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2017.01.25

【お仕事探訪】遅いスタートでも活躍できる!「行政書士」のシゴトと働き方

ドラマや漫画で取り上げられ、ここ数年認知度が上がっている「行政書士」の資格。実は取得すると独立開業しやすく、年齢関係なく活躍できるって知っていましたか? 今回は36歳で行政書士の資格を取得し、相続などの分野でキャリアを重ねている尾久陽子さんにお話を聞いてきました。

  • シゴト

行政書士は書類作成のスペシャリスト

ドラマや漫画で取り上げられ、ここ数年耳にすることが多くなった「行政書士」の資格。弁護士、司法書士と同様に法律を扱う国家資格ですが、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか。

「行政書士は主に、さまざまな役所への許可申請や、クライアントから依頼された契約書などの書類を作成する仕事です」と教えてくれたのは、行政書士として10年のキャリアがある「おぎゅう行政書士事務所」の尾久陽子さん。

尾久さん曰く、行政書士はいわば書類作成のスペシャリスト。たとえば、飲食店や保育所を設立するときは、役所に許可申請や届出をすることが必要ですが、このような場面に行政書士が登場します。
最近は社会の高齢化に伴い、「遺言書」や「遺産分割協議書」のなどの案件も増加傾向だそう。

「相続額が多額であったり、相続人が多かったりと、内容が複雑な場合は、行政書士にご相談いただき、適切な書類を作成することで、事前に相続人の間のトラブルを回避することができます」(尾久さん)

また、日本を訪れる外国人が年々増加していることで、外国人の方が日本で留学や就職をしたり、国際結婚したりする際のビザ申請には多くの行政書士が活躍。今ちまたで話題の『民泊』の許可申請も増加中だとか。

このように行政書士の業務は幅広く、扱える書類は数1000種類にも及ぶそう。資格を取るとさまざまな分野で活躍できるのですね。

行政書士は、女性が独立開業するにはうってつけ!

行政書士は、弁護士や司法書士などと同様、基本的に独立開業向けの資格です。手に職を持って自分のペースで生活したい人にピッタリなんですね。

「通常、資格取得後は、行政書士事務所などに勤務して業務経験を身につけてから、独立するという段階を踏む人が多いようです」(尾久さん)

また、行政書士は特に女性にオススメの資格だと尾久さんは言います。

「女性の行政書士の方が話しやすいということで、好まれる傾向があるようです。中でも私の専門である相続関係のご依頼の場合は依頼者のお宅を訪問することも多いので、指名されることも多いです。相続関連の仕事は今後も増加傾向。まだまだ女性の行政書士は足りないので、活躍の余地は十分にあると思います」(尾久さん)

行政書士として独立開業すれば、自分のペースで働けるので、その面でも家事や育児と両立したい女性にピッタリですね。

ダブルライセンスでさらにキャリアアップ

行政書士としてキャリアアップするには、得意分野に特化するのがオススメ。尾久さんは行政書士の資格の他に、「ファイナンシャル・プランナー(FP)」の資格も取得し、業務に活かしています。

「相続関連の仕事をする上で金融全般の知識があると、非常に役立ちます。さまざまな分野で活躍するFPとの横のつながりで、問題解決に協力し合って取り組めることもあります」(尾久さん)

また、尾久さんは、依頼者の方から法的書類の作成だけでは解決できない、介護問題などの生活相談を受けることも多いため、2年前に居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの事務所)を併設しました。社会福祉の基本的な知識は、行政書士になる前に取得していた「保育士」や「ホームへルパー2級」の知識が役立っているそう。

スタートが遅くても活躍できる!

尾久さんによると、一旦社会に出た人がキャリアチェンジのために行政書士の資格を取得するパターンが多いそう。メーカーを早期退職した人や、飲食店やアパレル勤務の人、専業主婦など、さまざまな経歴、年齢層の人が行政書士の資格を取得しています。

尾久さんの場合も、大学卒業後、演劇活動とアルバイト生活を経て、30歳を過ぎて法律事務所に就職。仕事は面白かったそうですが、アシスタント的な立場なのでキャリアの限界を感じ、36歳の時に行政書士の資格を取得しました。

その後は、業界知識を得るために、行政書士の研修会やさまざまな勉強会へ顔を出していたそう。

「その一貫で、『著作権ビジネス研究会』に所属したところ、とある放送局が、著作権処理担当の行政書士を探していて、仕事を任されました。そうやって少しずつクライアントが増えていきました」(尾久さん)

とはいえ、誰もが尾久さんのように上手くいくのでしょうか。

「私も最初は仕事がゼロでしたので、勤めながら人とのつながりを作っていきました。独立開業というと、お金や営業など不安を感じるかもしれませんね。でも、今や会社に勤めていれば安心という時代でしょうか。自分らしくキャリアを築ける「起業」という選択肢もぜひ考えてみてはいかがでしょう。例えば飲食店で独立開業するとなれば、設備費や仕入れ、人件費など最低でも1,000万円程度の資金が必要ですが、行政書士はパソコンとプリンターがあれば、仕事をすることができます。あとはひたすら研鑽あるのみです」(尾久さん)

尾久さんは、行政書士になってようやく「自分を一人の人間として見てもらえた」と思えたそう。「今の働き方では将来が不安、でも転職するには年齢が…」と悩んでいる人にも、さまざまな経歴のある人たちがスキルと経験を活かして活躍している行政書士はオススメだと言います。

「今の日本は、男性と同等に活躍できる仕組みがまだまだ不十分なこともあり、特に女性は30歳過ぎると『こんなに頑張っているのに…』という気持ちが強くなる人が多いように感じます。そんな人には、他人に期待せずに独立してやってみる生き方も面白いですよ、とお伝えしたいです。そんな思いで、女性の起業を支援する活動も続けています」(尾久さん)

Text:安本真留美

【取材協力】

尾久陽子(おぎゅう ようこ)さん
行政書士、おぎゅう行政書士事務所・おぎゅう居宅介護支援事務所代表。
1970年生まれ。東京都出身。早稲田大学第二文学部卒業。演劇活動や法律事務所勤務を経て、2006年に行政書士の資格を取得。「相続」「遺言」「離婚」などの、家族問題に関する法務事務と、著作権に関する契約書作成などを中心に業務を行う。一般社団法人キャリア35代表理事。著書は『定年直前から死んだ後まで。お金の手続きがすべてわかる本』(主婦と生活社)など。

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