子どもは親の背中を見て育つと言われますよね。たとえば親がよく本を読む家庭なら、子どもも自然に本を読むようになるのだとか。親が一生懸命何かに取り組んでいる様子を見せることは、子どもの教育上にも良い効果があるのです。
家族が集まるリビングで、親が勉強したり、作業したりしていれば、子どもからは「何してるの?」と聞かれます。そこで「仕事に役立つ勉強をしているんだよ」「お家をもっと素敵にしたいから○○を作っているの」などと説明すれば、背景も含めて分かってもらえますし、「お母さんが勉強してるんだったら、私も(僕も)宿題するね」という自然な流れが作りやすいのです。
では、ひとりひとりが好きなことに集中できるリビングや、親子が一緒に勉強できるリビングは、どうやったら作れるのでしょうか。
子どもにはしっかり集中して勉学に励んでもらいたいのですが、大人は家事と平行して勉強する場面が多いはず。となると、ノートを開いたままで洗濯をしに行ったり、食事の準備をしたりということも。専用のデスクスペースがあれば、作業中の状態で置いておけるので便利です。奥行きの浅いデスクを壁際に並べ、カウンターのような書斎スペースを作ってみましょう。
壁に向かって勉強するのは、一人だと息苦しさがありますが、家族全員が並んでいれば寂しくありません。隣に座っていれば、子どもの勉強もすぐに見てあげられます。壁が近すぎる場合は、黒板塗料を塗ったりすると書き込みもできて便利。
ちょうどいいサイズの家具が見つけられない場合は、3段ボックスを並べ、その上に奥行きの合う板を渡せば即席のデスクを作れるのでお試しください。キッチンカウンターをあまり使っていないなら、そこをデスクにするのもいいですね。
壁際の書斎スペースをつくるのが難しい場合は、勉強机にもなるカフェテーブルを用意しましょう。以前、取材で小さなお子さんがいるお家に伺った時のこと。何もかも調和がとれているのに、リビングの学習机だけちょっと残念、ということがありました。子どもが小さいうちは勉強で使う時間はそう長くはありません。勉強していない時間にはゆっくりくつろげるよう、カフェテーブルにもできるシンプルな家具を選ぶのがおすすめです。
ただし「ここはリビングの中でも特別なスペース」と分かるように、ラグを敷く、カフェっぽいインテリアを作るなどして、視覚的に、ちょっとした区切りをつけておきましょう。壁はなくても、意識的には別の部屋、というふうに考えれば、勉強する時に気持ちが切り替わりやすくなります。
壁際のスペースも、カフェテーブルを置ける場所もない時には、ソファやダイニングテーブルの有効活用をオススメします。その場合、リビングの収納にひと工夫を。文房具や教科書など、勉強に必要なアイテムを一カ所に集中して置いておける「収納ステーション」を設けます。
専用の棚を一つ用意するだけで、場所を取らないのがいいところ。「収納ステーション」から必要なものを取り、好きな場所に移動します。「今日は天気がいいから窓際で」とか、「リラックスもしたいからソファで」とか、気分に合わせて居場所を選べるのもいいですね。専用デスクが用意されているわけではないため、テキストや文房具を置きっ放しにできない、必ず収納する、という片付け癖がつくのもよい点でしょう。
子どもの勉強を見守りながら自分も成長できる時間は、何ものにも代えがたい貴重なもの。今回ご紹介したアイデアを念頭に、リビングのインテリアを整えてみてはいかがでしょうか。
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