みなさん、家計簿をつけたことがありますか?家計簿は、つけさえすればお金が貯まると思われがち……。でも実は、そうではありません。コツをおさえていない家計簿は、「つけても貯まらない家計簿」になってしまうのです。現に、私は、10年以上家計簿をつけてもお金が貯められませんでした。
そんな私でも、コツをおさえて家計簿の「つけ方を変える」だけで、無理なくお金を貯めることができました。「難しい&細かい作業は苦手」「ズボラだから続かない」という方でも大丈夫です。私もそうでしたから。今回は、ズボラ度別に3つのタイプの家計簿をご紹介します。用意するのは、家計で管理している通帳とノート1冊と筆記具だけ。簡単なものからはじめ、徐々にステップアップしていけばOKです!無理なく続けられる家計簿術で、あなたも貯金上手を目指してみましょう。
どうしても家計簿が続かない。でも、せめて月の赤字or黒字額くらいは把握したい、という方向けの家計簿です。毎月1回、家計で利用している口座の残高を書き出し、月の赤字or黒字額を把握します。毎月の記入量はメモ程度です。
制作方法
毎月、ノート片面1ページの記入のみ。1年分で、見開き6つ分のみです。記入量が少ないので、専用のノートを用意しなくてもOK。手帳の空いているところにメモするだけでも大丈夫です。毎月の作業手順は以下の通りです。
ポイント:月1回だけ、口座残高を見える化
月末や給料日前など、毎月の締日を決めます。そして、締日に一番近い日の口座残高を月1回書き出し、残高の合計を計算。定期預金なども忘れずに書き出します。「現金」には、おうちにある現金の生活費の残金を記入します(省略も可)。「今月の残高-前月の残高=今月の赤字or黒字額」となります。
まとめ:赤字・黒字をチェック!
毎月1回、口座残高を記入するだけで、今月が黒字だったか?赤字だったか?が明確に分かります。今までお金の管理を全くしていなかった方は、今月いくら使ったのか、貯金ができたのかどうかもあやふやなもの。しかし、たった月1回の口座残高の確認だけで、今まであやふやだったお金の流れがつかめるようになるんです。「家計のことは何も分からない」という不安を解消することができますよ。
固定費などの記入を省き、出来るだけ手間をかけずにお金の流れを把握したいという方向けの家計簿です。月の赤字or黒字額と、おもに「現金」のやりくりを把握することを目的とします。毎月の家計簿の全体図はこちらです。
制作方法
左ページには「超★ズボラさん向け」で紹介した口座残高を、右ページには毎日の現金支出を記入して、1ヵ月分を1つの見開きで管理します。毎月の作業手順は以下の通りです。毎月の支出の詳細はこのように書きます。
ポイント1:費目は最小限に
右側の毎月の家計簿の費目には、「食費」「日用品」「娯楽費」「特別費」の4費目は必須とします。その他、「小遣い」「教育費」など、必要な費目を追加し、全部で4~8費目程度にすると、ノート片面1ページにすっきりと収まります。一般的な家計簿では「外食費」「衣服費」「交際費」「交通費」「こども費」など、費目が細かく分かれていて、何がどの費目にあたるのかを考えることが面倒。また、予算も細かくなり、管理も大変です。
ズボラ家計簿では、「食費」「日用品」以外の細かな支出を「娯楽費」「特別費」の2つにざっくりとまとめます。これで予算が細かくならず管理が簡単、記入の手間も省け、ラクになります。
ポイント2:つけ方を工夫してムダをさらに「見える化」
例えば、「外食」は「食費」ではなく「娯楽費」にしましょう。また、「100円均一ショップの雑貨」も「日用品」ではなく「娯楽費」に。こうすることで、「娯楽費」「特別費」に1行つけるたびに、ムダ遣いが自然に浮き上がってくる家計簿になります。
一般的な家計簿では、そういった費用も「食費」や「日用品」に振り分けてしまうので、ムダ遣いが点在したままになります。そのため、家計簿をくまなく何度も見直す手間がかかり、その割に結局何が問題なのか気づけないままになることが多いのです。しかし、例えば「外食」を「娯楽費」に振り分ければ、「食費」の項目には本当に必要な出費だけが残り、「削れない食費(=予算)」の把握ができるようになります。このようにつけ方を工夫することで、ムダを集約・浮かび上がらせる仕組みを整えると、「娯楽費」「特別費」を見るだけでムダ遣いがパっと一目でわかる、「ムダが見える化」された家計簿にできるのです。
つけ方の例
娯楽費には、比較的少額な月単位のお楽しみを記入します。娯楽費は、季節や家族のイベントに関連して発生しているわけではない、ちょっとしたお楽しみの支出です。
特別費には、比較的高額な年単位のお楽しみを記入します。特別費は、毎月ではなく、年に1回、もしくは数回程度の支出。季節や家族のイベントに関連して発生しやすい支出です。
ポイント3:1日に使った額と残高を1行で把握
「支出計」にはその日の支出の合計、「残高」には「前行の残高-今日の支出計」で計算した現在の残高を記入します。面倒であれば残高欄は省略してもOKです。1日の支出は、レシートの合計金額を1日1行分記入するだけ。細かな明細を記入する必要はいっさいありません。毎日記入してもいいですし、レシートをとっておけば1週間のまとめづけも可能です。
ポイント4:さぼっても復活できる!
右ページの毎日の支出の記入を、ついさぼって書けなかった月は、左ページの口座残高だけを記入して終わりにします。市販の家計簿は、一度さぼってしまうと、集計作業すらできないものがほとんどです。しかしズボラ家計簿では、毎月口座残高を記入することで集計するので、毎日の記入が空白だったとしても、その月の集計を終えることができるんです。毎月の口座残高は、何ヵ月さぼっても通帳を見れば明瞭!そのため長期間さぼってしまったとしても、いつでも再開できます。
まとめ:毎月2ページだけ
家賃、電気、ガス、水道など、口座引き落としの支出の明細は記入しません。左側で、口座残高をざっくりと把握しておけばOK。そこに右側の毎月の家計簿を追加することで、「現金」でのやりくりが明確に見えるようになります。右側の費目とつけ方が分かりやすくなるように工夫すれば、市販の家計簿よりも記入量が圧倒的に少なく、時短効果が高い家計簿の出来上がり!
また、市販の家計簿では「どこにムダがあるか」が分かりにくいので、「いくら使ったのか?」という支出の把握はできても、「どうしてお金が貯められないのか」という原因まではつかめないことがほとんどです。ズボラ家計簿では、「娯楽費」「特別費」の費目を使って、ムダ遣いを自然に浮き上がらせる構造のため、1行つけるたびに「何が貯められない原因なのか」が自分で分かるようになります。
お金をしっかり管理したいという意欲のある方向けの家計簿です。現在、我が家がつけているのはこちらの家計簿。先程紹介した毎月の家計簿に加えて、ノートの見開きを1つ使って、1年間の収支を記入する年間の家計簿を作成します。年間の家計簿の全体図です。
制作方法
まずは、「まあまあ★ズボラさん向け!」で紹介した、おもに1ヵ月間の現金でのやりくりを記録する毎月の家計簿(画像2の右ページのみ)を12ヵ月分、6つの見開きで作成します。次に、空いている見開きを1つ使って、年間の家計簿を作成します。
毎月の家計簿の締日に合わせて、この年間の家計簿を記入していきます。毎月の家計簿に現金のやりくりの記入が終わったら、以下の手順で作業してください。
ポイント1:つけるのは毎月、たった1列だけ
年間の家計簿には、家賃、電気、ガス、水道などおもに口座引き落としでやりくりする月1回程度の支出を記録します。特別費の欄には、固定資産税、車の保険など、年に数回程度の口座引き落としとなる高額支出を記入します。ちょっと本格的な集計になりますが、毎月1回、家計簿の締日に合わせて1列だけ記入しましょう。同じことを2度書く手間を極力省いているので、本格的な集計でも記入量が少なく、ラクに続けられます。
ポイント2:年間の家計簿も、さぼっても復活できる!
年間の家計簿の「通帳の情報」には、口座の残高を記入します。この「通帳の情報」から集計作業ができるので、「収入」「支出記入」「合計」欄の記入をついさぼってしまっても、その月の集計を終えることができます。
まとめ:つけるのは毎月、片面1ページとたった1列の集計表だけ
1ヵ月に記入するのは、ノート片面1ページの毎月の家計簿と、年間の家計簿の1列だけ。毎月の家計簿に加えて、年間の家計簿を毎月1列記入することで、月単位ではなく年単位でお金の流れが把握できるようになります。
年間の家計簿で、お金の流れが月単位で見えるようになると、「この月は支出が多い」「この月は黒字になりやすい」など、家計の全体の傾向がつかめるようになります。「いくらまでなら使ってもいいのか」が把握できるようになるので「来月はちょっと贅沢な旅行をしても大丈夫!」というような楽しい計画も立てられるようになり、家計のやりくりにも次第に自信が持てるようになります。
ズボラでも家計簿を続けるコツは、なるべく時間をかけずにラクをすることです。細かな支出をしっかりつけてもお金が貯まるとは限りません。過度の節約家になることを目指すよりも、できる範囲の節約をするだけで充分。しっかりおさえるべきポイントをおさえておけば、ズボラな家計簿でも十分にお金が貯められます。
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