薄毛とは、髪の量が減って地肌が見えてしまう状態のことをいいます。健康な人でも1日に50~100本くらいの髪が抜けています。それ以上抜けている場合は、何らかのトラブルが起きているかもしれません。
薄毛の原因としては、頭皮の血行不良や男性ホルモンの影響、脂漏の過剰分泌、頭皮の突っ張りによる圧迫などがあります。
また、男性に多い薄毛には、男性ホルモンが原因の男性型脱毛症、ストレスや自己免疫による円形脱毛症、皮脂分泌の異常で起こる脂漏性脱毛症などがあります。
髪は生え始めてから2~6年ほどは伸び続けます。その後、髪の成長が止まると毛根が退化して抜けていきます。そして、しばらくするとまた新しい髪が生え始めます。これがヘアサイクルといわれるものです。ヘアサイクルが正常であれば、髪が抜けるのは自然なことなのです。
薄毛の人はこのヘアサイクルが乱れています。髪が太く長く成長しないうちに抜けてしまうのです。薄毛にならないためには、髪をつくる頭皮の健康を維持することが大切。規則正しい生活やバランスのよい食事は薄毛を防ぐ基本です。
また、髪の洗い方を見直してみるのも効果的です。下記のポイントを意識してみましょう。
●予洗いを習慣に
シャンプーの前に、ブラッシングやぬるま湯で予洗いをしておくのがおすすめです。それだけでも汚れが落ちるので、少ないシャンプーで洗えます。
●洗い方は丁寧に
洗髪は爪を立てて強く洗うのではなく、指の腹で頭皮の汚れを優しく落とすように洗います。すすぎはしっかり行いましょう。
●自然乾燥は禁物!
髪を濡れたままにしないで、すぐにドライヤーで乾かしましょう。髪が濡れていると雑菌が繁殖しやすく、頭皮の炎症につながります。
●ストレスをためない
ストレスも薄毛の原因になります。ストレスがたまると自律神経やホルモンのバランスが崩れ、頭皮の血行が悪くなります。シャワーばかりではなく、積極的に湯船につかり、ゆったりとしたバスタイムでストレスを解消するように心がけましょう。
薄毛を予防する生活をしていても、髪が少なくなったと感じたら、もう少し踏み込んだ対策が必要かもしれません。次のステップとして、市販薬の活用や医療機関の受診などがあります。
男性型脱毛症には、ドラッグストアやネット販売などで手軽に購入できる育毛剤を使うのもひとつの方法です。いろいろなタイプのものがあるので、自分に合った育毛剤を選ぶとよいでしょう。
市販薬の使用に不安があるなら、やはり一度医療機関を受診してみるのもおすすめです。病院に行くのは抵抗があるかもしれませんが、薄毛の原因を特定して、適切な医薬品を処方してもらえます。なお、急激に抜け毛が増えたり、頭部全体から抜けたりする場合は、ほかの病気が原因かもしれないので、早めに受診しましょう。
残念ながら、育毛剤を使えばすぐに髪の毛が生えてくるというわけではなく、長く使い続けているうちに、症状が徐々に改善していくものです。そのため薬だけに頼りすぎず、生活全般を改善しながら、気長に続けていく必要があります。
現代では、日本人男性の3人に1人は薄毛を気にしているといいます。できればいつまでも若々しく、フサフサでいたいですよね。薄毛予防は若いうちからが効果的だといわれています。30代から始めても決して早すぎではありません。
ただ、気になりすぎてストレスになっては逆効果。前向きな気持ちで毎日のヘアケアを続けることが大切です。まずは、少しずつできることから始めてみませんか?