現在子どもを育てている、東京近郊に住むパパ・ママ30名へのアンケート結果をご紹介します。
全体の半数近くの方が、子どもの習い事に毎月10,000円以上30,000円未満のお金をかけていることがわかります。しかも、これは子ども一人当たりの金額ですから、もしも兄弟姉妹がいたら、その倍以上かかるわけですね。
また、約4人に1人が5,000円以上10,000円未満と回答しましたが、その全員が子どもの習い事を1つとしていました。さらに気になるのは、1円以上5,000円未満と回答した人がいないこと。このことから、習い事を1つするにもある程度のお金がかかることが伺えます。
とはいえ、お金がさほどかからない習い事が、ないわけではありません。たとえば、そろばん塾などは地域によっては数千円から通えますし、サッカーや野球も運営団体によっては5,000円未満で通えるチームもあります。今回はアンケートの回答者が東京近郊在住ということもあり、回答結果としては金額が高めになったのだと考えられます。
また、小学校高学年になると、中学受験の塾に通う子どもが多いのも東京近郊の特色。中学受験の塾では、一般的に月額30,000円を超える(授業料・模試代・教材費などを含めた場合)ところも多いので、アンケート結果における30,000円以上の方は、習い事の1つに塾が入っているのかもしれません。低学年のうちは、複数の習い事をしてもそんなに高くなかったけれど、高学年になって塾に通うようになり、習い事の費用がぐんと上がってしまった、なんていうご家庭も多いようですよ。
アンケートでは、子どもの習い事に関して、パパとママのいろいろな思いも伺いました。
多くのパパ・ママが「子どもがやりたいことはやらせたい」と思う一方で、我が子の人生にプラスになるかどうかも意識しているようです。中には「子どもの興味はコロコロ変わるから、習い事に月謝制度は向いていない」という意見もありました。
世の中にはいろいろな習い事がありますが、お金がかかる習い事にはどんなものがあるのでしょうか。
アンケートで、パパ・ママが最もお金がかかると回答した子どもの習い事は、塾などの学業支援でした。次に、バレエ、ピアノなどの音楽教室と続きます。塾などの学業支援の習い事の中でも、いわゆる「お受験」に関係するものは高額になりがち。たとえば中学受験をする場合、一般的には小4〜6年の3年間で、総額200万円以上かかります。また、バレエを習わせているご家庭では、月謝以外に発表会の参加費や衣装代などで、年10万円かかっているとの声も。ダンスや野球などスポーツ系の習い事でも、試合やコンテストのたびに参加費や交通費などがかかるという声もありました。
アンケートでもあったように、多くのパパ・ママは我が子に好きなことをやらせたいものですが、子どもの習い事にかけられるお金に限りがあるのもまた事実。次々と習い事を増やした結果、貯金ができない赤字家計となってしまい、進学のための資金が貯められずに教育ローンに頼るなんてことになったら本末転倒です。
教育費には「かけどき」と「貯めどき」があります。ご家庭によってどんな進路に進ませたいかは異なるので一概には言えませんが、一般的には大学進学の時期が「かけどき」であり、最もお金がかかる時期。家計から捻出できないくらいお金がかかることもあるので、大学進学の時期に向けていかに資金を準備できるかが、教育費の負担に打ち勝つポイントとなります。
その資金準備をする「貯めどき」は、最もお金がかかりにくい小学校までです。この時期は、親は「将来のためにたくさん習い事をさせたい」、また子どもも「習い事をしたい」と考える時期ではありますが、来たる教育費の「かけどき」のために、予算をたてて、しっかり貯金をすることが大切です。
それでは、習い事にかける予算はどのように考えればよいでしょうか。
手取り収入のうち、子どもの習い事は、学校に払うお金(学費)と異なり、家庭でコントロールが可能なお金にあたります。しかし、一旦習い事を始めてしまうと、毎月定額がかかり続ける「固定費」となり、続ければ続けるほど家計を圧迫するものに。そこで、あらかじめ子ども全員の習い事の予算合計を決め、それを超えないように習い事を取捨選択するとよいでしょう。
習い事の予算は、生活費や学費といった毎月「必ずかかるお金」と、大学資金や老後費用のための「貯めておきたい積立額」を、計算してから決めていきます。
手取り収入から、「毎月必ずかかるお金」と「貯めておきたい積立額」を引いた残りは、コントロールできる費用です。その中で、「被服費・娯楽費」などにいくらかけたいかを考えれば、習い事の予算を決められます。「子どもに可愛い洋服を着せたい!」「旅行もいっぱい行きたい!」と、「習い事を好きなだけやらせたい!」は両立不可能なんですね。もしも、子どもの習い事の予算を計算してみて、もっとお金をかけたいと感じたら、生活費など「必ずかかるお金」のうち、保険料や通信費などの固定費を見直すことをオススメします。
また、習い事にかける費用に対して得られる効果を「コスパ」と考えた場合、コスパを少しでも上げるために大切なのは、「親子のコミュニケーション」です。
習い事のコスパを上げるには、図にあるように分母の「かけたお金」を下げ、分子の「親子の満足度」を上げることがポイント。子どもの満足度は、親が「がんばってるね!」「上手になったね!」と褒めたり、「今何をやっているの?」と訊いてあげたりするだけで、着実にアップします。子どもの満足度が上がり、楽しそうに取り組んでくれれば、親の満足度も上がりますね。
また、分母のかけたお金を下げるためには、月謝だけでなく入会金や臨時にかかるお金(衣装代や試合代、合宿代など)も含めたトータルでかかるお金はいくらかなど、複数の習い事の費用を必ず比較することが大事です。民間の団体だけではなく、安価に通える自治体の習い事なども要チェックですよ。無料体験などを活用して子どもとの相性がよいかどうかもチェックしましょう。
子どもには、生まれてから約20年間、お金がかかり続けます。我が家にとっての教育費の「かけどき」と「貯めどき」を知り、子どもが独立するまで息切れしないように、習い事の予算を決められるとよいですね!
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