今回お話を伺ったのは、「おいしいものがあると聞けば、日本各地どこへでも飛んでいく」と言う、フードアナリストのゆうさん。運営する食情報満載のブログも人気です。
ゆうさんは、その土地ならではの食を楽しむために、毎月1回以上は国内旅行に出掛けるという「食旅」の達人!旅行先での食事を存分に楽しむコツは、「旬のものを楽しむことと、できるだけ今まで食べたことのないものを食べること」の2点にあると言います。そして、そんなゆうさんが心掛けているのが、旅行前の情報収集です。
「なぜその食べものがその土地でおいしく食べられるのかや、どのお店や場所で一番おいしく食べられるのか、また休業日や待ち時間の目安など、徹底的に調べてから旅に臨みます。情報をきちんと頭に入れた上で食べると記憶に残りますし、より味わい深い旅になると感じています」(ゆうさん)
どのように旅行前の情報収集を行っているのか、具体的に教えていただきました。
食べるお店や場所は口コミを参考に決める
「食べたいものが決まったら、食べられるお店や場所をインターネットで下調べします。『食べログ』や『トリップアドバイザー』など、大勢の方の意見を確認できるサイトを見ることが多いですね。初めて食べに行くものの場合は、確実においしいものを食べたいので、口コミで人気のお店に行くようにしています」(ゆうさん)
旅先でリアルな情報をゲットする
「ネットは便利ですが、やはり地元の方の生の情報は信頼度抜群。旅行前に下調べはしていても、ホテルのコンシェルジュさんやタクシーの運転手さんなどにも話を聞くようにしています。『一般的にはあっちが有名だけど、実は地元ではこっちのほうが人気だよ』といった、ネットでは得られない情報に出会えることもあるんですよ!」(ゆうさん)
小さな島国ながらも、食の宝庫として世界から注目を浴びる日本。せっかく日本に住んでいるのに「食わず嫌い」な都道府県があるのはもったいない!ということで、ここからは、一般的に「人気がない」と言われている都道府県の、食の魅力についてご紹介していきます。
魅力度ランキング6年連続最下位!「茨城県」
ブランド総合研究所が行う「魅力度ランキング(※1)」で、6年連続最下位になった茨城県。そんな茨城県で、ゆうさんが「ぜひ食べてほしい!」と言うものとは?
朝獲れピチピチがすぐに食べられる!北茨城のアンコウ
「北茨城はアンコウが有名な土地。特に、平潟港で獲れるアンコウが、身も大きくて格別においしいと言われているんです。私のおすすめは、『まるみつ旅館』という旅館の、アンコウのフルコース。旅館が漁港の近くにあり、朝獲れたばかりのアンコウをそのまま旅館に持ってきて、さばいて出してくれるので、なんと言っても鮮度が抜群!東京で食べるのとは比べものになりません。メインのアンコウ鍋だけではなく、前菜からデザートまでアンコウというのもユニークで、珍しいアンコウの頬の刺身も食べられます。北茨城は、アンコウを食べるためだけにでも、行く価値がある場所です」(ゆうさん)
旅行客の少ない都道府県ワースト1位!「徳島県」
続いては、観光庁の発表する2018年の「都道府県別延べ宿泊者数(※2)」が、最下位だった徳島県。観光客が少ないことが明らかになった徳島県の、隠れた名産品とは?
渦潮で鍛えられた活きの良さは格別!鳴門の鯛
「徳島というと、すだちやゆずに代表されるように柑橘類が有名ですが、実は海鮮類もおいしいんです。とくに鯛は、潮流の速い鳴門海峡にもまれて身が引き締まっているのに、脂も適度に乗っていて絶品!弾力があり、コリコリとした歯ごたえがたまりません。鳴門の周辺には、鯛づくしの定食をリーズナブルに食べられるお店がいくつかあります。私は口コミを参考に、『あらし』という食堂で、おいしい鯛の定食をいただきました」(ゆうさん)
地味なイメージを覆す主役級のおいしさ!鳴門のワカメ
「ちょっと地味だと思うかもしれませんが、一度食べると忘れられないのが鳴門のワカメです。こちらも激流がぶつかり合う鳴門海峡で育ち、磨かれたように美しい色ツヤとぷりっぷりの肉厚さが特徴的。風味豊かな味わいに、『ワカメって主役級の食べものだったんだ!』と驚いたほどです。私が食べたのは、鯛と同じで『あらし』という食堂。帰りに市場で、思わずワカメのお土産を購入するほど感動しました!」(ゆうさん)
一般的に「魅力がない」「観光客が少ない」などと言われている都道府県でも、食を通じて見れば、その大きな魅力に気付くことができます。ゆうさんも、「名産品というものは、どの都道府県にもどの地方にもあります。1回や2回の旅行では、とても食べきれませんよ」と言うほどです。
「日本には、まだまだおいしいものがあるはずなので、これからも探求していきます!」と話すゆうさん。みなさんも、その土地の食を目的に旅を楽しんでみると、ひと味違った旅を楽しめるかもしれませんよ。
旅行業務取扱管理者講座へのリンク
※店舗に関する情報は、執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※1:出典「地域ブランド調査 2018」ブランド総合研究所
(http://tiiki.jp/news/wp-content/uploads/2018/10/2018_newsrelease.pdf)
※2:出典「宿泊旅行統計調査」(観光庁) (http://www.mlit.go.jp/common/001247514.pdf)