「第一印象の8割は、髪で決まるとも言われています」と話す、毛髪診断士の元井さん。どれだけ洋服やメイクが完璧でも、髪型がイマイチだったり髪がボサボサで傷んでいたりすると、理屈抜きに印象が悪くなると言います。そして、元井さんが考える好印象ヘアに欠かせない条件は、以下の3つです。
好印象ヘアの条件1:髪のツヤ
「髪の毛にツヤがないと、不健康で生活に疲れている感じが出てしまいます。また、それが老けて見える原因にも。髪のツヤは加齢で失われやすいものでもあるので、若々しさをキープするためにも特に意識したいポイントです」
好印象ヘアの条件2:髪の質感
「思わず触れてみたくなるような質感の髪、やわらかそうな髪は、優しい人柄に見える効果があります。特に恋愛において好印象を与えるためには、髪の質感が重要になってきます」
好印象ヘアの条件3:髪のシルエット
「いくら髪の毛が美しくても、髪型がペタンコだったり、逆にボリュームがあり過ぎたりしては、好印象には繋がりません。好印象を与えたいなら、ヘアスタイルはひし形に整えるのがポイント。どんな頭の形や顔の形でもカバーすることができ、立体感を出しながら小顔に見せる効果があります」
いずれの条件においても、鍵になるのは「清潔感」だそうです。健康的で美しい髪や髪型を手に入れて、第一印象を良くしたいですね。
好印象ヘアを手に入れたいなら、ヘアスタイルから工夫するのがおすすめです。恋愛や仕事におすすめのヘアスタイルから、小顔効果があって写真映えするヘアスタイルまで、簡単にできる好印象ヘアスタイルをご紹介します。
恋愛で印象アップ!
前髪を左から分ける
「ポイントは前髪の分け目。顔は左右非対称であることが多いので、どちらの顔を見せるかで印象が変わります。恋愛では、左から前髪を分けて左側の顔を見せるのがおすすめです。また、前髪や顔まわりの髪の毛は、顔に少し掛かるようにするとベスト。少しだけ隠すことで、男性の『もっと見たい』という気持ちを刺激することができますよ」(元井里奈さん)
左分けの(顔の左側を見せる)理由:顔の左側は、感情を司る右脳の影響を受けやすいと言われています。表情豊かでやわらかい印象であることが多いので、顔の左側を見せると可愛らしく見られる傾向があります。
仕事で印象アップ!
前髪を右から分ける
「仕事の印象アップにも、前髪は欠かせません。恋愛の場合とは反対に、右側から分けると仕事モードの顔を見せることができるはずです」(元井里奈さん)
右分けの(右側の顔を見せる)理由:顔の右側は、論理的な思考を司る左脳の影響を受けやすいと言われています。顔の右側を見せると、クールな印象を与えられる傾向があります。
後頭部にボリュームを出す
「後頭部にボリュームを出すことにより上品さが生まれ、知的な印象を与えることができます。また、説得力が増すとも言われており、『後頭部にボリュームを出しているCA(客室乗務員)のほうがクレームを言われる回数が少ない』という話も聞いたことがあります(※)」(元井里奈さん)
髪をまとめる際は、後頭部の髪の毛を指でつまんで引き出し、ボリュームアップ。ショートヘアの場合は、後頭部の中間から毛先にかけてカールアイロンで内側に巻くと、髪の毛が持ち上がって、キレイな「ふっくらシルエット」をつくることができます。
小顔で写真の印象をアップ!
「命毛(いのげ)」をつくる
「命毛とは、顔周りに垂らす後れ毛のようなもので、『命のように大事にされている』ことからそう呼ばれるようになったと言われています。顔の中でも面積の広い頬をこの命毛で隠すことによって、顔を小さく見せられるというわけです。片方あるだけでも小顔効果があります。顔に影ができるので、色気を出す効果もありますよ」(元井里奈さん)
ご紹介したヘアスタイルも、髪の毛が健康的で美しければ、さらなる印象アップに繋がります。そこで、好印象ヘアに欠かせないヘアケアの方法について、元井さんに教えていただきました。
美しい髪づくりにおいて、「どんなスペシャルケアよりも大切です」と元井さんが強く言うのが、毎日の洗髪。毛髪診断士として多くの人の髪の悩みを聞く元井さんですが、悩みの原因を辿ると、正しいシャンプーができていないことに行き着く場合も多いそう。正しい洗髪の方法を覚えて、美髪の基礎をつくりましょう!
正しい洗髪の方法
1:予洗い
「まずは、ぬるま湯で頭皮を洗います。この予洗いは、それだけで『日常の汚れの70%は落ちる』と言われているくらい大事なステップ。予洗いが不十分だとシャンプーの付け過ぎに繋がるので、しっかり行いましょう」
2:シャンプー
「間違っている方が多いのですが、シャンプーをする時は、髪を洗う意識よりも頭皮を洗う意識を持った方が良いです。髪の毛は1平方cmあたり200〜300本と高い密度で生えています。細かく洗わないと頭皮の汚れは落ちないので、高級な桃を洗うように、指を小刻みに優しく動かしながら洗ってください」
3:すすぎ
「すすぎも、正しくできていない方が多いです。すすぎが不十分だと、髪の毛や頭皮に残ったシャンプーが原因でトラブルが起きてしまう可能性も。目安は『シャンプーが落ちた』と感じてから、さらに1分掛けてすすぐこと。シャンプーの2倍は時間を掛けて落としてほしいですね」
4:トリートメント
「よく、トリートメントを頭皮から付ける方がいますが、これは間違いです。トリートメントは髪の毛をコーティングして保護するものなので、髪の毛だけに付けましょう」
5:すすぎ → 乾燥
「トリートメントもシャンプーと同様にしっかりすすいで、タオルドライしたら、ドライヤーで乾かします。ここでのポイントは、髪の毛を完全に乾かし切ること。乾いたと思っても、後頭部に手ぐしを入れるとひんやりする場合は、まだ完全には乾いていません。100%乾かさないと雑菌が繁殖しやすくなる上、濡れている髪はデリケートなので、睡眠時に枕との摩擦で傷んでしまう可能性もあります」
美髪度アップポイント
「ドライヤーの、温風で髪を乾かした後、仕上げに冷風を使うと、髪のツヤ感がアップします。髪の毛のキューティクルは、開いている時は魚のうろこのように逆立っているのですが、冷風を当てることでキューティクルが閉じて、髪表面がなめらかになりツヤ感が出るんです」
見た目の印象を大きく左右するという髪の毛。髪質や毛量は、遺伝のため変えられない部分もありますが、「ヘアスタイルや毎日のヘアケアで、髪の印象をアップさせることは可能です」と、元井さんは言います。洋服選びやメイクも大事ですが、これからはぜひ髪型や髪の美しさにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
パーソナルスタイリスト(R)講座へのリンク
出典:藤友美(2016)『女の運命は髪で変わる』サンマーク出版