恋愛において追いかける側になってしまうのには、主に4つの原因があります。
原因1:「好き」という感情を抑えられない
あふれ出る相手への愛情が抑えられない人は、相手の状況などお構いなしに、自分の愛情をぶつけようとしてしまいがちです。すると、相手は逃げだしたくなり、必然的に追いかける側になってしまいます。
例えば、人に何かをプレゼントするにしても、相手が欲しがっている時に渡せば喜ばれますが、必要ではない時に無理やり渡せば、ありがた迷惑になってしまいますよね。また、プレゼントがどんなに高価な物であっても、それが簡単に手に入ってしまえば、ありがたみを感じない相手もいます。
それは愛情でも同じで、相手が求めている時に与えることで、喜ばれるのです。そして、あまり簡単に愛情を与え過ぎてしまうと、人によっては、ありがたみが薄れてしまう場合があることも覚えておきましょう。
コミュニケーションの基本は、相手との言葉や気持ちのキャッチボールです。相手の様子をよく見て、愛情のボールを投げるようにしましょう。
原因2:相手に依存しがち
相手に愛情を押し付けてしまう人は、「見返りの愛」を求めている場合が多いです。そういう人は、自分の心の隙間を相手の愛情で埋めたくて、愛情を乞う状態になっています。だから、追いかけてしまうのです。また、人からの評価によって自分の存在価値を測ってしまう人は、相手から尽くされることや求められることを強く望む傾向があります。つまり、相手に依存しているのです。
基本的に、自分の心の隙間は自分でしか埋められません。また、人にどんなに認められたところで、自分で自分をきちんと認められるようにならないと、いつまで経っても気持ちは安定しないものです。「精神的な自立」ができるようになりましょう。
原因3:相手を信じられない
相手の愛情が信じられないと、信じられる可能性を探すかのように、相手を追いかけてしまいます。愛情に対する不安や恐れが、相手を追いかける行為につながるのです。
「今、彼(彼女)が付き合っているのは自分なのだ」「彼(彼女)は自分のことを愛してくれている」と、相手の愛情を信じてドーンと構えることも大切ですよ。
原因4:恋愛体質ではない人に惹かれる
相手が恋愛体質ではない場合も、追いかける側になってしまいがちです。例えば、遠距離恋愛でもないのに会うのは月1回程度で、LINEの返事も遅かったり、くれなかったりするようなあっさりした相手だと、付き合っていても不安を感じるでしょう。
また、お互いが望む「心の距離感」が違う場合も同様です。自分はもう少し距離を縮めたいのに、相手はそれほど縮めたくないという場合には、寂しい思いを抱えながら追いかけることになります。これは「心の距離感」の相性が良くないわけですが、別れたくないのであれば、お互いによく話し合って、折り合いをつけるようにしましょう。
一方で、いつも「追われる恋愛」をしている人もいます。そのような人には、どのような特徴があるのでしょうか。
特徴1:相手のペースに合わせられる
「相手からメールが来たら返事をする」「デートに誘われたら行く」というように、相手のペースに合わせて行動できる人は、必然的に相手のリードの元に物事が進むので、追われる側になりやすいです。
完全に受け身でしかないと、相手が連絡をしてこなくなったら自然消滅することにもなりかねませんが、「追われる恋愛」が上手な人は、程よいタイミングで、自分からもメールをしたりデートの提案をしたりできるのです。
特徴2:恋愛以外のことに夢中
仕事や趣味など、恋愛以外のことに夢中だと、必然的に恋愛ばかりに時間や労力を費やせないもの。そんな時に、相手の方が「会いたい」という気持ちが強いと、追われる側になりやすいです。
特徴3:相手のことがそれほど好きではない
これは残念なケースですが、相手から愛されてはいるものの、自分は相手をそれほど愛してはいない場合は、当然のことながら受け身になりやすく、追われる側になりやすいです。
それでは、「追われる恋愛」をするためにはどうしたらいいでしょうか。そのテクニックをいくつかご紹介します。
テクニック1:魅力的な人・奥深い人になる
当たり前のことではありますが、相手を惹きつけ続けられるくらいに「魅力的な人」でいるというのが、とても大切なことです。付き合い始めたら、おしゃれの手抜きをしたり、気遣いが減ったりして、魅力が損なわれてしまうこともあります。そうなってしまうと、追われるどころか、「こんなはずじゃなかった!」と相手の愛が冷めてしまうこともあるでしょう。
関係を深めれば深めるほど魅力的に感じられるような「奥深い人」になることで、相手は「追いかけ続けたい」という気持ちになります。
テクニック2:相手にリードをゆだねる
これは、特に女性に有効な方法です。いいか悪いかは別にして、人は「自分の思い通りになる環境」を心地よく感じるもの。ですから、相手が会いたい時や何かをやりたい時に、すんなり付き合ってあげると、相手にとってあなたは「一緒にいて居心地のいい相手」になりやすいです。
一方で、相手に「満足感を与え過ぎない」ことも大切です。基本的には相手の要望に付き合うものの、嫌なことはきちんと断るなどのアクセントがあると、相手を惹きつける効果が強くなります。ただし、こういった駆け引きのような意味合いの強いテクニックについては、抵抗がある方は無理に実践しないほうがいいでしょう。
テクニック3:愛情深い人を相手に選ぶ
特に男性に多い傾向がありますが、「釣った魚に餌をやらないタイプ」というのは、世の中に存在します。そういう人は付き合うことがゴールなので、付き合ってからはどんどん愛情が冷めていきます。そもそもその人にあったのは「自己愛」で、相手を好きだからではなく、単に自分が手に入れたいから追いかけていた、ということもあるかもしれません。
愛情の薄い人と付き合って、追われ続ける恋愛になることはまずありません。なぜなら、そういう人はすぐに相手に飽きてしまいがちだからです。追われる恋愛をしたいのであれば、愛情深い人を選んだ方がいいでしょう。
ずっと「追いかける恋愛」ばかりをしていると、その反動で「追われる恋愛」がしたいと思ってしまいがちですが、そもそも「追われる恋愛」というのは、幸せなのでしょうか?
「追われる恋愛がしたい」と思う人は、「自分の方が相手よりも好きだったら損だ」と思いがちです。つまり、「自分の愛情が相手よりも少ない状態を望んでいる」ということですね。しかし、愛というのは、言うなれば「幸せ物質」です。それは、人からもらって増えるものではなく、自分が愛するほど、自分の内側から増えていくもの。そのため、相手にたくさんの愛情を抱ける人ほど、その人の内側には多くの愛があるので幸せだと考えることができます。
また、テクニックを使って「追われる恋愛」をすることは可能でしょうが、無理に相手からのメールや誘いを待ち続ける状態になってしまうと、それもまた辛いものです。
本来は、お互いに追いかけたり、追われたりしながら、関係を深めていくことがベストなのです。いつも相手にばかり追いかけさせてしまっては、相手だって疲れてしまいます。そもそも、自分は追いかけるような恋愛はしたくないのに、相手には追いかけさせたいと思っているとしたら、相手への思いやりが不足していますし、そこにあるのは「自己愛」でしょう。
今回ご紹介したお話を参考に、自分の恋愛を見直してみてはいかがでしょうか。そして、「追いかける恋愛」「追われる恋愛」のどちらかに偏るのではなく、自分自身がきちんと愛情を増やしていける恋愛を目指しましょうね。
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