ひと昔前に比べて、「ヘルシー感」がグッと増したコンビニ食材。最近では生鮮食品や自社ブランドの惣菜なども見受けられ、健康を気づかう人にはうれしいラインナップが揃っています。とはいえ、そうしたコンビニ食材だけを使って、「栄養満点な一汁三菜」をつくることは可能なのでしょうか?
「工夫次第で可能です!コンビニで購入できるのは、主に加工食品。『生』じゃないと栄養価が低そうなイメージがありますが、たとえば冷凍野菜は旬のものがそのまま冷凍されていたりするので、ものによっては生野菜より栄養価が高いこともあるんです。カット野菜の場合、生野菜に比べると若干劣るものの、約7割の栄養素は含有しているといわれています。ただし、それだけを食べても栄養バランスは整いませんので、さまざまな食材を取り入れることが大切です」(河野さん)
栄養バランスよく食材を選ぶには、どのようなことに気をつけるべきですか?
「ポイントは、食材の色。緑黄色野菜の『赤』『緑』、炭水化物や脂の『白』『黄色』、ゴマや海藻などの『黒』を取り入れるよう意識してみてください。完璧に揃えるのは難しくても、こうした彩りバランスを頭に置いておくだけで、摂取できる栄養素もアップしますよ」(河野さん)
それでは、河野さんが実際に購入してきたコンビニ食材を使って、栄養満点のコンビニレシピにトライしてみましょう!材料はすべて2人分です。
ツナ入りコールスロー
コンビニ食材
ツナ缶1缶、カット野菜(コールスロー)1袋
作り方(所要時間5分)
「まずは、混ぜるだけのお手軽レシピ。カット野菜ではビタミンCや食物繊維を、ツナ缶からは豊富なたんぱく質を摂取できます。ツナ缶のオイルはすべて切らずに、少しだけ入れるとコクが増すのでおすすめ」(河野さん)
めかぶとオクラのおろし和え
コンビニ食材
めかぶ2パック、冷凍オクラ1/2袋、大根おろし1パック
作り方(所要時間5分)
「副菜にぜひ取り入れたい海藻は、ポン酢と大根おろしで食べやすく!めかぶやオクラに含まれるネバネバ成分には、免疫力向上や生活習慣病予防、美容効果などさまざまな効果を期待できます」(河野さん)
サバとほうれん草のみそ汁
コンビニ食材
サバ水煮缶1缶、冷凍ほうれん草1/3袋、おろし生姜(チューブ)少々
作り方(所要時間10分)
「ビタミンや鉄分が豊富なほうれん草、冷え防止に効果的な生姜、今話題のDHA・EPAやカルシウムを摂取できるサバ缶を入れた、栄養満点のみそ汁です。サバ缶の汁がそのまま出汁になるので、手軽につくれる点もポイント」(河野さん)
スピード鶏キムチ
コンビニ食材
サラダチキン1パック、もやし1袋、キムチ1パック
作り方(所要時間10分)
「キムチに含まれる唐辛子には、美容効果や食欲促進効果のあるカプサイシンが豊富。たんぱく質が豊富で低カロリーな『サラダチキン』と、もやしをプラスして、ヘルシーで食べ応えのあるメイン料理の完成です」(河野さん)
所要時間30分足らずで、立派な一汁三菜の献立が完成!魚、肉、野菜、海藻、炭水化物と食材のバランスも申し分なく、見た目の彩りもキレイです。さっそくスタッフで実食してみたところ、コンビニ食材のみでつくったとは思えないクオリティに驚き!カット野菜やキムチ、サバ缶といった加工食品に少し手を加えるだけで、自炊の満足感が得られるのもコンビニレシピの魅力ではないでしょうか。
「今回のレシピでは、五大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミンをすべて摂取できるよう食材選びに気を配りました。特に意識したのは、緑黄色野菜。カット野菜やコンビニのサラダなどには緑黄色野菜が少なく、コンビニ食材だけではどうしても不足しがちです。そこで役に立ったのが、冷凍ほうれん草。今回はおみそ汁に使いましたが、ソテーやおひたしにも活用でき、あれば便利な食材だと感じました」(河野さん)
今回の試みで特に実感したのは、コンビニレシピのすさまじい時短力。まな板と包丁が不要で、やり方によってはコンロ無しでも調理可能な手軽さは、コンビニレシピならでは!
「疲れているとき、忙しいとき、でも手づくり感のあるものを食べたいときにこそ、コンビニ食材を使ったお料理はぴったりです。基本的にカットされている食材が多いので、まな板や包丁を使わず調理できるのは本当にラク。加えて、肉や魚は火が通っているものばかりだから、炒めたり煮込んだりする時間もそれほどかかりません。夕食の時間が遅くなってしまったときや、バランスよく栄養が摂れるものを、手をかけずに食べたいときには、今の時代、スーパーよりコンビニの方が適しているかもしれません」(河野さん)
プロが「スーパーをしのぐ」とまで評するコンビニの自炊力。生活の中で上手に活用するには、どんなことを心がければよいでしょうか?
「コンビニで一汁三菜を揃えるとなると、やはりネックはコスパ面。今回のレシピでは1,800円ほどの出費があったので、ご家族の食卓には向きません。忙しいけど外食はしたくないとき、「あと一品」ほしいときなど、コンビニレシピはシーンを選んで上手に活用するのが◎。冷凍野菜やサラダチキンは長期保存がきくので、『あと一品用』にそうした食材をストックしておくのも便利です」(河野さん)
実は河野さん、コンビニ食材だけを使って調理したのは今回が初めてだったそうで、その種類の豊富さに驚かれていました。いろいろな食材を組み合わせてできるコンビニレシピのバリエーションは無限大。さっそく、今晩から試してみてはいかがでしょうか。
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