旅行業務取扱管理者は旅行業界で唯一の国家資格で、資格には次の2種類があります。
・総合旅行業務取扱管理者……国内旅行と海外旅行の両方を取り扱う
・国内旅行業務取扱管理者……国内旅行のみを取り扱う
これらの資格を取得していると、旅行に関するさまざまな知識や、万一のトラブル対応について理解している旅行のプロとして、国から認められたことになります。しかし、実際に旅行会社に勤務する社員全員がこの資格を取得しておく必要があるのかというと、必ずしもそうではありません。
旅行業務取扱管理者の資格を保有していることが義務付けられているのは、旅行業法で定められている旅行業者や営業所で、お客さまとの旅行取引に関する責任者となる場合です。また、営業所ごとに少なくとも1名以上の資格保有者を配置することも定められています。
したがって、国内旅行と海外旅行の両方を取り扱う営業所の場合は、「総合旅行業務取扱管理者」を、国内旅行のみを取り扱う営業所の場合は、「国内旅行業務取扱管理者」をそれぞれ1名以上配置する必要があります。
旅行業務取扱管理者の資格を有していなくても、旅行会社の社員であれば、お客さまのリクエストに応じて鉄道や飛行機、宿泊施設の手配やパッケージ旅行の申込を受け付けることは可能です。
一方で旅行業務取扱管理者は、お客さまから旅行申込を受け付けた場合の旅行業務内容に関するマネジメントや、無資格の社員が行った業務全般についての確認チェック、監督業務についての責務を負います。また、もし自分の会社で取り扱った旅行商品に関してお客さまからクレームが発生した場合には、旅行業法上の責任者として適切な判断と処理が求められる立場となります。
責任を負う立場ではあるものの、その分できることが多く、「お客さまに安全で楽しい旅を提供する」というやりがいも感じられるでしょう。また、無資格の場合に比べて給料が高く設定されやすいというメリットもあります。
旅行業務取扱管理者の仕事は、勤務する会社の規模に応じて異なりますが、代表的なものとして以下の業務が挙げられます。
・旅行内容に関する正しい説明と申込手続き
・旅行プラン作成の内容確認
・旅行募集広告の内容確認
・旅行券やクーポン券などの保管、管理
・お客さまからの苦情対応
旅行業務取扱管理者の資格を取得するためには、国土交通省が全国の主要都市で実施する国家試験に合格する必要があります。
試験はマークシート方式で正答率60%以上が合格ボーダーです。合格率は、総合旅行業務取扱管理者で10~20%%前後、国内旅行業務取扱管理者で30%~40%程度と、他の国家資格と比較すると高めです。ただし、試験は年1回しかないため注意してください。
参考書などを使って独学で受験することも可能ですが、誰からのアドバイスもなくゼロからスタートすることになるため、それなりの時間と根気が必要です。
比較的短期間で効率良く勉強したいというのであれば、通信講座の受講をおすすめします。通信講座であれば、独学と同じように自分の都合に合わせて学習できる一方で、質問ができたり、添削課題でモチベーションも保てたり、というメリットがあるため、仕事で忙しい方や育児中の方であっても安心して受講が可能です。
旅行商品は形がないものである分、自らの知識や経験が生きる仕事です。そのため、旅行業務取扱管理者に求められることとしては、「旅行が好き」という情熱はもちろん、コミュニケーション能力や表現力、提案力などが挙げられます。そうしたスキルをさらに磨いていくために、常に学習する姿勢を持ち続けてさらなるスキルアップを目指しましょう。
美しい景色やおいしい食事など、異国の文化を楽しむことができるのが、海外旅行の魅力。でも一方で、言葉が通じなくて苦労した、という経験がある方も多いのではないでしょうか。ここでは「そういえば英語でなんて言うんだっけ?」となりがちな、 よく使う日常のフレーズを、「飛行機編」「レストラン編」「ホテル編」…などシーンごとに分けてご紹介します。