低成長が続く日本ではサラリーマンの給料は伸び悩み、将来への不安から副業をしてみようかと考える人が増えています。一方で、会社側としても、従来であれば禁止していた副業を容認するケースも増えてきました。ただ、いざ副業を始めようとしても、どうすればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで、副業を始めるにあたり、具体例や抑えておきたいポイントなどをご紹介していきます。
初めて副業をするという方のために、私が注目に値すると考えるお仕事を3つほどご紹介したいと思います。
コンサルタントやセミナー講師として、週末限定で活躍するという方法。ポイントは今までの経験を活かせることです。自分にとっては簡単なことでも、他人にとっては驚きや感動を与えるものであることも。そういった題材を広く教えたり、話したりすることができれば、人の役に立ちながら、副業としても立派に成立します。例えば「人前で話すとき、絶対に緊張しない話し方」、「残業しなくても人の3倍も事務作業をこなせる技術」など自分のオリジナルの手法やメソッドがないか、自分の棚卸しをしてみましょう。
身一つで始めることができ、元手が少なく、売上のほとんどが粗利益となるため、かなり有望な副業だといえるでしょう。中小企業診断士、販売士などの資格を取得すると大きなプラスとなります。話し方を勉強しておくのも良いでしょう。
絵や文章を書くことに自信があるなら、イラストレーターやWebライターのお仕事を始めてみるのはいかがでしょうか。新しいWebサイトが次々と誕生する世の中ですから、イラストや文章を書ける人に対する外注ニーズは高まっています。
成功のカギは、オリジナリティ。他の人とはちょっと違うテイストやジャンルのものを提供できれば、差別化を図ることができます。受注ルートとしては、手軽なクラウドソーシングサイトを利用する手もありますが、ライバルとの激戦により受注単価は低くなりがち。競争にさらされず、人脈で直接受注できる体制を構築したいところです。
プログラムを書く、アプリを開発するなどの技能をお持ちなら、プログラマーやアプリ開発の受託を副業とすることも可能です。ここ数年、IT業界では深刻な人手不足が起きています。もともと在宅勤務を受け入れやすい業界ですから、副業としても成立しやすいといえるでしょう。このお仕事も、クラウドソーシングサイトで競争にさらされるよりも、人脈をたどって直接受注できることが理想です。
週末起業を成功させるために、抑えておきたいポイントをみていきましょう。
まずは基本中の基本から。副業をするときは、ルールや法律を熟知し、違反しないようにする必要があります。前向きな気持ちで始めたことで、逆に人生がマイナスに作用するようでは、元も子もありませんからね。まずは会社の就業規則などで副業が本当に禁止されていないか、容認されているとしたら、どのような申請が必要かなどをよく確認しましょう。
また、意外な盲点としては、所得税の確定申告を忘れてしまうことです。副業により一定金額以上の利益が出た場合、税務署への確定申告が必要になります。このあたりも事前に情報を集めておきましょう。
自分にはラクにできることなのに、人にとっては難しく、お金を払ってでも依頼したいこと。そんな自分の「強み」を見つけることが、副業を成功させるコツです。まずは自分ができることを棚卸しして、強みを発見しましょう。強みには、経験、ノウハウ、資格、特技、趣味、人脈などが関係します。じっくりと棚卸しをしてみましょう。
副業を始める分野を選ぶ際には、時代やトレンドを先読みして、ニーズにあったものを選択することが必要です。外国人観光客の増加、健康志向の高まりなど、今後、伸びていきそうなジャンルについて、普段からアンテナを張って見極めたいところです。
長い人生を考えるならば、副業の稼ぎが本業の稼ぎを超えることを目標にするのもいいでしょう。つまりは、将来の独立開業を視野に入れた副業という考え方です。その観点から見ても、発展性のあるジャンルを選択することが理想です。
いかがでしょうか。思い立ったが吉日といいます。しようしようと思ってずっとのびのびになっていた副業の構想。これを機に準備を始めてみましょう。
【執筆者プロフィール】
中野裕哲(なかの ひろあき)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP。起業コンサルV-Spiritsグループ代表。
起業支援をライフワークとし、起業準備から起業後の経営に至るまで、窓口ひとつでまるごと支援。年間約300件の起業相談を無料で受ける。経済産業省後援DREAM GATEにて5年連続面談相談件数日本一。起業の最前線、現場での支援経験に基づく独自の起業・独立ノウハウに定評がある。
All About「起業・会社設立のノウハウ」ガイド。「一日も早く起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」(明日香出版社)など、著書多数。
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