「ひとりで旅をしてみたい」この記事を読んでくださっている方は、一度はそんな風に思ったことがあるのではないでしょうか。でも、実際ひとり旅ってどうなの?安全性とか、どの場所が良いとか……旅に出てみたいけど、不安なことは山積みです。
私も、今でこそトラベルフォトライターとして毎月のように一人で海外へ行っていますが、最初はひとり旅に行きたい気持ちと不安な気持ちが交差し、なかなか勇気が出ませんでした。そんな自分の経験を踏まえて、今回はひとり旅に出てみたい皆さんの一歩を後押しできるような内容をお届けできればと思います。
海外ひとり旅を始めたのは、大学で建築を学んでいた19歳の時。授業で世界の建築について学んだことがきっかけでドイツのノイシュヴァンシュタイン城に憧れ、大好きな建築物を実際に自分の目で見てみようとドイツやオーストリアなど東欧周遊のひとり旅に出ました。
Q:ひとり旅をしたいけどできない…どうやったら勇気が出る?
A:私も最初は勇気が出ませんでした。初めてのひとり旅の時は出発の一週間前から不安で毎日眠れなかったです…。そんな時はいろいろな旅の本を見ながらワクワクする気持ちを高めました!ちなみに、今でもひとり旅の前は心細くて行きたくなくなってしまいますが、なんとか勇気を振り絞っています(笑)
Q:素敵な旅先を探すコツは?
A:外国人が自分の住む街のさまざまな場所を紹介しているインスタアカウントを日々チェックしています。観光地やお店はもちろん、オシャレな小径などのコアな場所まで、住んでいる人だからこそ知っているスポットを見つけることができるからです。また、旅する国や都市が決まったら英語でGoogle画像検索を使っています(例:Barcelona sunset spot、Bangkok cafe instagram)。
Q:心に残っている景色・場所は?
A:ウユニ塩湖とアゲダのアンブレラ・スカイ・プロジェクト
今でこそ有名なスポットになりましたが、ボリビアのウユニ塩湖は今までに出会ったことのない景色で、言葉では言い表せないほど感動しました。ここは普段は見渡す限り真っ白な大地ですが、雨が降ると地面に水がたまり、空が反射するのです。遠いけれども行く価値がある場所だと思い、現在までに三度訪れています。初めては大学生の時で、バックパックで南米周遊をしたことは人生における貴重な経験でした。ウユニ塩湖ほど美しい場所には未だ出会ったことがなく、景色を見て涙を流したのはここが初めてです。
それから、ポルトガルのアゲダで行われるアンブレラ・スカイ・プロジェクト。毎年、期間限定でカラフルな傘が街の空を彩ります。今まで世界を旅する中で共通しているのが“カラフルな場所を好んで撮影している”ということなのですが、色彩豊かなアゲダのストリートは私の心をときめかせてくれました。また、著書の表紙にも選んだ印象的な場所で、私の人生においても思い入れのある場所となっています。
Q:ひとり旅の魅力は?
A:私が思うひとり旅の魅力は、自由に行きたいところを旅できること!私は写真を撮影することにたくさん時間をかけたいので、一人なら納得するまで撮影ができます。あとは、一人で旅をすることによって旅仲間が増えることです。ひとり旅同士で同じ街を散策したり、食事などに行ったりすることも。そして、その人の国に行った時や逆に日本に来てくれた時に再会できる楽しみがあります。そういった一期一会の出会いは大事にしています。
また、仲の良い友人と一緒にいると気が緩み、おしゃべりに夢中になって街歩き中の危機管理が薄れてしまうのでスリに遭う危険性も高まります。その点、意外とひとり旅の方がスリなどには遭いづらいかもしれません。
Q:ひとり旅の大変なところは?
A:やはり安全面です。自分を守れるのは自分だけなので、暗い道や夜に出歩かないようにするとなると夜景を見たい時などに制限がかかります。どうしても行きたい場所があればお金がかかっても安全なタクシーをホテルで手配してもらうなどして、気を付けています。ひとり旅をする上でどんな場所でも不安に思うことがあれば「安心をお金で買う」ことがとても大事。あとは女子ひとり旅だとセクハラをされることも多くあります。特に同国の女性に触れてはいけないとされるイスラム圏では、お店で買い物中に店員さんが背後から近づいてきて接客する風でずっと身体を密着させて擦りつけてきたり、必要以上に手を握り続けられるようなことが多々ありました。そういった時はひとり旅だったとしても「夫が違う店で買い物しているから行かないと」などと言って上手くかわすことが大事です。セクハラから逃げるためゆっくり買い物できないのは悔しいけど、女子ひとり旅にはセクハラがつきものなので対策が必要です。
・100円ショップの薬ケース
100円ショップに売っている薬ケースにアクセサリーやヘアゴムを小分けにして入れています。細々としたものは薬ケースで整理すれば、なくす心配もなくなり、旅先でもオシャレを楽しむことができます。
・洗濯ネット
服を分ける袋としても使え、洗濯したい時にはそのまま洗濯機に入れられます。海外の洗濯機は水流が強すぎたり、たたき洗いで服を傷めてしまうこともあるので、洗濯ネットがあれば安心。
コスパを重視したいあなたは…
タイ・バンコク
可愛いカフェがたくさんあり、近代的なビル群と伝統的な寺院が混ざり合ったバンコクならではの街並みが楽しめます。とにかくタイは親切な人が多く、道がわからない時や何か困った時に助けてもらいやすいので、初めてのひとり旅にはおすすめの場所です。
ゆったり自然を堪能したいあなたは…
ニュージーランド・クイーンズタウン
基本的にニュージーランドは治安が良く、英語も通じるのでひとり旅初心者さんにもおすすめ。クイーンズタウンは街の中心に湖があり、近くのガーデンにはラベンダーやバラがたくさん咲いています。湖畔沿いをのんびり歩けば心身ともに元気になれる旅を叶えてくれる場所です。
これから大人気になりそうな街を先取りしたいあなたは…
フランス・エズ村
絵本に出てくるようなフランスの美しい村。南フランスの大都市ニースからバスや電車を使って30分ほどで行けるので、アクセスしやすいです。高台から見下ろすコート・ダジュールの海は絶景!石造りの家と花に囲まれた可愛らしい街並みは女子ひとり旅にぴったりの場所です。
最初の一歩を踏み出すにはとても勇気がいりますが、想像以上の素敵な景色や人々に出会えるひとり旅。勇気を振り絞って世界に飛び出してみてください。旅の経験は一生の宝物になります。
皆さんが一歩を踏み出してひとり旅を楽しめますように!