そもそも「自分を好きになる」というのは、どういうことでしょうか。それは「その逆」、つまり自分を好きでない人が、どんな行動をしてしまうかを考えてみるとよく分かります。
自分を好きでない人は、普段から自分に自信がなく、ダメな自分を責めてばかりいます。さらに、自暴自棄になって、自分を痛めつけるような行動をしてしまうこともあります。つまり、自分を好きでない人は、ありのままの自分を受け止められていないですし、自分を大切にできていないのです。
それでは逆に、自分を好きな人は、どのような行動をしているのでしょうか。自分を好きな人は、自分を好きでない人と違い、ありのままの自分を受け止め、自分の成長を願い、自分を大切に扱っているのです。しかし、そういった行動をできるようになるのは容易なことではありません。ここからは、自分を好きになるための具体的なコツをご紹介します。
自分を好きになるためには、下記の3つのコツを意識するといいでしょう。
その1:自分を嫌いになるような言動はしない(自分を好きになれるような言動をする)こと。
その2:どんなに欠点のある自分であってもありのままに受け止め、責めるのではなく反省し、成長すること。
その3:自分を大切に扱うこと。
1つずつ解説していきます。
まず「その1」について。たとえば、人に意地悪をしたり、さまざまな欲望に負けて堕落した日々を送ったりしていると、自分を誇りに思うことができなくなっていきます。そんな自分を好きになれと言っても、難しいでしょう。
逆に、人に優しくしたり、日々いろいろなことにチャレンジしたりしていると、自分のことを誇らしく思えるようになっていきます。
結局、自分を傷つけ、苦しめる力を持っているのは「自分自身」です。自己嫌悪が、一番自分を苦しめます。だからこそ、まずは自分を好きになれるような言動を心がけることが大切なのです。
次に「その2」について。人は完璧ではないので、ときには失敗もするもの。そんなとき、多くの人はそんな残念な自分を受け止められず、人や環境のせいにしたり、また自分のせいだと分かったときは深く自己を責めることにエネルギーを使ったりしてしまいます。しかし、そのエネルギーは、「自分を責めること」ではなく、「反省し、成長すること」に使った方が効率的です。
自分を好きになるためにも、まずは未熟な自分を「私もまだまだだな」ときちんと受け止め、「二度と同じ失敗をしないぞ」と誓い、成長しようとすることが大切なのです。それができれば、失敗する前よりも魅力を増すことができるので、むしろ自分を好きになれるでしょう。
最後に「その3」について。「鶏が先か卵が先か」と同じように、「自分を好きだから、自分を大切にする」だけではなく、「自分を大切にするから、自分を好きになれる」こともあるのです。たとえば、人は綺麗にラッピングされた品物だと好ましく思い、丁寧に扱いたくなりますが、ぐちゃぐちゃの紙袋に入れられた品物だとどうでもよくなって、ぞんざいな扱いをしがちです。それと同じように、まずは身なりを整えたり心身を磨いたりして、自分を大切にすることで、自分のことをもっと好きになれるものなのです。
「その1~3」を意識することで、自分の魅力は増していき、無理に自分を好きになろうと思わなくても、自然と自分を好きになれるものなのです。
自分を好きになったら、恋愛もよりうまくできるようになるでしょう。自分を嫌いな人は、自分に自信がなく、また自分を受け止められないからこそ、相手に受け止められることばかりを望みがちです。また自分を愛せていないからこそ、自暴自棄な振舞いをして、さらに自分の魅力を損なわせてしまうことも。そんな人が相手の目に魅力的に映ることは、まずないでしょう。
逆に自分を好きな人は、自分のことを受け止められているので、相手に受け止められることばかりを望まず、逆に相手のこともきちんと受け止められるような心の余裕があります。また、日々自分を大切にし、成長しているので、相手からも「大切に扱うべき人なのだ」と思ってもらいやすくなります。
また、自分を好きになることで自尊心が芽生えるので、好きな人ができたときには、フラれることを怖れずにアプローチできるようになります。それは、「もしもフラれてしまったとしても、自分の価値が下がるわけではなく、私は私なんだ」と思えるからなんです。
自分を好きになると、人は輝きが増します。そういう人は、周りの人から見ても魅力的なので、恋愛に限らず、友達にも職場の人にも人気があるものです。
自分を好きになることは、「人生における大切なテーマ」と言っても過言ではありません。一番の味方にならなくてはいけない自分自身が、自分を大切にしないなんて、自分が可哀想ですよね。まずは自分をきちんと愛し、いい恋愛ができるようになりましょう。
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