日々、忙しく過ごしていると、食事もついおろそかになりがち。そんな人に向けて「食のことを放棄すると、気持ちが疲れてしまうのでは?」と、ツレヅレハナコさんは語ります。
「たとえばコンビニ弁当ばかりだと不健康だし、お金もかかる。自分でも分かっているのにそんな食生活を続けていると罪悪感は毎日、澱(おり)のようにたまっていくと思います。もちろん、作るのがイヤなときは作らなくてよいけれど、習慣として1日1回は台所に立ってみてはいかがでしょうか?買ってきたおかずに生野菜を添えるだけでも、総菜キットを利用するだけでも十分。料理は作ることで達成感が味わえ、作るほどに上達するものなので、小さな結果を積み重ねていけば、自信に繋がると思います」(ツレヅレハナコさん)
SNSが普及した今では、“映える”手料理をSNSに投稿する人も多いもの。でも、写真の見映えだけを気にするのは、料理の本来の目的から逸れてしまうようにも感じられます。
「そもそも、自分が食べるごはんを誰のために作っているの、ということですよね。料理は自分のために作ることが大切だと思います」(ツレヅレハナコさん)
自分のためだけの料理を、その日の気分に合わせて作りたい!そんな人のために、ツレヅレハナコさんが3品の「自分ごはん」レシピを教えてくれました。1品目は、疲れている日にエネルギーをしっかり取り込める「パワー飯」!
「滋養強壮に効果があると言われるとろろをのせた牛丼です。肉や魚を避けて野菜を摂ろうとする風潮もありますが、やはりバランス良く食べることが大切。肉も魚も野菜も、偏りなく摂りたいですね。作り方のコツは、玉ねぎをしっかり煮ること。牛肉を入れてから20分ほどすると、玉ねぎがトロッとおいしく仕上がります。ほぼ煮るだけなので手間いらず。煮ている間ずっと見ている必要もないから、簡単な家事や読書など、他のことをしながら作れます。とろろも最近は冷凍のものがスーパーで簡単に手に入るので、長芋をすりおろすのが面倒ならそれを使ってもOK。調味料が揃っていない場合は、めんつゆ+砂糖でもおいしいですよ」(ツレヅレハナコさん)
がっつりとろろ牛丼
材料:2人分
煮汁
作り方
忙しいから、料理に時間をかけたくない! そう思うなら、炊飯器の力を借りてみてはいかがでしょうか? 2品目にご紹介するのは、そんな「炊飯器レシピ」。火加減を見るためにコンロに付きっきりでいる必要がなく、別のことに時間を使えるのも魅力です。
「食材をセットして炊飯ボタンを押すだけの簡単レシピ。鶏肉とごはんを一緒に炊くことで、鶏の旨みが染みたごはんと、しっとり軟らかな鶏肉が完成します。保温し続けるより、炊き上がって少し蒸らすくらいの方が、鶏肉の食感が良くなるのでおすすめ。炊飯器にセットする際は鶏肉の皮を上にすると、ごはんに肉汁が落ちて旨みがしっかり染みていきます。ごはんは、水にくぐらせた茶碗を型にして盛り付けました。簡単な料理でもこうしたちょっとした手間で満足度が上がるので、ぜひ実践していただきたいですね。タレに使うナンプラーがない場合は、ポン酢やしょうゆ+レモンでも代用できます」(ツレヅレハナコさん)
炊飯器カオマンガイ
材料:作りやすい量
タレ
作り方
3品目にご紹介するのは、野菜をふんだんに使ったお手軽レシピ。コンビニごはんや外食が続いて、野菜が足りないと思ったら、こんなドライカレーがおすすめです。
「4人分で100gと肉は少なめですが、玉ねぎとニンジンが味のベースとなり、キノコの旨みとピーマンの個性的な味わいが加わるので物足りなさはありません。今回は使っていませんが、ナス(切って水にさらす)やブロッコリーなども合うので、冷蔵庫に残っていたら入れてしまいましょう。具材はすべてみじん切りにするので、フードプロセッサーがあるとより簡単です。バターがないときはオリーブオイルでも代用できますが、コクと旨みが出せるのは断然バター。いろいろな料理に使えるので、常備しておくことをおすすめします」(ツレヅレハナコさん)
ほぼ野菜ドライカレー
材料:4人分
カレー調味料
作り方
ツレヅレハナコさんが教えてくれたレシピは、どれもおいしくて幸せな気持ちになれる一品。包丁、まな板、鍋、フライパン程度の調理器具で作れるので、料理に不慣れな人も気軽にトライできます。
「食材を使い切れず、ダメにするのがイヤだからといって、料理をしないのはもったいない。私もニンジンをダメにしたりして罪悪感を抱くこともありますが、何か工夫して使い切りたいですよね。食材が余りがちな人におすすめなのは、豚汁デーを作ること。豚汁は懐が深いので、しなびかけた野菜をすべて入れてもおいしくできます。他には、余った野菜を塩もみしてストックしておくのも良いですね。冷蔵庫の中にすぐ食べられるものがあると安心感が生まれるから、作ってくれた過去の自分に”ありがとう”と言いたくなるはず。自分で作った料理は心を満たしてくれるものなので、余裕のあるときに気軽に作ってみてはいかがでしょうか?」(ツレヅレハナコさん)