自炊しようと張り切って食材を買い込んでも、一人暮らしだとすぐには使い切れないもの。次は何を作ろうか……と考えているうちに傷んでしまっていた、なんてことも少なくありません。そんな悩みについて、ウエキさんは「料理のレパートリーを増やすといいですよ」と語ります。
「同じ食材でもレシピが違えば飽きないので、食材を余らせずに使うことができます。例えば豆腐なら、みそ汁、麻婆豆腐、冷ややっこといったように、食材ごとに2〜3品のレシピがあれば十分。ネットで材料名からレシピを検索するのもいいでしょう」(ウエキトシヒロさん)
また、使い勝手の良い食材を選ぶのもおすすめだそう。
「今回は朝食・昼食・夕食と3食分のレシピをご紹介しますが、すべてに共通している食材がアボカド。さまざまな料理に使えるのはもちろん、生でおいしく手軽なうえに、コクがあって満足度も高い食材です。他にも使い勝手のよい野菜として、ニンジンをよく使いますね。ニンジンは生でも茹でても煮てもおいしく、切り方によって食感の違いを楽しめる食材。ピーラーで薄くスライスして鍋に入れるのも簡単でおすすめですよ。ブロッコリーは、一度茹でておけばいろいろな料理に使えますね。そのほか、ウインナーなどの加工肉も使い回しやすいですよ」(ウエキトシヒロさん)
ちなみに、ウエキさんが常備しているのはナス・じゃがいも・タマネギなのだとか。
「よく使う万能な食材なので、切らしたら必ず買い足しています。特にタマネギとじゃがいもは常温で保存できるので、冷蔵庫のスペースを圧迫しないのもいいですね」(ウエキトシヒロさん)
自炊が続かない理由の1つとして挙げられるのが、面倒な後片付け。食後の食器洗いが苦手……という人も少なくないはずです。そこで今回ウエキさんに教えてもらったのは、1枚のお皿に主食もおかずもまるごと載せてしまう「ワンプレートごはん」のレシピ。朝食・昼食・夕食の3食分のメニューは、使い回しの食材をうまく取り入れ、楽ちん&おしゃれでバラエティ豊か!彩りも良く、食欲を大いにそそってくれます。使うお皿は1枚だけなので、食後の洗い物がササッと終わるのも嬉しいポイントです。
<朝食>
まずは1日の始まりとなる朝食のレシピから。満足感のあるアボカドとチーズのトーストと、彩りの良い野菜が並びます。
アボカドチーズトースト
材料(1人分)
作り方
トマトサラダ
材料(1人分)
作り方
ブロッコリーサラダ
材料(1人分)
作り方
POINT
「のせて焼くだけの手軽なチーズトースト。健康面を考えて、栄養価の高いスーパーフードのアーモンドも使いました。アボカド、砕いたアーモンド、チーズの順にのせると、アーモンドがこぼれにくくなりますよ。2種類のサラダは混ぜたりせず、プレートにそれぞれ添えるだけ。フルーツを添えると、ビタミンもたっぷりとれるのでおすすめです。朝は忙しいので、できるだけ手間を省いて簡単に作れるようにしています」(ウエキトシヒロさん)
<昼食>
続いては、ランチ向きのワンプレートごはん。いつもの焼きそばをナポリタン風にアレンジし、食材は朝食にも登場したブロッコリーを使いました。優秀な使い回し食材のアボカドは、粗く潰してワカモレに。
焼きそばナポリタン
材料(1人分)
作り方
ワカモレ
材料 (1人分)
作り方
紫キャベツのマヨネーズあえ
材料(1人分)
作り方
POINT
「いつものソース味とは趣向を変えて、ケチャップ味のナポリタン風に。さらに醤油を少し加えて、甘すぎない味付けにしました。焼きそばの麺は、水を入れたらフタをして蒸すとおいしく仕上がります。昼食は麺類や丼物など1品で済ませがちですが、それだけでは物足りないのでワカモレと紫キャベツのサラダも添えました。赤、緑、紫の彩りがキレイな1皿です」(ウエキトシヒロさん)
<夕食>
最後のワンプレートごはんは、夕食向けのレシピ。鶏皮の香ばしさも楽しめるチキンソテーを中心に、遊び心のあるアボカドや野菜、主食のごはんまで、すべて1皿に盛り付けられています。
チキンソテー
材料(1人分)
作り方
アボカドみそクリームチーズ
材料(1人分)
作り方
キャロットラペ
材料(1人分)
作り方
インゲン豆のソテー
材料(1人分)
作り方
POINT
「1日の最後の食事である夕食には豪勢な印象も欲しいので、チキンをどーんとメインに。アボカドは半分にカットし、種を除いた部分にみそとクリームチーズのディップを入れました。こうした見た目のおもしろさも大切ですよね。チキンを焼く時は、鍋などで重しをするのがコツ。そうすることで表面に凹凸のある鶏肉も、まんべんなく焼き目を付けることができますよ」(ウエキトシヒロさん)
ウエキさんが教えてくれた3食分のワンプレートごはん。その魅力は、「見た目もおしゃれでおいしそう!」だということ。聞けば、朝食は白いお皿でさわやかに、昼食は麺類とちょっとした副菜2品でも配置しやすいたっぷりとしたオーバル形、夕食はダークカラーを選んでシックに……と、時間帯や盛り付けるレシピに合わせて食器の色や形を変えているのだとか。
「ワンプレートで使うお皿は、たいてい直径24cmの浅いタイプを選んでいます。26cmだと量もしっかり盛り付けられ、さらに大きい28cmは余白が増えておしゃれに見せられますが、家庭によくあるのは24cm程度がほとんど。わざわざ用意しなくてもいいので、手持ちのお皿で無理なく楽しんでいただきたいですね。また、これは僕の独自ルールなんですが、ごはん茶碗を左手前に置く和食の配膳に則って、主食は向かって左下に盛り付けるようにしています。ワンプレートに決まりはないですが、こうした自分流のセオリーを守っていると盛り付けに迷わずに済むし、安心感があると思います」(ウエキトシヒロさん)
さらに、ウエキさんによると、ワンプレートごはんの魅力はおしゃれで後片付けがラクというだけではないのだそうです。
「ワンプレートにすると、“野菜が足りないな”とか“彩りがもっと欲しいな”といったことに気付くようになります。別々の器に盛り付けた時よりも、俯瞰で見ることができるからなんでしょうね。そして最大の魅力は、何を盛り付けてもいいという自由度の高さ。メインをドーンとのっけてもいいし、いくつかの小さなおにぎりと、たくさんのおかずをちまちまと盛り付けてもいい。いうなればカレーやパスタもワンプレートですが、お弁当を詰めるのに似た楽しみ方もできるんです。お皿にはそれぞれのセンスが顕著に表れますが、好きに盛り付けて自由度の高さを楽しんでいただきたいですね」(ウエキトシヒロさん)