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2020.08.19

食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

観賞用ではなく、食用として作られたお花「エディブルフラワー(Edible Flower)」。料理やスイーツ、ドリンクにひと手間加えるだけで、SNS映えする食事シーンが叶います。この「エディブルフラワー」を通じて、いつもの食卓を、時間を掛けなくても簡単に華やかにできるコツを紹介します。

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エディブルフラワーって何?!特徴とおいしい食べ方

食べるお花といえば、菊や桜、菜の花などを思い浮かべる方も多いと思いますが、最近では、ベゴニア、マリーゴールド、バーベナ……など、多彩なお花を使った料理やスイーツを見かけるようになりました。自宅で過ごす時間が増えた今、いつもの食事を食べられるお花「エディブルフラワー」でアレンジして楽しむ方も増えているようです。そこで今回は、日本エディブルフラワー協会発起人・Juliさんに、エディブルフラワーの基礎知識や家庭での楽しみ方をお聞きしました。
「エディブルフラワーは、毒性のない食用専門のお花として農家が育てているものです。観賞用のお花と違って、観賞向けにきれいに育てるための化学農薬を使わず、野菜と同様に無農薬または低農薬で、年間を通してたくさんの種類が栽培されています。最近ではネットのみならずデパートやスーパーなどでも購入できるようになりましたね」(Juliさん)
Juliさんによると、エディブルフラワーの使い方としてまず着目してほしいのが、花びらの付け根にあり花全体を支える“萼(がく)”の部分なのだとか。お花によって萼が硬いもの、繊細で軟らかいものがあり、前者の特徴を持つエディブルフラワーは花びらだけを使う、といった具合にするとよいと言います。

「例えば、萼が硬いひまわりは花びらだけを使います。ひまわりの花びらは熱に強く黄色がきれいなので、マフィンに入れると素敵な一品に仕上がりますよ。
一方、萼が軟らかいビオラやパンジーなどは、お花全体を料理に使うことができます。“お花らしさ”を存分に楽しめますね。また、種類によって異なる甘さや酸っぱさ、香りなど、個々のエディブルフラワーの特性を活かして料理やデコレーションに使っていくと、その楽しみ方もより一層広がります」(Juliさん)

いつもの食卓を華やかに!SNS映えするお料理アレンジ術

エディブルフラワーの良さは、軽く水洗いするだけで即料理に使える手軽さ。例えばサラダや冷奴、素麵に散らすだけで、いつもの料理をワンランク上の色鮮やかな料理に変身させることができます。おうちご飯はもちろんホームパーティーなどでも、頑張らないのに周りを「あっ」と驚かせる演出ができてしまうのです。
そしてエディブルフラワーは、飾るだけでなく焼く、煮る、和えるなどの料理にも応用でき、豊かな味、風味、触感を楽しむことができます。まずは、家庭でも簡単に作れて、他の料理にも気軽に取り入れられる『食用菊の鮮やかおひたし』と『バラの生ジャム』の作り方をJuliさんに教えていただきました。

食用菊の鮮やかおひたし

食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

材料

  • 食用菊……40g
  • 酢……大さじ1
  • 醤油(または白だし)……小さじ1~2

作り方

  • 1:予め萼から外した菊の花びらを、軽く水洗いする。
  • 2:鍋にたっぷりのお湯を沸騰させる。
  • 3:菊の変色を防止するために、酢を入れる。
  • 4:沸騰したお湯に菊の花びらを投入し、30秒ほど湯がく。
  • 5:湯がいた花びらを冷水または氷水で冷やす。
  • 6:水気を絞り、醤油を合わせて味付けをする。醤油の色が気になる場合は白だしで味付けしてもよい。
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*POINT*

完成したおひたしは、そのままおかずの一品になるのはもちろん、他の料理と合わせてもおいしいアクセントになります。この後ご紹介するオープンサンドや生春巻きのレシピにも使用します。

バラの生ジャム

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材料

  • バラの花びら(食用)……50g
  • 苺(またはフランボワーズ・冷凍でも可)……100g
  • グラニュー糖(香りや色が淡いものであれば他の砂糖類で代用も可)……100g
  • 白ワイン……50g
  • レモン……5g
  • ペクチン……7g

作り方

  • 1:予め萼から外したバラの花びらを軽く水洗いし、水をきり、白ワインと合わせる。
  • 2:ペクチンはダマにならないように、先にグラニュー糖とよく混ぜ合わせておく。
  • 3:苺(またはフランボワーズ)を鍋に入れて火にかけ、火が通ったら、バラの花びらを白ワインごと投入し混ぜ合わせる。
  • 4:さらにグラニュー糖とペクチンを投入し、火にかける。
  • 5:水分を飛ばし、バラや苺(またはフランボワーズ)が軟らかくなるまで煮詰める。最後にレモンを加える。
  • 6:瓶などの容器に移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で保管。
    ※長期保存用のジャムレシピではなく、バラや苺の風味を活かしたレシピのため、早めにお召し上がりください。
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*POINT*

バラの香りが広がるジャムを、家庭でも楽しみやすいようにベリー類と合わせたレシピです。このジャムがあれば、こんな楽しみ方も!

・バラのドレッシング
バラの生ジャム5~10g、オリーブオイル(またはサラダ油)15g、酢10g、塩少々を混ぜ合わせるだけで、簡単にバラの香りや花びらの食感を楽しめる、色鮮やかなドレッシングが出来上がります。

・バラのノンアルコールカクテル
グラスの底に、大さじ2杯のバラの生ジャムと氷を入れます。氷に当てながらリンゴジュースやソーダをグラスにゆっくり注ぐと、二層に分かれた見た目も美しいドリンクの完成です。マドラーやストローで、グラスの底のジャムを混ぜてお召し上がりください。

・バラのグラニテ
バラの生ジャムに2倍の水を加え、よく混ぜて溶かし、タッパーなどの平たい容器に流し、冷凍庫で凍らせます。凍らせた後に、フォークなどで細かく砕けば、簡単にグラニテが出来上がり!

バリエーション豊富にアレンジができる『食用菊の鮮やかおひたし』と『バラの生ジャム』。これらを用いた前菜・主食のレシピもJuliさんが紹介してくれました。お花が透けて見える『エディブルフラワーの生春巻き』と、菊の香りが広がる『菊とポテトのオープンサンド』も自宅で作れるお料理なので、普段の食事はもちろん、誕生日や記念日など、食卓を華やかにしたい日にもぜひチャレンジしてください!

エディブルフラワーの生春巻き

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材料:1本分

  • 生春巻きの皮……1枚
  • レタス(芯を取り除き10cm程度にちぎっておくと使いやすい)……1~2枚
  • 水菜(5~8cm程度に切っておくと使いやすい)……適量
  • 蒸し鶏(スライスしたもの)……2~3枚
  • 菊のおひたし(またはポテトサラダ)……適量
  • 好みのエディブルフラワー……適量

作り方

  • 1:生春巻きの皮を水に浸し戻す。
  • 2:生春巻きの皮に、裏返したエディブルフラワーを並べる。皮の中央よりやや手前に並べると、仕上がった時にきれいにエディブルフラワーが現れます。
  • 3:レタスを置き、水菜や蒸し鶏を並べる。
  • 4:菊のおひたし(またはポテトサラダ)を加えて巻く(ポテトサラダの場合は、細かく刻んだ軟らかめのポテトサラダが加えやすい)。
食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

*POINT*

スイートチリソースでタイ風、ナンプラーでベトナム風の味わいが楽しめますが、お花の生春巻きなので先ほどご紹介したバラの生ジャムを使ったローズドレッシングと合わせても相性抜群です。

菊とポテトのオープンサンド

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完成写真:左から『玉子と蒸し鶏のオープンサンド』、『バラジャムとベリーのオープンサンド』、『菊とポテトのオープンサンド』

材料:菊とポテトのオープンサンド1枚分(写真右)

  • 食パン……1枚
  • ポテトサラダ……25g
  • 菊のおひたし……5~10g
  • 好みのエディブルフラワー……適量
  • 茹で海老……適宜

作り方

  • 1:ポテトサラダを食パンに塗り、菊のおひたしを重ねる。
  • 2:エディブルフラワーを飾る。お好みで茹で海老などをトッピングしてもよい。
食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

*POINT*

手軽に作れて写真映えのするオープンサンドは、エディブルフラワーとの相性も良く、おすすめ!子どもから大人まで楽しめるメニューです。

スイーツや、ドリンクを華やかにするアイデア!

Juliさんがエディブルフラワーを使うようになったのは、ケーキに使う苺が入手しにくい時期に、何か代用できるものはないかと模索したのがきっかけだったと言います。
「彩り鮮やかで喜びと心の癒しにもつながるエディブルフラワーは、ビタミンやミネラルなどの栄養もあります。ケーキをはじめとするスイーツはもちろん、ドリンク類にも応用できるため、商品作りに利用するだけでなく、たくさんの人に知っていただくために情報発信も始めました」(Juliさん)

「例えばエディブルフラワー入りの氷を作っておけば、いろいろなコールドドリンクにも利用できます。作り方は簡単。製氷皿の1/2の高さまで水を張り、そこに好きなエディブルフラワーを載せます。いったん冷凍庫に入れ凍らせ、今度はギリギリまで水を注ぎエディブルフラワーを閉じ込め再度冷凍庫で凍らせれば完成です。

氷作りには濃い色鮮やかなお花がおすすめですが、薄い色のお花を使う場合はミントなどのハーブ類(グリーン)と組み合わせてデザインすると引き立ちます。エディブルフラワーの保存にもなりますよ」(Juliさん)
エディブルフラワーをスイーツに取り入れるアイデアも教えていただきました。

バラの生ジャムを使ったローズパフェ

食べられるお花・エディブルフラワーとは?!食卓を華やかにするコツをご紹介

材料

  • バラの生ジャム……大さじ3(大さじ2、大さじ1に分けて使用)
  • ヨーグルト……25g
  • バラのグラニテ……20g
  • バニラアイス……適量
  • 生クリーム……適量
  • 苺……2粒
  • ブルーベリー……適量
  • 好みのエディブルフラワー……適量

作り方

  • 1:苺は食べやすい大きさにカットする。
  • 2:器にバラの生ジャム大さじ2を入れ、その上にヨーグルト、バラのグラニテを盛る。
  • 3:バニラアイス、生クリーム、苺、ブルーベリーを盛り付け、バラの生ジャム大さじ1をかけて、エディブルフラワーをバランスよく散らす。

*POINT*

先ほどご紹介したバラの生ジャムをアレンジしたバラのグラニテを使用。パフェの中には、他にもお好みでグラノーラやナッツを足しても食感が楽しめます。

使える期間はどのくらい?保存方法をご紹介

エディブルフラワーは決して特別なものではなく、利用するにあたってはレタスや水菜などの葉野菜をイメージし、同様の扱いをすることで気負いなく楽しめます。保存方法も葉野菜に似ているため、購入した分を1回で使いきれなかった場合は冷蔵庫へ。適度な湿度を与え密封し、乾燥させない状態で置けば、保存期間は5日~1週間が目安となります。

もし、それ以上の期間保存したい場合は、前述の『氷にして冷凍庫で保存する方法』がおすすめです。これならばしばらくの間、ドリンク類はもちろん、冷麦・素麺のお供などにも利用可能です。
エディブルフラワーは、生花以外にドライフラワーもあるため、半年から1年のスパンで利用する場合はドライフラワーを購入する、という方法もあります。

さて、最後にもう一度大切なこと。エディブルフラワーは、野菜同様に農家で栽培され流通しているものです。お花屋さんで売られているお花や、公園の花壇などで咲いているお花は観賞用に育てられているまったく異なるものなので、絶対に食べないでくださいね。
さあ、これからさらに注目度もアップしていくであろうエディブルフラワーをいち早く生活に取り入れ、一味違った食卓演出をお楽しみください!

【取材協力】 
Juli(ジュリ)さん
日本エディブルフラワー協会発起人、webショップ「エディブルフラワー専門店HanaLabo(ハナラボ)」運営。ハナラボでは、販売のみでなくエディブルフラワーに関するさまざまな情報も発信。自身が経営する「夜のケーキ屋さん」ではエディブルフラワーを使ったケーキが大人気。その他、親子教室や専門学校のパティシエクラスの講師などとしても活躍中。
 

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