「起業」といえば、一昔前は「人生の一大決心」のもと、多くの資金を投じて踏み切るというイメージを持たれていました。ところが、最近では起業へのハードルが低くなっています。得意なことや趣味の延長線上で、コストをかけることなく「プチ起業」からスタートする人も多く見られます。その背景にあるのは次のとおり。
また、昨今では「パラレルキャリア」という概念も広がりつつあります。これはピーター・ドラッカーが提唱する、これからの時代の生き方。本業を持ちつつ、他の仕事を兼業する、あるいは社会活動、NPOの活動などを行ったりするライフスタイルを指します。
終身雇用制が崩れ、さらには人の仕事がAI(人工知能)やロボットに置き換えられる時代が訪れる中、「自分の価値を発揮できる場所やテーマを広げておこう」という意識が高まっているのです。
一方、企業側も働き方の多様化を推進しており、「副業」を持つことを認める会社も現れています。会社の業務だけでなく、外の世界を経験することで視野を広げ、新しい知識や視点を身に付けて自社の仕事にも活かしてほしい…と考えているのです。会社員として安定収入を得ながら、まず副業からスタートし、軌道に乗ったら本格的に独立…という流れも、今後広がっていきそうです。
どんな資格でも、使い方を工夫することで起業に役立てることはできます。とはいえ、企業や団体に所属する形でなければ活かしにくい資格があるのも事実。ここでは、資格を武器に、独自で活動しやすい資格の一例をご紹介しましょう。
「食」関連の資格
調理師、薬膳コーディネーター、野菜スペシャリスト、食生活アドバイザー(R)、スイーツコンシェルジュなど。自宅キッチンやレンタルスペースで料理教室を開講。食の専門知識やアイデアレシピをSNSやブログで発信して教室への集客を図ったり、ライターとして活動したりする道もあります。
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野菜スペシャリスト講座へのリンク
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法律関連の「士業」系資格
社会保険労務士(社労士)、行政書士、司法書士、宅地建物取引士(宅建士)など。事務所に数年間所属し、経験を積んだ上で独立するのが一般的。しかし中には資格取得後すぐに開業し、ネットワークや営業力を活かして顧客を獲得している人もいます。SNSやブログで情報を発信したり、セミナーを主催したりして集客に成功している人も。
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保育士
保育士といえば保育園や託児所に勤務するイメージが強いですが、フリーランスで出張保育サービスを行ったり、保育ルームを運営したりするスタイルで起業している人も増えています。 政府が主導する「女性活躍推進」により、仕事と育児を両立する女性はさらに増える見込み。保育園に入れない「待機児童」問題も続く中、ニーズが高まっています。「英語で保育」「音楽を取り入れた保育」など、プラスアルファの得意技を活かせば集客力もアップするでしょう。
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ネイリスト
広いスペースや高額な設備が不要なので、低コストで起業が可能。フリーランスとして美容室やエステサロン、商業施設などと提携し、「間借り」してサービスをするネイリストも少なくありません。育児中のママや要介護者を対象に出張サービスをするなど、特定のターゲット層を対象にすることで顧客をつかんでいる人もいます。
ネイリスト講座へのリンク
上記に挙げたのは起業に直結する資格の一例。このほか、起業後にビジネスを円滑に運営していくため、資格の勉強を通じて専門知識を得ておくのもオススメです。例えば、「簿記」の知識は、どんな業種・規模の事業を行うにしても必ず役立ちます。また、事業を拡大していきたいなら、「中小企業診断士」を勉強することで、マーケティングや財務、人事など幅広い「経営」の知識が身に付きます。
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中小企業診断士講座へのリンク
一見、飽和状態に見える業種や職種でも、SNSやブログを活用したり、オリジナリティを出して他の人と差別化したりすることで、成功できる可能性は十分。他の資格やスキルと組み合わせる、ターゲットをしぼる、サービスメニューを工夫するなど、自分らしさを活かせる働き方を考えてみてください。