本職がフォトグラファーでありながら、ツイッターのフォロワー数は17万人超。一昨年には、自身のツイートにエッセイと撮り下ろし写真を加えて刊行した初の著書『僕の隣で勝手に幸せになってください』(KADOKAWA)がベストセラーに。その後も、たて続けに人気書籍を世に出しています。ツイッターや書籍で蒼井ブルーさんの世界にふれると、なんだか前向きに一歩踏み出せそうな気持ちになってしまうから不思議です。今回はそんな蒼井ブルーさんにお話を伺いました。
──ツイッターを始めたきっかけを教えてください。
ツイッターは2009年の8月から始めました。当時、人生で一番好きだった人に大失恋をして、その心の穴を埋めようと、いろんなことを始めたりしていました。ちょうど話題になり始めていたツイッターでアカウントを作ったのもそのひとつです。そんなきっかけだったので、スタートした頃は未練がましく、自分を振った人に対する「叫び!」みたいなツイートを、だらだらとつぶやいていました(笑)。
友達同士でツイッターをやっていたらたぶん恥ずかしくて書けなかったと思いますが、当時のフォロワーさんは知らない方ばかりでしたし、もう開き直って、本当に独り言をつぶやく感じでやっていました。
それでも、フォロワー数が増えていくと読まれているという意識が高まって、「同じ内容であればこちらを使おう」みたいに、言葉遣いというか、書き方が変わっていったという感じはありますね。
──誰に対して、ツイートしているんですか?
ここ何年かは自分に対してツイートしています。備忘録に近い感覚ですね。例えば、気持ちが落ち込んだ時や、逆に明るくなれた時、うれしくなれた時、その気持ちをツイートとしてできるだけ残すようにしています。それは近い将来、自分が苦しい状況になった時に、そんなツイートを読み返すことで、「元気になるヒント」が得られるようにするためです。もしも未来の自分に「大丈夫だよ」というメッセージを伝えてあげられるとしたら、それはとても素敵なことだと思うんです。
──ツイートは恋愛系が多く感じますが、恋愛はいつもされているんですか?
恋愛は奥手ですが、「できるだけいつもしていたい」と思っています。恋愛にはそこでしか得られない感情や学びがありますから。あとは、いろんな恋愛シチュエーションを勝手に妄想したりしていますね(笑)。人の「いい恋愛話」を聞いて、それを自分なりにまとめてつぶやくこともあります。これは、後々の自分の恋愛にいいお手本になれば、という気持ちからです。
──蒼井ブルーさんのツイートは「じんわりと、言葉が心に響く」と評判ですが、どうしたら心に響く言葉を使えるようになれますか?
もしも皆さんからそう思っていただいているなら、むちゃくちゃうれしいです。僕のツイートは、もちろんフォロワーさんに読まれているという意識もありますけど、それよりも自分に向けての「自問自答」だったり、残しておきたいことの心の記録がほとんどです。その中で僕が心掛けているのは、自分の考えに誠実で、正直であること。自分用の備忘録であるなら、あとから読み返した時の自分の心に、ちゃんと響くような表現でなければならないと思うんです。
人目を気にして背伸びをしたり、かっこをつけたりしていては、ちっとも響かないんですね。そういう意味では、「自分を騙すことは難しいことだなあ」と感じています。
──蒼井ブルーさんの言葉をいくつかピックアップしました。解説していただけますか?
うどんのこと「おうどん」って呼ぶ人好き。
男性から見れば、女性らしい人は言葉や態度など、どれか1つとっても素敵でかわいい。僕自身は「おうどん」とは呼ばないので、そう言われるだけでキュンときます。小さなことだけど、「いいなと思うポイント」を見逃したくないんです。
うれしいことがあったときに
勢いだけで連絡してくる人かわいい。
「さっきはごめんね、うれしくてつい」
みたいなのもあるとなおいい。
何かうれしいことがあった時、好きな人には一番に知らせたくなると思うんです。なので、人からうれしい知らせをもらった時は、自分のことを好意的に見てくれているんだと思えて、こちらまでうれしくなります。あと、勢いで連絡してくる人にはびっくりさせられますけど、あとから「じわじわ、かわいく思えてきたり」するので、たまにはありかなと思います。
「デートのときに彼女に花をあげたら
帰りに花瓶を買い帰宅後すぐ生けた画像を送ってきて
めちゃかわいいって思った」という話がとてもよかった。2人ともいい。
こんなふうにしてもらえたら、花を贈る側としても非常にうれしいですよね。ちゃんと花瓶まで買って生けてくれて、しかも画像をすぐに送ってくれる。好意には好意で返したい、そんなお互いを思いやる関係が想像できて素敵です。
いい話やいいシーンに触れた時も、それをツイートして記録しておくようにしています。人の幸せが後々自分の心の栄養になるかもしれないだなんて、ラッキーだと思いませんか。だからできるだけ残しておきたいんです。
──初対面の人や身近な人とも仲良くなれる、蒼井ブルーさん流のキーワードを教えてください。
褒める
「人のいいところ」を見つけたら、すぐに「褒める」と喜ばれることが多いです。当たり前のことでも、口にして褒めることで、人間関係が円滑になるんです。人間は大人になるにしたがって、褒められる回数が減っていきます。だから、たまに褒められるだけで、うれしい気持ちになりますし、「もうちょっと頑張ろう」という気持ちにもなれますよね。
好きなものを訊く
女の子に、「味噌汁の具は何が好き?」とか突然訊かれると、キュンとします。人に自分のことを訊かれると、興味を持ってもらえているのだと思えて、うれしい気持ちになりますし、それが「好きなもの」だと、好意まで持ってもらえているように思えてなおさらです。こちらからも積極的に訊いて好意を伝えたいですね。
秘密を共有する
ちょっとしたことでも、「2人だけの秘密ね」なんて言われると意識してドキドキしてしまいます。親密度がアップするような言葉やできごとがあると、絆が強くなって気持ちも高まりそうです。
うれしいことを言葉にする
恋人同士だと、当たり前すぎてなかなか言えないかもしれませんが、「会えてうれしい」や「声が聞けてうれしい」みたいなことも、積極的に伝えていくようにしたいですね。いいことならどんどん口に出していいと思います。
たまに方言を使う
まず単純に、方言で話す人ってかわいい(笑)。外国人の片言の日本語のかわいらしさに対しても似たような感覚があります。方言じゃなくても、言葉は言い方ひとつでかわいくも憎くもなるのだということを知っておきたいです。
次に繋げる
例えば人との別れ際なら、「バイバイ」ではなくて、「またね」と言えたらいいなと思うんです。「次」があってほしいと思う相手には、それに繋がるイメージの言葉を使いたいですね。「おやすみ」の後に「また明日」と一言ついているだけでも、きっとじんわりうれしいですよね。会話でも、メールでも、意識して使っていきたいです。
具体的にする
例えば女子なら、「かわいい」と言ってもらえるだけでもうれしいと思いますが、ピンポイントで言われると、さらにうれしいと思うんです。「髪がかわいい」でも「服がかわいい」でも、こうして何かひとつを具体的にすることで、より伝わるように思います。「ありがとう」などもそうです。「〇〇してくれてありがとう」だと、ぐっとよくなりますよね。
表情や仕草も大切
言葉も言い方ひとつで印象が変わりますが、コミュニケーションが上手な人は、表情や仕草でもいい印象を残します。同じ言葉でも、笑顔で言われたら、すっと入ってきますよね。表情の力ってすごい。これは、返事をする時にも使えると思っています。ほんの少し口角を上げてみるだけでも、何かが変わっていくかもしれません。
人間、いつも明るく元気でいられるわけではありません。仮にそれが正しいことだとわかっていても、心まで疲れるようなことを無理に続けていくことはできません。なので、もしも心に余裕があって、周りのことまで考えられそうな時、そんな時だけでも十分ですので、コミュニケーションの取り方に「ひと手間かけられたらなあ」と思います。そのアイデアのご参考になればうれしいです。
蒼井ブルーさん流の言葉術や、コミュニケーションのコツはいかがでしたか?普段の会話はもちろん、メールやSNSなどでもすぐに使えますので、会社やプライベートでの人間関係をよくするための、ヒントにしてみてください。
さらにステップアップして、オフィスで役立つコミュニケーションスキルや、ポジティブ思考を身に付けたい方は、コミュニケーション・スキルアップ講座やメンタルトレーニング講座で、実践的なトレーニングを積んでみるのもおすすめです。
コミュニケーション・スキルアップ講座へのリンク
メンタルトレーニング講座へのリンク