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2019.04.23

盛り付けの参考に!料理がおいしそうに見える色づかいとは?

盛り付けの参考に!料理がおいしそうに見える色づかいとは?

おいしそうな料理には、誰もが目を奪われます。SNSなどでも、おいしそうな料理の写真が注目を集めることは多いですよね。料理では味はもちろん、見た目もとても大切です。そこで今回は、食欲を刺激する料理の色づかいの基本と応用について、カラーコーディネーターの松本英恵さんに解説していただきます。

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卵を例にとってみる、食べ物と色の関係……色づかいで食欲増進効果も

卵を例にとってみる、食べ物と色の関係……色づかいで食欲増進効果も

卵は、多くのご家庭の冷蔵庫に必ずある食材の一つ。卵かけご飯、卵焼き、茶碗蒸しといった和食や、オムレツ、スクランブルエッグ、フレンチトーストといった洋食、チャーハン、天津飯(テンシンハン)といった中華料理など、卵は世界各国の定番メニューに欠かすことのできない食材です。

しかし、海外のレストランで卵料理を注文すると、いつも食べ慣れた卵とは黄身の色がやや違うと感じた……という経験はありませんか?実は、日本で広く普及している卵は、諸外国の卵と比べると黄身の色が濃いのです。そのため、海外で卵料理を注文すると黄身の色が薄く感じられます。

卵の黄身の色はカロテノイドという色素で、鶏に与える餌によってコントロールすることができます。日本では、カロテノイドを含むパプリカやマリーゴールドなどを餌に加え、黄身の色が濃くなるように飼育するのが一般的です。ちなみに、鶏の餌に米を加えると黄身が白っぽい卵になります。黄身の色が濃いほど、味が濃く栄養豊富といったイメージをおもちかもしれませんが、実は味や栄養価にはほとんど差はありません。

また、白いご飯には黄色い卵焼き、サンドイッチには黄色い卵サラダを合わせると、食欲をそそられないでしょうか?私たちの味覚は色の影響を受けていて、食材や料理の色によって、食欲増進効果が得られることもあります。しかし、国や地域によって黄身の色が異なるように、食欲増進効果のある色も文化によって異なる場合があります。

料理がおいしそうに見える盛り付けのコツは、「補色対比」を意識すること

料理がおいしそうに見える盛り付けのコツは、「補色対比」を意識すること

お刺身やお寿司には、わさびをつけるのが一般的ですよね。わさびには殺菌効果もありますが、わさびの緑が魚の赤を強調し新鮮に見せるという効果もあります。赤と緑(青緑)は、色相環の反対に位置する「補色」と呼ばれ、そのような対照的な色味を隣り合わせに盛り付けると、お互いの色味が強調されるのです。

ステーキの付け合わせにクレソンを添えるのも、同じ理由です。クレソンの緑が、ステーキの赤を引き立てて、より「おいしそうな感じ」を演出します。広告や写真の世界で用いられる「シズル感」という言葉は、まさにこの「おいしそうな感じ」のことを指しますが、見る人の食欲を刺激するために、色は重要な役割を担っているのです。

料理をおいしそうに見せるには食器も重要!盛り付けの際にできる色づかいの工夫とは?

料理をおいしそうに見せるには食器も重要!盛り付けの際にできる色づかいの工夫とは?

白いお皿は、料理の彩りを際立たせ、よりおいしそうに見せる効果があります。トマトソースのパスタやグリーンサラダなどの鮮やかな色はより映えますし、ステーキや揚げ物などであれば焼き色をくっきりと浮かび上がらせるので、普通に盛り付けただけでも食欲をそそります。さらに、食器の余白を生かすことで、洗練された印象を与えることもできます。

黒いお皿も、料理の色を美しく見せる効果があります。白いお皿では、ともするとカジュアルな印象になってしまう場合もありますが、黒いお皿は白いお皿とは対照的に、高級感の演出に適しています。例えば、白いご飯を黒いお茶碗に盛り付けるだけで、ご飯の白が輝きを増したように見えるはずです。

また、おしゃれなカフェでは、ナチュラルな木のプレートに盛り付けられた料理が出てくることがありますよね。木は陶磁器よりもやわらかい印象のため、全体に優しく温かみのある雰囲気になります。木の食器にも明暗や色味の違いがあり、明るいほどカジュアルに、暗くなるほど高級感がアップします。さらに、黄み(黄色み)が強いほどナチュラルに、赤みが強いほどクラシックな雰囲気になります。

ところで、「青には食欲を減退させる効果があるので、ダイエット中の人には青い食器が適している」という話を聞いたことがないでしょうか?確かに、青い食材は少なく、他の色に比べると、食欲をそそる効果は強くありません。しかし、青い食器が必ずしも食欲を減退させるというわけではないのです。

古くから、和食器にも洋食器にも、青い染め付けを施したお皿は広く普及しています。赤と緑の関係と同じように、青(青紫)と黄色は補色の関係にあります。例えば、青いお皿に卵焼きを盛り付けると、卵の黄色がより鮮やかに見えるでしょう。また、コーンスープを青いカップに入れるとコーンの黄色が濃く見えるため、スープのコクも増したように感じられるかもしれません。青いお皿は、卵料理などの黄色い料理と相性が良いと覚えておきましょう。

料理の色づかいをマスターして、毎日の食事をもっと楽しもう

料理の色づかいをマスターして、毎日の食事をもっと楽しもう

一般的に食材や料理の色味は、できるだけ鮮やかに見せた方が、おいしそうに見えます。白や黒などの無彩色の食器は万能ですが、赤と緑、青と黄色などの補色対比を食器選びや料理の盛り付けに意識的に取り入れると、食欲をそそる効果がより高まるでしょう。

また、ご自宅でホームパーティーを開いて料理を振る舞う場合などは、テーブルコーディネートにもこだわりたいですよね。例えば、バレンタイン、ひな祭り、端午の節句などの行事にはメインとなる料理やお菓子があり、それぞれイメージカラーがあるので、それらをテーブルコーディネートに取り入れるのもおすすめです。

恋人たちのイベントである「バレンタイン」は、赤やピンクで恋愛ムードを演出しましょう。女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」は、ちらし寿司やひなあられを連想するパステルカラーがぴったりです。「端午の節句」は、兜や甲冑に見られる黒や紺色、五色旗(ごしきばた)のようなはっきりとした色づかいが行事の雰囲気にマッチします。これらのイメージカラーをランチョンマットなどに取り入れるだけでも、各行事のイメージに合ったテーブルコーディネートを演出することができます。

料理はもちろん、盛り付ける食器やテーブルコーディネートにも色の効果を取り入れるだけで、いつもの料理が見違えるはずです。あなたもぜひ、料理がよりおいしそうに見えるカラーコーディネートを楽しんでくださいね。

食生活アドバイザー(R)講座へのリンク

カラーコーディネート講座へのリンク

執筆者プロフィール
松本英恵(まつもとはなえ)さん
All Aboutカラーコーディネートガイド。カラーとイメージのエキスパートとして、執筆、講演、コンサルティングの他、パーソナルカラーや色彩心理にもとづくカラーコーディネート、流行色の先読み&深読み、トレンド分析やカラーマーケティング、印象評価や行動観察などをふまえたアドバイス業務、カラー監修を行っている。著書に『心をつかむ色とデザイン』『人を動かす「色」の科学』など。
 

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