寒い季節に恋しくなるのが、温かい食べ物や飲み物です。温かいものを口にすれば、ポカポカと温かく感じますよね。しかし、その温度が体内でずっと維持されるわけではないので、それは一時的な効果にしかならないことが多いのです。
芯から体を温めたいのであれば、代謝を上げたり、発汗を促したり、血行を良くするといった効果効能のあるものを意識して摂るのがおすすめです。たとえば、体を温める食材としてよく知られているのが生姜。生の生姜には「ジンゲロール」という成分が多く含まれ、血行を良くする作用があります。また、加熱するとジンゲロールは減少しますが、その代わりに「ショウガオール」という成分が増え、体内の脂肪や糖質を燃焼し、内臓から体を温めます。どちらの食べ方でも体を温める効果はあるのですが、より体を芯から温めるのであれば、加熱調理がおすすめ。このように調理法でもその効果効能が変わることを知っておくと、より効率的に寒さ対策ができます。
体を温めるといわれる食材には、カブやレンコン、ごぼう、にんじんといった根菜類、玉ネギや長ネギといったネギ類、納豆や味噌、キムチ、紅茶といった発酵食品、胡椒や山椒、唐辛子、にんにくといった香辛料などが挙げられます。特に根菜類は冬に旬を迎えるものが多くあります。旬の食材は味も良く、栄養価も高く、値段もお手頃。ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
ただし、体を温める食材は興奮作用があるものもあるので、摂り過ぎには注意が必要です。寒い季節は体を温める食材を多めに摂りつつも、バランス良く食べることが何より大切です。
またアルコール類も、飲むとすぐに顔や体が熱くなったり汗をかいたりするので、体を温めるものと思うかもしれません。確かにアルコールには一時的な血行促進の作用がありますが、飲み過ぎると今度は血行が悪化し、かえって体を冷やしてしまうことにもなります。寒い時季にお酒を飲む場合は、ほどほどにしておくのが肝心です。
体を温める食材を簡単かつ、たっぷり食べるなら、お味噌汁やスープなどの汁物、またポトフや鍋などの煮込み料理がおすすめです。ごぼうやにんじんといった根菜類、玉ネギや長ネギなどのネギ類は、コトコト煮込むと旨みがたっぷり出て、スープがとても美味しくなります。食べやすい大きさに切ったら、全部一緒に鍋に入れて煮るだけ。火が通れば完成です。肉や魚、豆腐などのたんぱく質も一緒に加えて煮込めば、美味しさも栄養バランスも良くなります。
汁物は温め直して食べることができるので、作り置きとして多めに用意しておけば、忙しいときにも安心です。同じ味に飽きてしまうのであれば、ネギやキムチ、生姜、唐辛子、カレー粉などの香味野菜や香辛料を加えれば、味や風味が変わって飽きることなく食べられる上に、体を温める効果がさらにアップします。
また、電子レンジを使った蒸し料理も簡単で美味しいものです。野菜や肉などお好みの食材を食べやすい大きさに切り、耐熱容器に入れて、ふんわりとラップをかけ、電子レンジでチン。食材を切るときは、火が通りにくいものを小さめに、通りやすいものを大きめに切るのがポイントです。つけだれにも生姜醤油やにんにく醤油など、体を温める食材を取り入れてみましょう。
食材を切るのが面倒であれば、すでにカット済みの冷凍食品が便利です。冷凍食品は栄養価が落ちると思われがちですが、鮮度のいい旬のものを急速冷凍しているので、むしろ栄養価が高いこともあります。調理時間も短く済む場合が多いのです。
寒さに負けずに冬を乗り切るために、日々の食事をバランス良く摂ることはとても大事です。しかし、寒い季節は体が冷えて血行が悪くなりがち。食事に加えて、適度な運動や入浴も習慣づけると、よりポカポカの体が作れます。
運動といっても、急に本格的なことを始める必要はありません。ストレッチをしたり、駅ではエスカレーターではなく階段を使ったりなど、無理なくできることをやりましょう。また、日頃入浴せずにシャワーしか使っていないという人は、湯船に漬かるよう心がけてみるのがおすすめです。基礎代謝が上がり、体が温まるのはもちろん、痩せやすくなる、風邪を引きにくくなる、といった効果も期待できます。
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