家事に仕事に子育てに……忙しい毎日の中で、ごはん作りにあまり時間をかけられないママやパパは少なくありません。今回お話を伺ったはるはるさんも、仕事をしながら家事や子育てをする働くママの1人です。
そんなはるはるさんがアスリートフードマイスターの資格を取ったのは、サッカーを頑張る2人の息子さんを、栄養満点の食事でサポートしたいという気持ちからだったと言います。
「スポーツを頑張る子どもの食事では、成長に必要な栄養素やエネルギーに加えて、スポーツで消費する分の栄養素やエネルギーも補う必要があります。具体的には、エネルギーとなる糖質、カラダづくりの基礎となるタンパク質、それらの吸収をよくするビタミン類などが挙げられ、どれも効率よくとれるメニューを心掛けなければなりません。
また、食べるタイミングも考える必要があります。例えば試合などの前は、糖質を多めにしてエネルギー不足にならないようにしたり、消化の悪いものを避けたりした方がいいですね」(はるはるさん)
はるはるさんが食事でのサポートを続けるうちに、子どもたち自身も「ケガをしにくくなった」「スタミナが切れにくくなった」などと感じ、食事の大切さを実感するようになったそうです。
「子どもは、食べるのを嫌がったり、おかずを残したりすることもあります。そういう時は無理やり食べさせることはせず、そのまま練習に参加させてみてはいかがでしょうか?すると子どもたち自身が、しっかり食べた時よりもカラダの状態がよくないことを感じて、食事の大切さを実感してくれるようになります。『食事も練習のうち』『とにかく食べなさい』と強要しても、食べることの重要性が分からないと意味がありませんから」(はるはるさん)
食事によるサポートも、次第に本格的になっていったと言うはるはるさん。スポーツをする子どもを食事でサポートする大切さは分かりましたが、忙しい生活の中で、毎日続けていくのは大変です。無理なく続けるコツはあるのでしょうか?
「毎日の食事で、子どもの分だけ別メニューを作るのは大変ですよね。そこで私の場合は、スープを作ったら子どもにはマカロニをプラスするといったように、もともとの料理に無理のない範囲でアレンジを加えて、ボリュームなどをアップさせています。
また、私は子どもが料理を見た時の反応も大切にしていて、子どもから喜びのコメントが聞けた時は心の中でガッツポーズをしています(笑)。そうやって、作る側もスポーツのように楽しむことが、食事でのサポートを続けるコツかもしれません」(はるはるさん)
ここからは、野菜が苦手な子どもでもついつい箸が進む、野菜たっぷりのスポーツ飯レシピを3つご紹介します。どれも、はるはるさんのお子さんに大人気のリピートメニュー。簡単にできて栄養バランスもバッチリなので、夕飯の定番として覚えておくと便利です。早速、今晩のおかずに作ってみてはいかがでしょう?
ニラだれポークソテー
「このニラだれは子どもたちも大好きな味で、ニラたっぷりでもたくさん食べてくれます。他のお肉やお魚とも相性抜群です!」(はるはるさん)
材料(2人分)
作り方
栄養ポイント
疲労回復に効果的なメニューです。運動前に食べれば疲労が蓄積しづらくなりますし、運動後なら疲労回復につながります。スポーツではたくさんのエネルギーを必要としますが、エネルギー源となるのは糖質です。その糖質をエネルギーに変えるためには、ビタミンB1が必要。豚肉にはビタミンB1が豊富で、ニラには、その吸収を高めるアリシンが豊富です。
ホウレン草とジャガイモのミートグラタン
「オーブンではなく、トースターやグリルで焼き目をつけてもOK。ホウレン草をしっかり水切りすることで、コクのある味わいに仕上がりますよ」(はるはるさん)
材料(4人分)
作り方
栄養ポイント
ホウレン草やトマトといった緑黄色野菜がたっぷり。またチーズによって、不足しがちなカルシウムも補える万能メニューです。見た目にも子どものテンションが上がること請け合い。見て「おいしそう!」と感じると唾液が分泌され、消化が良くなります。
アサリとキャベツの煮込みスープ
「スープのままでもおいしいですが、スポーツキッズにはうどんを加えるなど、食べるシーンに合わせてアレンジできるのが魅力です。うどんは、手軽に糖質がとれるだけでなく、よく煮込めば消化吸収も良くなるので、レパートリーに加えておくと重宝します」(はるはるさん)
材料(4人分)
作り方
栄養ポイント
非ヘム鉄を手軽にとれるアサリは、ビタミンCの豊富なキャベツと一緒に食べると吸収が良くなります。うどんはよく煮込んで消化吸収を良くすれば、試合の前日や練習で遅くなった日の夜ごはん、また疲れて食欲がない時や胃が弱っている時の食事にもぴったりです。
スポーツキッズをサポートするためとはいえ、「野菜を食べさせなければ」「栄養バランスを考えなければ」といった義務感だけでごはんを作っていては、楽しくありません。また、長く続けることもできないでしょう。今回ご紹介した、はるはるさんのお話やスポーツ飯レシピからヒントを得て、ママもパパも食事作りを楽しみながら、スポーツを頑張る子どもの強いカラダとココロを育んでいきましょう!
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