キャリアアップや転職の武器として資格取得を目指す人は多数。では、複数の資格を併せ持つ「ダブルライセンス」は、どれほどの効力があるのでしょうか?
結論からいえば「組み合わせ方」次第です。高度な資格を複数持っていても十分に活かせないケースもあれば、比較的容易に取得できる資格でも、独自の組み合わせによって「希少な人材」になれることもあります。組み合わせ方のポイントは大きく分けて次の2つです。
その1:同分野の資格を組み合わせる
同じ分野の資格を組み合わせることで、ひとつの職場で複数の関連業務を担ったり、より価値の高い情報やサービスを、顧客に提供できるようになったりします。特に中小企業の場合は、複数の業務を兼務できる人が重宝されるため、期待を寄せられるでしょう。
例えば、「社会保険労務士(社労士)」+「キャリアコンサルタント」を併せ持てば、企業の人事部門において「労務管理」と「採用・教育」の両方を担う知識が身に付きます。
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「建築士」であれば、「福祉住環境コーディネーター」を併せ持つことで、高齢者の住宅のバリアフリー化の提案ができますし、「インテリアコーディネーター」資格もあれば内装や家具までアドバイスができます。
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福祉住環境コーディネーター講座へのリンク
インテリアコーディネーター講座へのリンク
もちろん、副業や独立開業にもダブルライセンスは有効です。「行政書士」にプラスして「司法書士」や「宅地建物取引士」を持つなど、「士業」とよばれる資格を組み合わせることで顧客を獲得している人は少なくありません。
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「栄養士」+「調理師」+「薬膳コーディネーター」の資格を併せ持ち、健康と美容にいいレシピを教える料理教室を開いて成功している人もいます。
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その2:異分野の資格をプラスする
異なるジャンルの資格をプラスすることで、仕事の幅を広げることもできます。例えば、「簿記」資格を活かして中小企業で経理事務を務めている人が、基礎的IT能力を示す国家資格である「ITパスポート」資格を取得したことでシステムのメンテナンスや更新も任されるようになり、その会社になくてはならない人材として評価アップしたケースがあります。
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珍しいところでは、介護の資格や看護師資格を持つ女性が「ネイリスト」の資格を取得し、高齢者施設に出張してネイルサービスを提供しているケースも。
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今、自分がいる職場で、あるいは普段接している人たちに対し、どんな「プラスアルファ」を提供すれば喜ばれるかを考え、資格を選んでみるのがいいでしょう。
次に、幅広い資格・スキルと組み合わせやすく、効力を発揮できる「汎用性が高い」資格に注目してみましょう。
お勧めしたいのは、次の3資格です。
その1:TOEIC(R)テスト
あらゆる業種・規模の企業が海外展開していること、増加する訪日外国人客に対応できるスタッフが求められていることを背景に、「語学ができる人材」は評価大。同じ職種の人・同じ資格を持っている人でも、英語ができる・できないによって求人の選択肢に倍の差がつくこともありますので、専門資格に語学系資格をプラスすると転職の際に強い武器になります。
外資系・国内系問わず、英語力を「必須」「歓迎」として募集を行っている企業に応募する場合、応募書類にはTOEIC(R)テストのスコアの記載が求められるケースが多数。もちろん実際に使えるかどうかが重視されますが、書類選考で英語力をチェックする目安とされますので、まずは「応募するために」受験が必要となるわけです。 TOEIC(R)テストのスコアを昇進の条件にしている企業、異動希望を出す条件にしている企業も見られます。履歴書に書いて有効なスコアの目安は750点程度以上ですが、業務内容や実務経験とのバランスによってはそれ以下でも受け入れられます。
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その2:ファイナンシャルプランナー(FP)
個人を対象に、ライフプランをふまえたマネープランの提案を行う資格。金融業界で活かせるほか、「宅地建物取引士」をはじめとする不動産関連の資格とも相性抜群で、不動産の売買仲介や土地活用提案で、その知識が活かせます。
金融・不動産以外でも、個人顧客、特に富裕層を顧客とする職種の人々がFPの資格を持つことで相談やアドバイスの幅が広がり、顧客の信頼を得て活躍しているケースも見られます。また、「キャリアコンサルタント」資格と組み合わせ、転職の相談に応じる際にマネープランの知識をふまえてアドバイスを行っている人も。
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その3:メンタルケア、心理カウンセリング関連資格
メンタルケア関連の資格は、個人のお客様に接する仕事すべてに活かせます。相手の話をじっくり聴いて受け止める「傾聴力」を身に付けられるため、顧客の信頼を得てリピーターの獲得につながります。
資格保持者であることそのものが評価されない職場でも、専門知識・スキルを学ぶことに意味があります。なお、後輩や部下を指導するリーダーやマネジャーの立場にある人や、人事担当者であれば、「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」で学ぶ知識も役立つでしょう。
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定講座へのリンク
いかがでしたか?資格を取るなら、「社会的評価が高そう」「興味がある」だけで選ぶのではなく、今の職場や目指す仕事で「どう使えるか」のイメージを明確にした上で選びたいものです。