家事、育児、仕事に追われ、忙しい毎日。献立を毎回考えるのも面倒だし、キッチンに長時間立って調理するのも疲れてしまいますよね(涙)。そんな時、役に立つのが作り置きおかずです!
「週末など時間がある日にまとめて作り置きしておけば、平日の食事作りがぐんとラクになりますよ」(スガさん)
そう話すのは、ブログ「週末の作り置きレシピ」が大人気のスガさん。超効率的な作り置きテクと、あっさりと薄味でも美味しく、カロリー控えめ、美味しさを長くキープ出来るスガさんの「作り置きレシピ」は、多くの方々から支持を得ています。
スガさんが作り置きを始めたのは、10年前。当時フルタイムで働きながら、2児の母として子育てに奮闘していたスガさん。仕事が激務になり、休みなく押し寄せる食事の準備を負担に感じたため、週末に1週間分のおかずを作り置きしたところ、これが実にラク!あまりの快適さに、止められなくなったと言います(笑)。
「冷蔵庫を開けると、あとは焼くだけ、お皿に盛りつけるだけ。作り置きおかずがあれば、平日も美味しいご飯が5~10分程度で完成します。お弁当のおかずとしても利用出来るので、忙しい朝でもお弁当作りは楽勝です。調理をまとめてすることで、ガス代や水道代などのコスト削減にもなりますし、食材を無駄なく使い回せば、食費の節約にもなりますよ」(スガさん)
現在は子育ても一段落したスガさんですが、作り置き生活は絶賛継続中。日曜日の夜に近所のスーパーへ買い出しに行き、半調理品(下ごしらえのみ)を含め、2時間で8~14品仕上げます。
「作り置きのメニューの構成は、肉や魚のおかずが2に対し、副菜が8くらいの割合です。メインを作るためなら疲れていても多少頑張れますけど、ちまちました副菜のために食材を茹でたり、炒めたり、煮込んだりは出来なくないですか(苦笑)?経験上、副菜をたくさん作り置きしておいた方が、時間的にも精神的にも救われます。
とはいえ、いきなりたくさん作らなくてもいいですよ。作り置きを挫折される方の多くは、最初からハードルを高く設定し過ぎだと思います。簡単に作れて、アレンジもきいて、すぐに食べられるものを1品でも作り置きしておくと、平日に『小さな幸せ』を噛み締められるはず。その『小さな幸せ』を少しずつ増やしていくのが、作り置き生活を長く続けるコツです」(スガさん)
作り置きには、より長く美味しく味わうための、そして効率よく調理を進めるための、覚えておきたい6つのコツがあるそうです。
作り置きのコツ1:保存容器は、アルコール消毒が手軽!
「アルコール消毒スプレーを容器とふたに拭きかけ、キッチンペーパーで拭き取ります。熱湯による煮沸消毒より手軽ですし、食中毒も防ぐことが出来ますよ」(スガさん)
作り置きのコツ2:保存容器は、サイズ違いで揃えると便利
「冷凍から電子レンジまで対応し、ふたの開閉がしやすく、半透明で中身が見えやすい容器がおすすめ。角型を選ぶと、冷蔵庫内でもキッチンでも無駄なスペースが生まれにくく、空間を効率的に使うことが出来ます。入れるおかずに対し容器が無駄に大きいと、空気に触れる面積が増えて食材が傷みやすくなるので、大中小とサイズ違いで揃えるといいですよ」(スガさん)
作り置きのコツ3:買い出しに行く前に、冷蔵庫を総点検する
「家にある食材や、残量の少ない、もしくは切らした調味料をチェックし、食材の重複や、調味料が切れている、というダメージを防止します。買い出しでは旬の食材を中心に、特売のものなど安い食材を購入し、帰宅後にメニューを決めた方が節約になりますよ」(スガさん)
作り置きのコツ4:メニュー候補は、多めに選んでおく
「意図せず足りない食材や調味料があったり、作ろうと思っていても気分や体調が優れないこともあると思います。その際に、メニューを変更する余裕があった方が、余計な脱線をすることなく、結果としてスピーディーに仕上げることが出来ます」(スガさん)
作り置きのコツ5:2~3品ずつ完成させていく
「キッチンは食材を置く場所もコンロもすぐにいっぱいになるので、『下ごしらえ→加熱調理や和えるなどの仕上げ作業→冷ます』の手順を2~3品ずつ仕上げていきます。欲を言えば、全てのメニューの下ごしらえを『スライサーを使って切る』『茹でる』『包丁を使う』と作業ごとにまとめて、最初に一気に行うと効率がいいですよ」(スガさん)
作り置きのコツ6:おかずは、よく冷ましてから冷蔵庫へ
「熱いうちに冷蔵庫へ入れると、庫内の温度が上がってしまい、他の食材を傷める原因になります。特にカレー、おでんなどの煮込み料理は、食中毒対策のため、出来るだけ『早く』冷ます(=急冷する)のが鉄則。シンクに水をはり、調理した鍋ごと浸し、料理全体が空気に触れるように、かき混ぜながら冷まします」(スガさん)
お弁当や晩ご飯にも使える、野菜たっぷりの作り置きレシピをスガさんに教えていただきました。多めに作って冷蔵庫や冷凍庫に保存しておけば、夕食の献立がパッと決まってストレスフリー。どれも他の料理にアレンジしやすく、使い勝手抜群です。
簡単・作り置きレシピ1
漬け込んで焼くだけで、ご馳走おかず
ひと口速攻照り焼きチキン/難易度:★☆☆☆☆
大人も子どもも大好きな、照り焼きチキン。鶏もも肉をたれに漬け込んで、5分ほど焼くだけ。ふわっとしっとりしたお肉に絡まる、甘辛なたれが絶品。ご飯がモリモリ進む、満足感のある作り置きおかずです。
保存期間(目安):冷蔵5日/冷凍1ヵ月
材料:4人分
作り方
調理のポイント
「鶏肉の旨味を閉じ込めるために、お肉に片栗粉をまぶすのがポイント。上手に焼くコツは、一度焼き始めたら極力触らないこと。油もしっかりと加えると、ジューシーで美味しい照り焼きに仕上がりますよ」(スガさん)
アレンジ方法
その1:おかずサラダ
レタスや玉ねぎなど、お好きな生野菜の上にオン!
その2:照り焼き丼
温かいご飯にのせるだけ。漬け汁は、多めに仕上げると◎。
その3:青菜の炒め煮
熱したフライパンにごま油を引き、汁気を切った鶏肉、にんにく、輪切り唐辛子を炒める。鶏肉に火が通ったら、青菜と多めの漬け汁を加え、ざっと混ぜ合わせる。
簡単・作り置きレシピ2
アレンジ無限大。お弁当にも大活躍!
切り干し大根の煮物/難易度:★★☆☆☆
太陽の光を浴びて、ビタミン、ミネラルがぎゅっと詰まった切り干し大根。水で戻さず、栄養成分を丸ごと炊き上げます。混ぜご飯に卵焼きの具にと、応用範囲が広いのも魅力。冷めても美味しいので、お弁当のおかずにもどうぞ。
保存期間(目安):冷蔵5日/冷凍1ヵ月
材料:4人分
作り方
調理のポイント
「切り干し大根そのものに甘みが含まれているので、味つけに砂糖やみりんは使いません。切り干し大根全体に調味料が行き渡るように、鍋に入れる時はほぐすのを忘れずに」(スガさん)
アレンジ方法
その1:混ぜご飯
切り干し大根の煮物を粗く刻んでご飯に加え、混ぜる。
その2:おかかマヨ和え
切り干し大根の煮物、マヨネーズ、かつおぶし、白ごまを混ぜ合わせるだけ。
その3:炒り卵
溶き卵に切り干し大根を混ぜ、ごま油を引いたプライパンでさっと炒める。最後に塩で味を整える。
簡単・作り置きレシピ3
見た目も華やか。夕食のあと1品に重宝!
五色なます/難易度:★★★★☆
根菜と干ししいたけをたっぷり使い、炒めてから酢で和えるので、まろやかな味わい。時間が経っても味が落ちにくく、夕食のあと1品に、つけ合わせにぴったりな1品です。シャキシャキ食感で箸が止まりません。
保存期間(目安):冷蔵1週間/冷凍1ヵ月
材料:4人分
作り方
調理のポイント
「具材は少し厚みを持たせて切ること、そして、予熱で火が通るので酢を加えたら煮過ぎないこと。手早く冷ますと、シャキシャキした歯ごたえのある食感を味わえますよ」(スガさん)
アレンジ方法
その1:生春巻き
アボカド、サーモン、大葉、レタスと一緒に生春巻きの皮で巻く。
その2:ツナサラダ
ツナ、マヨネーズと混ぜ合わせ、食べやすい大きさにちぎったレタスの上に盛りつける。
その3:バインミー風
「ひと口速攻照り焼きチキン」とともに、軽く水気をとったなますをパンにはさむ。
時間のある時に作り置きおかずをストックしておけば、朝がラク、仕事から帰ったあとの夕食の準備がラク、毎日献立を考える必要がなくてラク!と、いいことずくめ。また、食材を無駄なく使い回せば、節約にだってなります!毎日の食事が豊かになる、作り置き生活。あなたも始めてみませんか?
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