外食したり、お弁当を買ったり、家で作ったりするときも、 栄養バランスをしっかりと考えて食べるのは結構難しいもの。「お弁当ならいろんなものが入っているから、栄養バランスはいいはず」と考えている人も多いかもしれませんが、ちょっと待って。そのお弁当は、から揚げ、コロッケ、ウインナーなどの茶色っぽいおかずばかりのお弁当ではありませんか?同じ色のおかずばかりのお弁当は、いくら種類が入っていても、同じような栄養素ばかりで身体によいお弁当とは言い難いところがあります。
逆に言うと、カラフルで見た目にも鮮やかなお弁当は、栄養のバランスが取れていることが多いということ。例えば、から揚げ+サラダ+果物が盛り付けられた幕の内のようなお弁当は、茶色いから揚げは主菜、緑のキャベツや赤いトマトなどサラダが副菜としてあるので、栄養のバランスがよいお弁当と言えるでしょう。
このように、さまざまな色を持つ食品を組み合わせると、栄養のバランスが整いやすいのです。
色は、栄養バランスを整えるのに役立つ一方で、食欲をコントロールするのにも一役買うことができます。
例えば青は、「ダイエットに効果的」といわれます。食欲減退効果があり、おいしそうと感じさせないのです。これは天然の食品で青い色のものが少ないため、「食べ物である」と本能的に感じにくいためといわれています。完全な青だけでなく、青紫、青緑などの寒色系の色は同じく食欲減退効果があります。
逆に、赤やオレンジなどの暖色系といわれる色は食欲を増進する効果があります。「赤い果実」と聞くと完熟でおいしそうなイメージがあるなど、健康によい自然の食品を思い出すからでしょうか。そのため、スーパーの看板や食品パッケージなどには、赤やオレンジが好んで使われます。
このように、色によって食欲をコントロールすることもできます。食材を選ぶときや、食器やテーブルクロスなどを選ぶときに意識してみるのもいいかもしれません。
色とりどりの野菜や果物は、見ているだけでも楽しいものですね。実はこの野菜の持つ「色」は、厳密には栄養素と分類されてはいませんが、身体を整える作用があるのではないかと注目されています。
例えば、ブドウの皮の紫色。これは、アントシアニンという色素で視力回復に効果があるといわれています。トマトやスイカなどの赤い色はリコピンという色素。これは抗酸化作用、すなわち身体をさびさせないようにする力があるといわれています。
また野菜や果物だけでなく、お肉の茶色や魚の赤身、卵の黄色など、さまざまな食品の色には健康効果のあるものがたくさんあります。同じような色の料理ばかりだと、同じような栄養素ばかりに偏りやすくなってしまうのが分かると思います。
このように、彩のよい食卓は、栄養のバランスも整いやすくなります。また、カラフルな食卓は見た目にも楽しく、食事の時間そのものが楽しくなります。色の異なる数種類のおかずを用意して、楽しく、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
また、どうしても時間がないときなどは単品料理になりがちですが、おかずが1つだったとしても、ツナやゆで卵、レタス、キャベツ、キュウリ、トマト、カラーパプリカなどを入れたカラフルなサラダのように、異なる色を持つ複数の食材が入っていれば、ざるそばなどの単色の単品料理よりは栄養のバランスがよくなりやすいのです。それに、仮に1品だったとしても、カラフルな料理は食べることも楽しく感じられるはず。ぜひ、食事を選ぶ際には、「色」を意識してみてください。
管理栄養士講座へのリンク
食生活アドバイザー(R)講座へのリンク
カラーコーディネート講座へのリンク