家計簿を続けられない人は「これでは貯金できないのでは……」と不安になってしまうもの。でも、大丈夫です。家計簿は、「続けること」がゴールではなく、「お金を貯めること」がゴール。つまり、無理に家計簿を頑張らなくても、貯金を頑張ればいいのです。
それでは「貯金」を頑張るためには、何が必要だと思いますか?「愛」?「気合」?「根性」?
……正解は、「わくわくする目標」です。
たとえば、35キロのスーツケースを渡されて、「はい、2時間歩いてきて」と言われたら辛いですよね。しかし、「さあ、ハワイに行くよ!」と言われたら、同じ35キロのスーツケースでも、ルンルンで自宅から空港まで運ぶことができます。
お金を貯めるのは罰ゲームのように辛いことではなく、自分のやりたいことを叶えたり買いたいものを手に入れたりするための、むしろ喜びだということを忘れないように。まずは、貯金を頑張るための「わくわくする目標」を考えてみましょう。できれば、近い目標と、遠い目標があるといいですね。
たとえば、近い目標は「彼とグランピング!」、遠い目標は「マンション購入!」などのように、それぞれ目標を設定してみてください。
ただ漠然と「お金を貯めよう」と思っていても、お金には羽が生えているので、気が付いたらどこかに消えてしまいます。貯金を始める場合は「いつまでに、いくら貯めるのか」を決めてから、スタートしましょう。
貯金術その1:先取り貯金
お給料が入ったら、使ってしまう前に別のところにお金を移して、残りのお金でやりくりします。しかしこれも、給料日に銀行に並んで、お金を下ろして、別の銀行に走ってお金を預ける‥…なんてやっていると面倒になり、挫折してしまいます。銀行で積立定期預金を申し込むだけで、自動的に普通預金口座から定期預金口座にお金を移し替えてくれるので、ぜひ活用しましょう。
もしも普通口座の預金残高が足りなくなった場合は、お金の移し替えが「1回休み」になるだけで、翌月に2か月分引き落とされるということはありません。「先取り貯金」を始める人が毎月積み立てるお金の目安は、手取りの10%です。その後、徐々に増やしていきましょう。
貯金術その2:後取り貯金
「先取り貯金」で毎月決まった額のお金を先に貯めて、残りのお金でやりくりをします。そして1か月後、残ったお金はまた貯金です。後から貯金するお金を取るので、「後取り貯金」と名付けました。
後取り貯金をするためには、ネットバンキングを利用しましょう。スマホやパソコンから自分の銀行口座にログインし、残高をマメに確認します。「今週使いすぎたな」と思ったら、翌週しっかり引き締めて挽回します。預金残高をチェックして、家計簿代わりにするイメージです。クレジットカードよりも、デビットカードを利用する方が、即時決済されるのでタイムラグがなく、より正確な家計簿残高になります。
費目分けも集計もいりません。常に残高チェックをして「あとどれくらい使えるか」を意識し、1か月を過ごしましょう。そして、残ったお金をネットバンキングで、普通預金から定期預金に移動すればOKです。
貯金術その3:ある時貯金
自営業者やフリーランスなど、収入が一定ではない人は、不定期に入ってくるまとまったお金を、「待ってました!」とばかりに使ってはいけません。お金がある時にこそすべきなのが「ある時貯金」です。
まとまったお金が入った瞬間に、その一部をネットバンキングでサクッと定期預金に移しましょう。「え?そんなお金ありましたっけ?」と自分に対してシラを切り、残りのお金でいつも通りにやりくりです。
普通預金にお金がたくさん入っていると、「こんなにあるんだから、いいか」と油断してしまいます。常に預金残高は、会社員なら生活費の3ヵ月分、フリーランスなら6ヵ月分くらいをキープして、それを超えたら定期預金に移しましょう。
預金残高は、あなたの習慣でできています。毎日の生活の中でも、やり方次第でお金が貯まっていくことを忘れないでください。そのために、最初に決めた「わくわくする目標」を、映像と香り、感覚でイメージしましょう。
目標が「彼とグランピング」なら、湖を望むコテージで、朝は鳥の声を聞いて目覚め、焼き立てパンとコーヒーの香ばしい香り。ダッチオーブンで焼くラム肉と合わせるワインはランシュバージュ……のようにイメージするのです。
危うく衝動買いをしそうになったら、焚火を見ながらラム肉とワインを思い浮かべるのです。「おっとっと。そうそうグランピングだったわ」という具合に、自分で衝動を抑えるのです。我慢ではなく、目標に一歩近づく喜びなのだと分かれば、ズボラさんもお金を貯めることがもっと楽しくなりますよ!
ファイナンシャルプランナー(FP)講座へのリンク