まとまった勉強時間をつくれる学生時代とは異なり、社会人の勉強は、忙しい合間のスキマ時間を使ってコツコツと行わなければなりません。「一念発起したのに、いつの間にか勉強をしなくなっていた」という人も少なからずいるようです。これは、時期によって忙しさに波があったり、仕事上の付き合いを断りづらかったりと、モチベーションを一定に保ったまま勉強を習慣化するのが難しいことが要因の一つです。
でも、そんな限られた時間を有効活用して資格を取得している人もたくさん!そこにはどんな秘訣があるのでしょうか。
まずは資格の勉強を始めた理由について、資格取得に成功した方たちへ質問したところ、以下のような結果に。
1位.勉強する内容に興味があったから
2位.今後のキャリアに必要だと感じたから
3位.現在の仕事に必要だったから
今回のアンケートでは、「就職や転職に有利だと思ったから」といった動機よりも、純粋にその勉強を面白いと感じたり、今後目指す自分にとって必要であるという、資格取得に対する強い意思が目立ちました。
「興味のある分野で、趣味で身についた知識を活かせたので、勉強しているという意識がなかった」(世界遺産検定3級/男性)
「もともと料理が好きだったので、勉強が楽しかった。モチベーションを保とうと意識する必要がなかった」(フードコーディネーター/女性)
「将来、資格を活かして専門分野で活躍する自分を想像した」(ビジネス実務法務検定2級・知的財産管理技能士2級/男性)
「会社で取ることを推奨された資格だったので、やらざるを得ない状況を作れたのがよかった」(個人情報保護士/男性)
好きで興味のある分野といっても、時にはやる気が下がってしまうこともあるでしょう。そんな時は、今一度目標の立て方を見直してみましょう。大きすぎる目標を立ててはいませんか? ゴールが遠いと、つい努力を先延ばしにしてしまい、結局目標達成できないという結果になってしまうことも。ポイントは、実行できそうな小さな目標を立てて「達成癖」をつけることのようです。
「どんなに時間がなくても、5分、10分でもよいので『毎日勉強する』と決めていた。平日は通勤時間や昼休みなどのすきま時間を有効活用」(ビジネス実務法務検定2級・知的財産管理技能士2級/男性)
「ベッドに入る前に次の日の目標を考えて、終わったらアイスを食べるという自分へのご褒美を用意」(ファイナンシャルプランナー(FP)/女性)
「模試が終わったら温泉!と決めて、定期的に気分転換をはかっていた」(社会保険労務士/男性)
もちろん、遠い未来のステキな夢も時には必要です。
「その資格を取ったら○年後に独立できて◯年後にカリスマとして◯◯と共演…といった、夢のある未来予想を立てて壁に貼ってうっとりしていた」(フードコーディネーター/女性)
社会人は仕事や家庭の都合で予定通りに勉強が進まないといった悩みを抱えている人も多いですが、常にモチベーションを保つことができるよう、上手に学習の目標立てをすることが大切です。
そもそも学生時代に比べて、勉強にあてられる時間が少ない社会人。仕事が残業続きだったり、付き合いの飲み会があったりと、机に向かわない日が続くと余計に勉強が億劫になることも。また、休日にまとめて時間を取ろうと思っていると、冬の時期は順調だったのに夏になると外出が増えて途端にやらなくなるといったケースも考えられます。毎日少しの時間でも勉強に向き合えるよう、時間捻出の工夫をしましょう。
「周りの人に資格の勉強をしていることを言いふらした。仕事上の付き合いで飲み会に誘われることも多いため、断っても理解が得られるよう事前に言っておくことが大切」(知的財産管理技能士2級/女性)
「2人の子育てをしながらだったので勉強はスキマ時間のみ。外出中ベビーカーの中で子どもが眠ったら、その隙にカフェで過去問を解くという程度で、まとまった時間は確保できない状態。でも逆に限られているからこそ集中できたのがよかったのかも」(健康管理士一般指導員・知的財産管理技能士2級/女性)
「通勤時間を有効に使った。ポケットサイズにまとまっているようなテキストや、最近は資格によっては問題アプリなどもあるので、積極的に活用し、毎日問題を解く習慣を付けた」(簿記2級/女性)
いかがでしたか? 一度資格を取得するために勉強をはじめたところ、目標達成する感覚が楽しくて2つ3つとチャレンジしたという人もいます。せっかく一念発起して始めた勉強。自分のペースで少しずつでも勉強を続けて、目標達成を目指してくださいね。
忙しい社会人が、資格取得や検定合格に向けて勉強を始めるのなら「効率のよさ」も大切です。ここでは、学習効果の高い勉強方法であるといわれている「アクティブラーニング」について、 学習心理学や行動科学に詳しい学習・教育アドバイザーの伊藤敏雄さんにお話を伺いました。
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