の働きがよくなるような栄養素も含まれた食事であれば、受験生にとって理想的です。
「私たちが普段食べている食事の中には、勉強にプラスの効果をもたらしてくれる栄養素がたくさん含まれています。たとえば、鶏の胸肉やささみに含まれる成分には、脳と体、両方の疲労回復を促す効果があります。受験生の食事では、そういった栄養素をいかに効率よく摂取できるかがポイントです。
今回は、身近な食材で手軽に作れて、免疫力をアップさせて風邪の予防になり、さらには勉強で疲れた脳や体の疲労回復にもなる、そんな受験生にぴったりの主菜・副菜・主食の3レシピをご紹介します」(西山さん)
レシピ1:主菜
脳と体の疲労を回復!「白菜と鶏肉の酒蒸し」
材料(4人分)
作り方
受験生におすすめの栄養ポイント
鶏胸肉に豊富なイミダゾールジペプチドという成分には、脳と体、両方の疲労回復を促す効果があるため、受験本番まで高い集中力を保ち続けるためにはぴったりな食材です。この時期、とくに積極的に食べることをおすすめします。
また、旬の白菜には、風邪やウイルスへの抵抗力を高める効果が期待できるビタミンCが、豊富に含まれています。ビタミンCは水に溶け出す性質を持っているので、汁ごと飲んで、栄養素を余すことなく取り入れてください。
レシピのポイントとアレンジ
白菜はきつめに詰めて、隙間にお肉を挟むときれいに作れます。「最近疲れやすい」「ちょっとスタミナが落ちているかも」と感じたときは、しょうがをニンニクにしたり、ニラを加えたりしてもいいでしょう。ニンニクやニラに含まれるアリシンは、スタミナ回復に役立ちます。
レシピ2:副菜
風邪の予防&集中力キープの常備菜「しらすにんじん」
材料(4人分)
作り方
受験生におすすめの栄養ポイント
にんじんに豊富なβカロテンは、脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率がアップ。βカロテンには、目や皮膚、呼吸器などの粘膜を丈夫にしてくれる働きがあります。勉強で酷使しがちな目の疲れをとり、体のバリア機能を高めることでウイルスなどの侵入を防いでくれます。
また、しらすに含まれるビタミンB12は、脳細胞や脳神経の再生・修復を行う働きがあります。記憶力・集中力が必要とされる場面では欠かせない栄養素ですので、常備菜にして積極的に食卓に出してあげましょう。
レシピのポイントとアレンジ
にんじん1本を使い切れるレシピです。冷蔵で4~5日保存できますので、あと一品ほしいときにも重宝します。ぎゅっと旨味が詰まったしらすが入っているので、アレンジの可能性は無限大!余ったら青菜のおひたしと和えたり、スープに加えて出汁代わりに使ったりと、いろいろ活用してください。
レシピ3:主食
レンジ調理で簡単&夜食にもぴったり「豆乳仕立て肉味噌釜たまうどん」
材料(4人分)
作り方
受験生におすすめの栄養ポイント
うどんは糖質なので、すぐに脳のエネルギー源になってくれます。その糖質をエネルギーに変える手伝いをしてくれるのが、豚肉に豊富なビタミンB1。勉強中はずっと同じ姿勢でいることが多いため、筋肉も意外と疲れやすくなっています。糖質とビタミンB1を一緒に摂ることで、脳や筋肉の疲れを和らげましょう。
また、卵に含まれるビタミンB2は脂質を効率よくエネルギーに変えてくれます。卵黄の代わりに温玉や目玉焼き、ポーチドエッグでもOKです。
レシピのポイントとアレンジ
濃厚な味わいですが、豆乳のまろやかさのおかげで、ツルツルと最後まで食べられます。うどんは消化がいいので夜食にもおすすめです。甘さ控えめの肉味噌は多めの分量なので、余ったらご飯や豆腐にのせてもいいでしょう。インスタント麺に入れると、ぐっと本格的な味わいに!
最後にもうひとつ、西山さんから食生活のワンポイントアドバイスをいただきました。
「みかんやりんごなど旬の果物を毎日食べるようにすると、病気に負けない体を作るのに役立つビタミンCが手軽に補えます。食後のデザートは果物がおすすめですよ。
でも試験直前まできたら、子どもが好きなデザートを用意して、やる気を盛り上げてあげるのが一番。持てる力を十分に発揮できるよう、受験生も家族もがんばってください!」
今回ご紹介したレシピはいずれも、栄養素を効率よく摂るための組み合わせや調理方法のベストバランスを追求した3品です。身近な食材で簡単に作れるものばかりですので、受験生のいるご家庭では、ぜひ今日からでもお試しください!
受験は子どもの「これから」に繋がる大事なイベント。脳と体をバックアップする栄養バランスのよい食事で、がんばるわが子を全力で応援してあげましょう。その先にはきっと、希望に満ちた笑顔の春が待っているはずです。
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