食事の栄養バランスを考える時、生野菜のサラダを思い浮かべるのではないでしょうか。生野菜はビタミン・ミネラル・食物繊維の宝庫。しかもサラダなら、切ってドレッシングと和えるだけの手軽さと気安さがあります。そして、ドレッシングの選び方次第で、味のバリエーションがグンと広がるのもサラダの特長です。
実は、ドレッシングの語源は英語の「Dress(ドレス)」。洋服のドレスと同じで、文字通り「着飾る」という意味があります。つまりドレッシングは、野菜をおしゃれに飾ってくれるものなのです。定番のフレンチドレッシングに、青じそやごまの和風ドレッシング、レモンやバジル入りのドレッシングなど、色合いも味も食感もさまざまに、サラダをおいしく飾ることができます。
ところが、いざ市販のドレッシングを買うとなると、ついいつもと同じ商品を買ってしまいがち。また、さまざまな味を楽しみたくても、賞味期限が気になり1種類しか購入せず飽きてしまう……というケースもあるでしょう。そんな時こそ、手作りドレッシングの出番です。
少し趣向を変えたい時や、メイン料理に合ったサラダにしたい時など、ドレッシングを1食で食べきれる分だけ手作りすれば、飽きることなく生野菜のサラダを毎日の食事に取り入れることができます。
ドレッシングは、ご自宅にある材料だけでも、十分においしく手作りできます。今回は、簡単でおいしい「和風ドレッシング」と、ひと手間加えた「トマトドレッシング」のレシピをご紹介します。
自宅に常備している調味料だけで手作りするなら、「和風ドレッシング」がおすすめです。醤油ベースなのであっさりしていて、どんな生野菜にもなじむ懐の深さがあります。オーソドックスな味なので、梅肉・ゆずこしょう・すりごま・コチュジャンなど、アクセントになる調味料をチョイ足しするのもOK。まずは、「和風ドレッシング」の基本のレシピを、土台としてマスターしておきましょう。
和風ドレッシング
材料
作り方
混ぜ合わせるだけの、とても簡単なレシピ。保存する時は密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。1週間以内に食べきるようにしてください。また、この「和風ドレッシング」にぴったりのサラダのレシピもご紹介します。
ごまの風味が香る、シャキシャキ大根サラダ
材料:2人分
作り方
ドレッシングは材料にこだわると、より複雑で深い味わいになります。例えば、パクチーなどのハーブを使って刺激的なアクセントを付けたり、すりおろしたにんにくを使って旨みを増幅させたり、チーズを加えてこってりと仕上げたり……。
市販のドレッシングにも、こうした工夫を凝らしたおいしいものがたくさんありますが、ご自宅でも工夫次第で、プロの味のドレッシングが手作りできます。今回は、野菜の旨みを存分に生かした「トマトドレッシング」を作ってみましょう。
トマトドレッシング
材料
作り方
トマトには、旨み成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸が含まれています。材料を混ぜ合わせたら10分置き、これらの成分をしっかりとなじませることで、おいしいドレッシングに仕上がります。トマトはしっかり刻んで、種も皮も果肉も汁も全て加えて作るのがポイントです。
こちらのドレッシングも、保存する時は密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。2~3日以内に食べきるようにしましょう。また、この「トマトドレッシング」にぴったりのサラダのレシピはこちら。
生野菜たっぷり、にんじんの彩りサラダ
材料:2人分
作り方
今回はドレッシングの作り方をご紹介しましたが、サラダのバリエーションを広げる術は、それだけではありません。使う野菜の種類や組み合わせ、切り方の工夫によっても、新たな味わいが生まれるものです。
他にも、例えば生野菜をドレッシングに漬けておけば、味がゆっくりと野菜に染み込んで、しんなりとした仕上がりに。普通のサラダとは違った食感や味わいになります。その際は、とろみのあるドレッシングより、オイル控え目のサラッとしたドレッシングを使うのがおすすめです。
ドレッシングは、いわばサラダの真価を引き出してくれる、名プロデューサーのような存在です。ただの生野菜のサラダも、ドレッシングひとつでその価値がグンと上がります。ぜひ今回ご紹介したレシピを参考にしていただき、いろいろな手作りドレッシングを試して、よりおいしくサラダを食べられるように工夫してみてくださいね。